陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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アケボノ

ルスツ㉔

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 起床時間には全員起きて、そして今日着る服に着替える。今日の朝だけは私服でホテル内を歩き回れるのだ。

「おはよ~。」
「おはよ。眠そうやな。」
「まぁ疲れも溜まってるし。」

朝食会場には先にH組が着いていて、桜たちがいた。

「おはよ、小説家くん!」
「おはよ、柚さん。桜とはうってかわって元気やな。」
「私はさくちゃんよりは体力あるし、それに今日が1番楽しみやから!」
「今日は桜を借りちまって悪いな。あとでカレンも来るはずだから謝らせるわ。」
「いいのいいの。久しぶり琴ちゃんと遊べるし。」

桜たちは元々いつものあのメンバーで回る気だったらしいが、俺と桜が回ることになり、カレンと音羽が回ることになったらしいので柚さん1人になった。だから、色々ツテをあたったみたいで、結局琴さんの班にお邪魔することになったらしい。

「おーい、あんまりイチャイチャしとったら飯食う時間なくなるぞ。」
「おう。じゃあ後でな。」
「うん。また後で。」

村木にそう言われたので、2人に追いついて朝食を取る。けど昨日までよりは少ない。それは簡単な理由だ。今から小樽で2食食べる気だからだ。さすがに昨日までと同じように食べて、小樽で2食食べられるとは思えない。

 なぜこんな予定になったのかは、修学旅行前に遡る。家で桜とゴロゴロしていたときだ。

「あかん、どんなけちゃんと予定組んでも小樽運河行かれへん!」

ソファーの上で、俺の膝に頭を乗せながらそうやって叫ぶ。

「んじゃダッシュで回るか?」
「それはいや!久志とゆっくりしたい!」
「じゃあ、小樽運河行かんとかは?」

桜の小樽での目的はあくまで飯だ。あそこで胃袋を満たす気なのだ。

「それだ!久志!観光とか後回しで食べまくんで!」

 ってことがあったのだ。実際運河はバスから見えるし、何も心配していないが…

(ちょっと頑張ったら時間余りそうやねんな。)

そのときは杏とかのお土産買うか。真奈ちゃんにも合格祝いで何か渡そう。たしか、俺たちが修学旅行行ってる間、お泊まり会してるはずだ。杏に帰すのちょっと待っといて貰お。

 オレンジジュースを飲みながら2人を待つ。2人は普通に観光するようなので、朝はがっつりだ。

「おまたせ。」
「先食っといてくれても良かったのに。」
「ずっと3人揃って食っとったのに、最終日だけってなんか違うやろ。」

2人はいつも通り俺の前に座って、トレイを置いた。

「じゃあ食べるか。」
『いただきます!』

北の地の最後の朝食が始まった。
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