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アケボノ

ルスツ⑦

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 そんなこんなで、特に何事もなくスキー講習1日目が終了した。

「疲れたぁ~!」

フリータイムはずっと滑り続け、こんなに遊び尽くしたことは無いくらいだ。4時までがリフトを使えるが、最後にリフトを乗ったのは4時3分くらい。先生と一緒に見回りに行くとかいう口実で一緒に乗せてもらったのだ。

「おつかれ~。」
「フリーの間ずっと滑っとったやろ?」
「やな。」

先に部屋に戻っていた2人はもう体操服に着替えていて、いつでも講習後の点呼に行ける感じ。俺はスキーウェアを脱いで…

「つるつるつる!」

濡れた靴下を脱ごうとしたらふくらはぎ裏がつりそうになった。

「大丈夫か?」
「運動不足がすぎるやろ。」

何とかして靴下を脱いで、体操服のジャージを着て、いつでも点呼に行けるようにした。

「フリーん時1回見たけど、由良って滑れんねんな。」
「俺も1回見たわ。俺たちが嵌めてる前をシャーって。」

2人はスノボだったようで、そんなことを言ってくる。

「まぁ、久しぶりやけどな。自分でもこんなに滑れるんはびっくりや。」
「そーなんや。」

 時間はもうすぐ4時半。だいたいこれくらいの時間に点呼に行ったらいいみたいなので、部屋に戻ってきてから飲む用のホットドリンクを準備してから出よう。

「戻ってきてからなんか飲む?」
「俺お茶。」
「俺マキアート。」
「おけ~。」

それぞれの紙コップに注文通りの飲み物を淹れて、外に出れるようにインシューズを履く。ちなみに俺は甘酒だ。何となくこれが染みる気がした。

「んじゃ行くか。」

 廊下に出ると、聡たちの部屋のメンバーが出ていた。

「聡はフリー滑っとったんか?」
「2本だけな。それ以上は体力が持たんかった。」

聡は笑いながらそう言う。

「そんなこと言う久志は?」
「俺はずっと滑っとったで。最後の最後まで。」
「体力バカめ。」
「でも、もう足ヤバいけどな。今日飛ばしすぎた。明日もつか分からん。」
「それは乙。」

エントランスのところに臨時で作らせてもらった本部の先生のところに2部屋揃って行く。

「2036と2037です。全員います。」
「そうか。くれぐれも寝て飯に間に合わんとかやめてや。じゃあまた後でな。」

点呼を終わらせて、俺たちはそそくさと部屋に戻った。

「風呂は?」
「俺たちはもう入ったで。」
「あとは由良だけや。」

2人は先に帰っていたから、入る時間があったようだ。たしかにヘルメットをずっと被っていたにしては、ぺったんこになってない気がする。

「はよ入ってこいよ。俺たちは準備してるから。」
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