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アケボノ
チョコレイトプロジェクト⑦
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「早く早く!」
俺の前を行く桜は飛び跳ねながら俺の事を呼ぶ。
今日は前々から約束していたデートの日。まぁ、バレンタインだからなんだが。すぐに修学旅行もあるので、そこまでお金も使いたくないから、今日は伏見稲荷に来ている。
「桜、元気すぎやって。」
「だって小さかった頃も高校入ってからもここ来たことないんやもん!」
「1、2、3、4!」と絶対に数え切れない鳥居を数えながら桜は上に上がっていく。子供のとき、同じような遊びをしながら上がった記憶がある。
順路に従って上がっていくと、意外と近いもので、もう半分ちょいまで上がってきた。俺も昔とは体力が違うので、結構楽に歩けている。
「今何本までいった?」
「あっ!数えるの忘れてた!」
ほら、言わんこっちゃない。
そのあともゆっくり歩いて頂上手前の小屋に着く。ここにはベンチがあって、頂上を目指している人がたくさん休憩している。
「結構上がってきた?」
「せやな。京都の町があんなに小さい。」
眼下に見える景色を見下ろしながら、持ってきたほうじ茶を飲む。もう少し寒い想定をしていたからほうじ茶にしたが、今日は少し暖かいのでミスだ。一口飲んだだけで身体が暑くなり、少し汗が出てくる。
「気づいてると思うけど、私たちあと1年で卒業なんやって。」
「ああ、そうだな。」
最近は3年生は自由登校期間に入ったので、その姿はあまり見ない。実質俺たちが最高学年みたいなところがある。
「久志はさ、外目指すんやろ?」
「一応そのつもり。水産系のことやろうと思ったらさ、ちゃんと外で学ばないとあかんから。」
「その道。私も着いていっていい?」
「まじ?」
「大マジ。」
桜はいつになく真剣な表情で俺のことを見る。
「この生活を続けてきて、久志といるのがめちゃくちゃ居心地よくて、楽しくなったから。大学も一緒がいいなって。」
「それは俺もそうやけど。今から準備するん?」
「そそ。」
桜はずっと持っていた赤い袋を俺に差し出す。
「だからこれは、毎年私が恋人として、愛する人として送るバレンタインの1つ目。」
「ありがとう。」
俺は受け取って、嬉しそうに笑う桜の頭を撫でる。髪が崩れないようにそっとだ。
「一緒に頑張ろうな。」
「うん!」
休憩はこれで終わりにして俺たちは立ち上がる。
「じゃあ、頂上まで行くか。」
「せやね!どうする?勝負する?」
ウキウキしながら走り出そうとする桜。その姿はどこか懐かしくて、子供の頃を思い出す。
「いや、一緒に行こう。ゆっくりでも。」
俺の前を行く桜は飛び跳ねながら俺の事を呼ぶ。
今日は前々から約束していたデートの日。まぁ、バレンタインだからなんだが。すぐに修学旅行もあるので、そこまでお金も使いたくないから、今日は伏見稲荷に来ている。
「桜、元気すぎやって。」
「だって小さかった頃も高校入ってからもここ来たことないんやもん!」
「1、2、3、4!」と絶対に数え切れない鳥居を数えながら桜は上に上がっていく。子供のとき、同じような遊びをしながら上がった記憶がある。
順路に従って上がっていくと、意外と近いもので、もう半分ちょいまで上がってきた。俺も昔とは体力が違うので、結構楽に歩けている。
「今何本までいった?」
「あっ!数えるの忘れてた!」
ほら、言わんこっちゃない。
そのあともゆっくり歩いて頂上手前の小屋に着く。ここにはベンチがあって、頂上を目指している人がたくさん休憩している。
「結構上がってきた?」
「せやな。京都の町があんなに小さい。」
眼下に見える景色を見下ろしながら、持ってきたほうじ茶を飲む。もう少し寒い想定をしていたからほうじ茶にしたが、今日は少し暖かいのでミスだ。一口飲んだだけで身体が暑くなり、少し汗が出てくる。
「気づいてると思うけど、私たちあと1年で卒業なんやって。」
「ああ、そうだな。」
最近は3年生は自由登校期間に入ったので、その姿はあまり見ない。実質俺たちが最高学年みたいなところがある。
「久志はさ、外目指すんやろ?」
「一応そのつもり。水産系のことやろうと思ったらさ、ちゃんと外で学ばないとあかんから。」
「その道。私も着いていっていい?」
「まじ?」
「大マジ。」
桜はいつになく真剣な表情で俺のことを見る。
「この生活を続けてきて、久志といるのがめちゃくちゃ居心地よくて、楽しくなったから。大学も一緒がいいなって。」
「それは俺もそうやけど。今から準備するん?」
「そそ。」
桜はずっと持っていた赤い袋を俺に差し出す。
「だからこれは、毎年私が恋人として、愛する人として送るバレンタインの1つ目。」
「ありがとう。」
俺は受け取って、嬉しそうに笑う桜の頭を撫でる。髪が崩れないようにそっとだ。
「一緒に頑張ろうな。」
「うん!」
休憩はこれで終わりにして俺たちは立ち上がる。
「じゃあ、頂上まで行くか。」
「せやね!どうする?勝負する?」
ウキウキしながら走り出そうとする桜。その姿はどこか懐かしくて、子供の頃を思い出す。
「いや、一緒に行こう。ゆっくりでも。」
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