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アケボノ

どこ行く?

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「2人ともしゅうごー!」

昼休み、戸津井さんに呼ばれて、俺と聡は船戸さんと戸津井さんがご飯を食べている机にお邪魔した。めちゃくちゃアウェーなところだ。桜に連絡しとかないと。

 桜に連絡を取って、弁当を開ける。今日の担当は俺。故に肉っけが多めだ。

「今日の弁当は肉肉しいね。」
「今日は俺が担当だからな。桜のよりは不健康になるよ。」

船戸さんが俺の弁当にダメ出しをする。けど、そんな船戸さんの弁当は菓子パンがいくつかだけだ。

「花胡こそそれで太らんの羨ましすぎ。」
「ちゃんと運動してるからね。」

なんか俺たちが入っていけなそうなトークが始まりそうだったので、聡が咳払いをする。

「んで、集まったのは理由があるんだろ?」
「そそ、もうそろそろ小樽観光のやつ決めてもいいかなって。」

戸津井さんは机の中から修学旅行のしおりを取り出した。修学旅行はもう2週間前に迫ってきていて、ほかの班も予定を立て始めている。

「まずは何食べたい?」

船戸さんはメモを取り出して、シャーペンを持つ。左手には菓子パンを持っているから、食べる手は止めないようだ。

「有名なのは海鮮丼とラーメンとかかな?ほか何かある?」
「ジンギスカンとかは美味そう。本場のやつは一度は食べてみたいし。」

本場のジンギスカンとここら辺で食べるジンギスカンはどれだけ違うのか試してみたい気もする。でも、やはり海鮮丼も捨て難い。

「どっちも回るのはいけるのか?」

そうやって言ったのは聡だ。ジンギスカンに海鮮丼。それにラーメン。ほぼ3食だ。それを3時間で食べるのは、さすがに…

「たぶん。私たちの腹がもってくれたらいいし、一つ一つの店でちょっとずつしか頼まなかったらいい。それでもラーメンはキツいと思うけど。」

船戸さんは少し自信なさげに言った。ハシゴとなるとそれだけで6000円ほど使うことになるだろう。少し痛い出費だが、俺にはあの金がある。問題ない。船戸さんも聡もその面に関しては問題ないようだ。でも戸津井さんだけが泣きそうな顔をしている。

「この前推しに貢いだから修学旅行節約しなくちゃいけなくて…」
「それは自業自得や。」

船戸さんはバッサリと切る。

「趣味のためにお金を使ったやつを配慮するほど私は甘くないよ。」
「じゃあ戸津井さん以外が海鮮丼か。」
「それはダメ!私もたべたい!」

戸津井さんは駄々をこねる。

「じゃあ私が払ってあげるから、後で返してね。」
「やったー!花胡大好き~!」

戸津井さんは船戸さんに抱きつく。そんな様子を俺たちは見ていた。
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