陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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アケボノ

お祝い②

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「んで、そっちはどんな感じや?」
「びっくりするぽどいい感じやで。合格者登校日の後は一緒に梅田行って、そのあと俺ん家やし。」

ピー也と絵空さんはたまに見るときもいい感じで、今日だって移動中はずっと連絡を取りあっていた。

「でも、絵空さ、めっちゃ重いねん。俺ってこんな感じやん。」
「せやな。軽くて薄くてヘタレ。」
「殺すぞ。例えばさ、川端と喋っとったんよ。そしたら嫉妬して俺の隣から離れんようになった。」

川端というのは水泳部女子エースの瑞希さんのこと。絵空さんとは仲が良く、ピー也と付き合う前は恋愛相談とかをしていたらしい。ちなみに彼氏持ちだ。

 そんな瑞希さんに嫉妬するとは…絵空さんってすごいな。

「でもあの人ならやりかねんやろ。」
「実際やってるから。もう絵空の前で女子からの連絡見れへんねんけど。」
「そらしゃーない。諦めろ。」

 絵空さんの話はピー也からたまに聞いているし、うちのクラスに仲良い女子がいるから、たまに来ている。だからどんな感じの人かも分かるし、一応面識はあるからどんな人かは少しは知っているつもりだ。

「今日中国の女の人と一緒にゲームすんねんけどな。言った方がええかな?」
「それはええやろ。」

本当はこいつがアホなんだろな。

 そして、食べ終わってまだ足りないので、ハシゴすることにした。

「安いとこ行こ。」
「せやな。」

ってことで来たのは東西の言い方論争があってしまうファストフード店。でも最近は関東の言い方に侵食されてきている気がする。

 ポテトとかコーヒーとか長時間滞在できるようなものばかり頼んで、席に座る。

「絵空とデートんときも来るからここの使用頻度高いねんな。」
「絵空さんはそれでいいん?」
「いいみたい。少し助かってるところもある。」

ポテトをつまみながらピー也は笑う。絵空さんは結構なお嬢様みたいで、もしかしたらそういうのに憧れてるのかもしれない。でもよく行くみたいだが。何なら俺たちよりも店知ってるし。

「お前こそどーなん?海南さんと。」
「俺たちは俺たちやで。お互いの家行き来して生活してるし。デートらしいデートは…最近してなかったな。桜のことがあったから。」
「あーね。今度のoffにでも誘ったらどうだ?」
「そうするよ。なんか家でいいとか言いそうやけど。」
「分かるわ~。」

ポテトの箱に手を突っ込んだらもう中には何も無かった。もう食べきったのかと思い、そのままコーヒーを飲む。こちらもすぐに無くなった。

「歌うか。」
「せやな。」

やっぱり俺たちはこれに行き着くみたいだ。
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