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アケボノ

おかえり会②

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「おまたせ~!」
「こうやって見たらめちゃくちゃ多いな。」

家のリビングに集まったのは10人。新宮くんは用事があるらしく不参加だ。客室っぽいのが繋がっていて良かったと思った。

 予定では机に料理を置いて、バイキングみたいな感じにするつもり。キッチンにそんなに多く立たれると邪魔になるので、キッチンに立つのはゆーちゃんと楓だ。2人なら料理の腕も申し分ないから大丈夫だろう。

「2人とも場所分からんかったら私が久志、杏ちゃんの誰かに聞いてね。」
「おっけー。」
「そん時は頼むね。」
「桜~、来ないのか?」

2人に頼んでいたら、ソファーでゲームの準備をしている久志に呼ばれた。

「ほら、彼ピが呼んでるよ。」
「行ってくるわ。料理頼んじゃってごめんね。」
「主役が何言ってんだか。」

ゆーちゃんはニヤリと笑って、「行ってこい」と言う。私は後ろに振り返って、ソファーでぐちゃぐちゃになっている群れを見た。

 テレビ画面は私が来た初日にやったあのゲーム。これなら人数が多くても大丈夫だ。コントローラーは一応足りているみたいで、久志は私にいつも使っている黄色の左のコントローラーを渡してきた。

「人数おるから1機の時間は無限な。」

久志は今回の設定を説明して、ステージを選ぶ。と言いつつも戦場のおまかせだが。そしてキャラ。ゲストが多すぎて誰が何を使っているのか分からない。ただ久志はあの時私をボコボコにしたキャラを使っていた。あのピンクのボールみたいなやつだ。久志を睨んだらめちゃくちゃ笑っていた。絶対狙ってやってる。

 そんなこんなで始まった試合も、由良兄妹が強い。くるみちゃんと花胡ちゃんと初心者らしくて、ちょっと操作を戸惑っている間に奏と杏ちゃんの戦闘に巻き込まれて奈落の底に落ちていた。ついでに奏もぶっ飛ばされていた。久志は一応経験者であるはずの音羽を一方的にフルボッコにしている。久志はダメージを受けていないのに、音羽のキャラからは湯気が出ていた。音羽の使っているキャラの性能をコピーしていて、お手玉みたいに上に飛ばされ続けている。

「音羽、助ける!」
「やっと来た。」

久志は狙っていたかのように私のキャラを飲み込む。すると私のキャラの特性に変わった。初めてやった時もこんな感じで負けてたっけ?でも私もやっているうちに強くなっているはずだから、そこまで心配はないはず。音羽と2人でやれば…

「音羽!」
「桜!やるよ!」

私たちは2人がかりで久志を潰すことにした。
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