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アケボノ
居場所①
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私が帰ってきているのを知っているみんなは、私たちが手を繋いでいても特に何も言ってこなかったが、電車で1駅、香里園に着くとそうもいかなかった。
「あれってたしか…」
「触れない方がいいって。」
「それにしてもあの隣の男子、誰?」
改札を抜けるとあちこちからそんな声が聞こえてくる。私が戻ってくることを快く思わない生徒が一定数いることは分かっていたが、面と向かって言って欲しいものだ。
「およよ?そこにいるのは…久しぶりぃ!」
「おっ!久しぶり戸津井さん、船戸さん!」
「よっ!それに有田さんも。」
「おひさ。」
元々同じクラスだったから2人のことは勿論知っているが、そういや久志と同じクラスだったな。
「そんな敵視せんくても私たちは狙ってる訳やないから大丈夫。」
「あんな歌詞書くぐらいゾッコンみたいやし。」
「おい、やめろて。」
理系クラスを見に行ったとき、3人はよく喋っている印象があったな。それなりには仲良いんか。
「今後ともこのぼっちを見てやってください。」
「桜も母親感出すな。ただでさえあんなん…あんなんよりは桜の方がマシか。」
「チクッとこ。」
「やめれ。」
この2人は初詣に来ていなかったから知らなかったみたいだ。それでも2人とも私のことは別に嫌な風には見ていない。むしろ今まで以上にフラットな感じだ。
「そういやあの曲聴いてくれた?『シネラリア』」
「聴いたよ。めっちゃいい曲やった。」
「よかったぁ。私の最高傑作やからちょっと不安やってん。」
花胡ちゃんは安心したような顔をする。その横のくるみちゃんも同じだ。
「でも、『冷たいベッド』は私のほうが上手くできる。」
「ほう。言ったね。じゃあ明日作ってきてよ。」
私がそう言うと、花胡ちゃんは挑戦的な目に。正直、私が2番を書いたとき、頭に流れていた音のほうがいい曲だ。それに、この曲はいつまでも忘れない。
「いや、ん~…久志いい?」
「別に2人増えてもええで。帰りにちょっと買って帰ったらいいだけ。」
一応主催者ということになっている久志に確認を取ったら即OKされたので、私は2人を見た。
「今晩うち来る?もちろんなんかパーティーするとかそんな感じなんやけど、そこでやるのもアリかなって思って。」
「行く!」
「くるみが言うなら、私も参加しようかな?有田さんバージョンも作り方も見てみたいしね。」
少しずつ私の居場所を感じ始める。ここにいてもいいのだと、2人が、みんながそう言ってる気がしてきた。
「あれってたしか…」
「触れない方がいいって。」
「それにしてもあの隣の男子、誰?」
改札を抜けるとあちこちからそんな声が聞こえてくる。私が戻ってくることを快く思わない生徒が一定数いることは分かっていたが、面と向かって言って欲しいものだ。
「およよ?そこにいるのは…久しぶりぃ!」
「おっ!久しぶり戸津井さん、船戸さん!」
「よっ!それに有田さんも。」
「おひさ。」
元々同じクラスだったから2人のことは勿論知っているが、そういや久志と同じクラスだったな。
「そんな敵視せんくても私たちは狙ってる訳やないから大丈夫。」
「あんな歌詞書くぐらいゾッコンみたいやし。」
「おい、やめろて。」
理系クラスを見に行ったとき、3人はよく喋っている印象があったな。それなりには仲良いんか。
「今後ともこのぼっちを見てやってください。」
「桜も母親感出すな。ただでさえあんなん…あんなんよりは桜の方がマシか。」
「チクッとこ。」
「やめれ。」
この2人は初詣に来ていなかったから知らなかったみたいだ。それでも2人とも私のことは別に嫌な風には見ていない。むしろ今まで以上にフラットな感じだ。
「そういやあの曲聴いてくれた?『シネラリア』」
「聴いたよ。めっちゃいい曲やった。」
「よかったぁ。私の最高傑作やからちょっと不安やってん。」
花胡ちゃんは安心したような顔をする。その横のくるみちゃんも同じだ。
「でも、『冷たいベッド』は私のほうが上手くできる。」
「ほう。言ったね。じゃあ明日作ってきてよ。」
私がそう言うと、花胡ちゃんは挑戦的な目に。正直、私が2番を書いたとき、頭に流れていた音のほうがいい曲だ。それに、この曲はいつまでも忘れない。
「いや、ん~…久志いい?」
「別に2人増えてもええで。帰りにちょっと買って帰ったらいいだけ。」
一応主催者ということになっている久志に確認を取ったら即OKされたので、私は2人を見た。
「今晩うち来る?もちろんなんかパーティーするとかそんな感じなんやけど、そこでやるのもアリかなって思って。」
「行く!」
「くるみが言うなら、私も参加しようかな?有田さんバージョンも作り方も見てみたいしね。」
少しずつ私の居場所を感じ始める。ここにいてもいいのだと、2人が、みんながそう言ってる気がしてきた。
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