上 下
426 / 732
ミカヅキ

プレゼント⑤

しおりを挟む
 次に引くのは奏。拗ねた楓を膝に乗せながら引くみたいだ。

「できればきいのやつが引きたいな。おっ!当たりだ!」

奏が引いたのは狙い通りきいのやつだ。

「よかった、これは刺さる人と刺さらない人で別れるやつやったから、刺さる人に当たって。」
「その発言が少し不安になるんだが。」

きいの発言に怯えながらも、プレゼントの入った紙袋を受け取る奏。中は何か色々入ってそうだ。

「おお!これはありがたい!」

袋を覗いた瞬間に不安そうな顔もすぐに晴れた。

「こちら、おにぎりの具のセットです!加太くんにしか刺さらないものです!」

本当に刺さらない人がいるやつだ。そんなリスクを冒してまでプレゼントを買うとは、きいも結構強くなった?いや、怖いものを知らないだけか。

 次に引くのは音羽。そして残ったのが桜に渡す人となる。

「じゃあ引くね。」

音羽が引くとするならば奏のやつか俺のやつ。または杏のやつ。。2分の1だ。

「杏ちゃんでーす!」
「はーい!」

音羽が引いたのは俺のやつではなく杏のやつ。

 音羽は杏からプレゼントの入った袋を受け取ると、紐を解いた。よく見たサイズ。何となく中身は推察できる。

「私からは、電気スタンドです!熱くなりにくくて、しかもペン立てつき!どうでしょう!」
「家の明かりだけでやっていたからありがたいです!」

ひとり暮らしの弊害だろうか。おそらくカレンもだから一緒に使うんだろうな。

 そして最後は杏。俺か奏のやつだ。

「しょーじきバカ兄のやつは嫌やから加太さんのやつ!やったー!」

兄としては許し難い発言が少しあった気がするが、クリスマスだし少しは許してやろう。

「俺からは、杏ちゃんにはありがたいやつかな?」

そんな奏のプレゼントを杏は開ける。中にあったのは今欲しいあれだった。

「ホットアイマスクだぁ!」

最近目の疲れで目頭をよく押えるようになっていた杏には最高の品だ。

「ありがとうございます!」

杏は奏にお礼を言うと、奏は恥ずかしそうに笑った。

 そうして決まった俺のプレゼントの贈り先。桜と俺は交換ってことになった。

「じゃあ俺のプレゼントは桜の机の上に置いてくるわ。」

そう言って席を立つ。桜の部屋に入るのはいつぶりだろう。いなくなってからは入ってなかったな。

 中に入って机の上にプレゼントを置く。前と何も変わっていない風景だ。でも、ゴミ箱の中だけが変だった。少し溜まっていたのだ。桜の性格上そんなのするわけが無い。そして1枚のはがきを見つけた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

始業式で大胆なパンチラを披露する同級生

サドラ
大衆娯楽
今日から高校二年生!…なのだが、「僕」の視界に新しいクラスメイト、「石田さん」の美し過ぎる太ももが入ってきて…

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

家政婦さんは同級生のメイド女子高生

coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。

俺の家には学校一の美少女がいる!

ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。 今年、入学したばかりの4月。 両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。 そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。 その美少女は学校一のモテる女の子。 この先、どうなってしまうのか!?

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

人違いで同級生の女子にカンチョーしちゃった男の子の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

処理中です...