421 / 773
ミカヅキ
冬が始まる
しおりを挟む
そんなこんなで期末考査も難なく(?)乗り越えて、とりあえず冬休み前の自宅学習期間に入った。それでも学校から出される課題の山は、ドーンって文字が入ってるくらいで、結局机に向かっている毎日。でも、不思議と嫌な気はしない。
「ちょっと休憩しよ」
時間は昼過ぎ。俺はリビングに降りてコーヒーを淹れる。これがあれば解くスピードは1.5倍くらいになるって結果がこのテスト期間で出たからだ。
文系もそこそこ課題が出ているらしい。奏とかがそんなことを言って机に突っ伏していた。そんな奏に俺たちの課題を見せるとガタガタ震えていたな。あれは傑作だ。
昨日のテスト返しで全てが分かった。俺が弱いのは英語。受験教科だから出来るようにならないといけない。そのためには今は問題を解くのみ。もう1つの受験教科の化学はどうにかなりそうな成績。一応平均点より10点高い点は取れているからどうにかなるだろう。この前の模試もいい点数を取れた。
再び自分の部屋に戻ってイヤホンを耳に入れる。流しっぱなしにしている曲が少しだけ聞こえるくらいの音量になるくらいに調整して、またペンを持った。
「sinθをxとおいて…cos²θは…だから…」
こうやって声に出しながら計算することで、次解くのがいつか分からないやり方を長期記憶のボックスに入れる。
手が痛くなってきて気づいたら5時過ぎなっていた。だいたい5時間くらいやっていたことになる。めんどくさい三角関数ももう終わりが見えてきていて、あと数問で終わる。そして対数がやってくるのだ。
「やる気出ねぇ~」
いつの間にかアプリが選んだ曲に変わっていたイヤホンを外して軽く伸びをする。肩甲骨の裏側あたりがゴリゴリ言っている。さすがに肩も重くなってきた。
そんな俺のことが見えているのか、杏がドアをコンコンと叩く。
「バカ兄、晩飯じゃんけん。」
ここ最近の俺たちは、お互いに勉強が忙しいため、晩飯や朝飯を作る担当をじゃんけんで決めるようになった。
「「さいしょはぐーじゃんけん…」」
〇〇〇〇〇
「お母さん、晩ご飯まだ?」
「たまには桜も作りなさいよ。」
授業に出れていない分の勉強をしていると、そう言われる。学校に行かなくなってから、毎日のようにゆーちゃんから習った範囲のノートを送って貰って、その分の問題集を解くようにしているのだ。
「今ノッてるから嫌。じゃんけんしよ。」
「分かった。じゃあ負けたほうね。」
私はペンを置いて、お母さんの方を向く。
「「さいしょはぐーじゃんけん…」」
「ちょっと休憩しよ」
時間は昼過ぎ。俺はリビングに降りてコーヒーを淹れる。これがあれば解くスピードは1.5倍くらいになるって結果がこのテスト期間で出たからだ。
文系もそこそこ課題が出ているらしい。奏とかがそんなことを言って机に突っ伏していた。そんな奏に俺たちの課題を見せるとガタガタ震えていたな。あれは傑作だ。
昨日のテスト返しで全てが分かった。俺が弱いのは英語。受験教科だから出来るようにならないといけない。そのためには今は問題を解くのみ。もう1つの受験教科の化学はどうにかなりそうな成績。一応平均点より10点高い点は取れているからどうにかなるだろう。この前の模試もいい点数を取れた。
再び自分の部屋に戻ってイヤホンを耳に入れる。流しっぱなしにしている曲が少しだけ聞こえるくらいの音量になるくらいに調整して、またペンを持った。
「sinθをxとおいて…cos²θは…だから…」
こうやって声に出しながら計算することで、次解くのがいつか分からないやり方を長期記憶のボックスに入れる。
手が痛くなってきて気づいたら5時過ぎなっていた。だいたい5時間くらいやっていたことになる。めんどくさい三角関数ももう終わりが見えてきていて、あと数問で終わる。そして対数がやってくるのだ。
「やる気出ねぇ~」
いつの間にかアプリが選んだ曲に変わっていたイヤホンを外して軽く伸びをする。肩甲骨の裏側あたりがゴリゴリ言っている。さすがに肩も重くなってきた。
そんな俺のことが見えているのか、杏がドアをコンコンと叩く。
「バカ兄、晩飯じゃんけん。」
ここ最近の俺たちは、お互いに勉強が忙しいため、晩飯や朝飯を作る担当をじゃんけんで決めるようになった。
「「さいしょはぐーじゃんけん…」」
〇〇〇〇〇
「お母さん、晩ご飯まだ?」
「たまには桜も作りなさいよ。」
授業に出れていない分の勉強をしていると、そう言われる。学校に行かなくなってから、毎日のようにゆーちゃんから習った範囲のノートを送って貰って、その分の問題集を解くようにしているのだ。
「今ノッてるから嫌。じゃんけんしよ。」
「分かった。じゃあ負けたほうね。」
私はペンを置いて、お母さんの方を向く。
「「さいしょはぐーじゃんけん…」」
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
M性に目覚めた若かりしころの思い出
kazu106
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、それをはじめて自覚した中学時代の体験になります。歳を重ねた者の、人生の回顧録のひとつとして、読んでいただけましたら幸いです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる