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ミカヅキ
冬が始まる
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そんなこんなで期末考査も難なく(?)乗り越えて、とりあえず冬休み前の自宅学習期間に入った。それでも学校から出される課題の山は、ドーンって文字が入ってるくらいで、結局机に向かっている毎日。でも、不思議と嫌な気はしない。
「ちょっと休憩しよ」
時間は昼過ぎ。俺はリビングに降りてコーヒーを淹れる。これがあれば解くスピードは1.5倍くらいになるって結果がこのテスト期間で出たからだ。
文系もそこそこ課題が出ているらしい。奏とかがそんなことを言って机に突っ伏していた。そんな奏に俺たちの課題を見せるとガタガタ震えていたな。あれは傑作だ。
昨日のテスト返しで全てが分かった。俺が弱いのは英語。受験教科だから出来るようにならないといけない。そのためには今は問題を解くのみ。もう1つの受験教科の化学はどうにかなりそうな成績。一応平均点より10点高い点は取れているからどうにかなるだろう。この前の模試もいい点数を取れた。
再び自分の部屋に戻ってイヤホンを耳に入れる。流しっぱなしにしている曲が少しだけ聞こえるくらいの音量になるくらいに調整して、またペンを持った。
「sinθをxとおいて…cos²θは…だから…」
こうやって声に出しながら計算することで、次解くのがいつか分からないやり方を長期記憶のボックスに入れる。
手が痛くなってきて気づいたら5時過ぎなっていた。だいたい5時間くらいやっていたことになる。めんどくさい三角関数ももう終わりが見えてきていて、あと数問で終わる。そして対数がやってくるのだ。
「やる気出ねぇ~」
いつの間にかアプリが選んだ曲に変わっていたイヤホンを外して軽く伸びをする。肩甲骨の裏側あたりがゴリゴリ言っている。さすがに肩も重くなってきた。
そんな俺のことが見えているのか、杏がドアをコンコンと叩く。
「バカ兄、晩飯じゃんけん。」
ここ最近の俺たちは、お互いに勉強が忙しいため、晩飯や朝飯を作る担当をじゃんけんで決めるようになった。
「「さいしょはぐーじゃんけん…」」
〇〇〇〇〇
「お母さん、晩ご飯まだ?」
「たまには桜も作りなさいよ。」
授業に出れていない分の勉強をしていると、そう言われる。学校に行かなくなってから、毎日のようにゆーちゃんから習った範囲のノートを送って貰って、その分の問題集を解くようにしているのだ。
「今ノッてるから嫌。じゃんけんしよ。」
「分かった。じゃあ負けたほうね。」
私はペンを置いて、お母さんの方を向く。
「「さいしょはぐーじゃんけん…」」
「ちょっと休憩しよ」
時間は昼過ぎ。俺はリビングに降りてコーヒーを淹れる。これがあれば解くスピードは1.5倍くらいになるって結果がこのテスト期間で出たからだ。
文系もそこそこ課題が出ているらしい。奏とかがそんなことを言って机に突っ伏していた。そんな奏に俺たちの課題を見せるとガタガタ震えていたな。あれは傑作だ。
昨日のテスト返しで全てが分かった。俺が弱いのは英語。受験教科だから出来るようにならないといけない。そのためには今は問題を解くのみ。もう1つの受験教科の化学はどうにかなりそうな成績。一応平均点より10点高い点は取れているからどうにかなるだろう。この前の模試もいい点数を取れた。
再び自分の部屋に戻ってイヤホンを耳に入れる。流しっぱなしにしている曲が少しだけ聞こえるくらいの音量になるくらいに調整して、またペンを持った。
「sinθをxとおいて…cos²θは…だから…」
こうやって声に出しながら計算することで、次解くのがいつか分からないやり方を長期記憶のボックスに入れる。
手が痛くなってきて気づいたら5時過ぎなっていた。だいたい5時間くらいやっていたことになる。めんどくさい三角関数ももう終わりが見えてきていて、あと数問で終わる。そして対数がやってくるのだ。
「やる気出ねぇ~」
いつの間にかアプリが選んだ曲に変わっていたイヤホンを外して軽く伸びをする。肩甲骨の裏側あたりがゴリゴリ言っている。さすがに肩も重くなってきた。
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「バカ兄、晩飯じゃんけん。」
ここ最近の俺たちは、お互いに勉強が忙しいため、晩飯や朝飯を作る担当をじゃんけんで決めるようになった。
「「さいしょはぐーじゃんけん…」」
〇〇〇〇〇
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「今ノッてるから嫌。じゃんけんしよ。」
「分かった。じゃあ負けたほうね。」
私はペンを置いて、お母さんの方を向く。
「「さいしょはぐーじゃんけん…」」
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