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ミカヅキ
北の国へ
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それから俺たちは音源をイソジンに提出して、無事に課題を終わらせた。そして、SNSアップ用の音源を作って、それをあげた。『#桜へ』とハッシュタグをつけて。
〇〇〇〇〇
学校に行かなくなると、学校に行っていたから埋まっていた時間が暇になって仕方ない。お母さんが働いているから不自由なく生活出来ているが、私の心はぽっかりと穴が空いたようだ。
そんな私の日課にありつつあるのはSNSの巡回。なんて言っているが、結局やっていることはアマチュアの音楽を聴くことだけだ。こっちに来てから1ヶ月くらいでJ-POPをそこそこ聴いた。そうすれば少しは気が紛らわせるかと思ってた。けど、結局は音が溢れだしてくるだけで、止めどなく溢れる音をとりあえず打ち込む。そんな作業の毎日だった。
けど、詞がないと歌にならない。だから書こうと思った。でも、どんな曲でも書き始めて気づくのだ。どれもこれもみんなに向けた歌ばかりって。久志のことを考えてるって。せっかく過去のいい思い出にしようとしているのに、自分から思い出して、そして苦しくなってしまう。こんな気持ちになるなら逃げなければよかった。
そんな後悔からSNSに上がっている曲のリミックスを始めたのだ。これなら歌詞を考える必要なく自分の出したい音を出せる。こんなに音楽が好きになったのは誰の影響かなんてそんなこと分かってる。でも、好きになってしまったのだから仕方ない。
さて、今日はどんな曲があるかなとSNSを覗いてみれば、初めて見るようなタイプのアカウントに出会った。アカウント名は『陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置』で、アイコンはサイネリアの花。何となく気になってそのアイコンをタップしてみる。すると捨て垢みたいな画面が出てきた。投稿は全て曲。しかも全部に『#桜へ』ってついてある。
こればかりは鈍い私でも何となくわかる。絶対みんなだ。アイコンは私の名前『富貴桜』からとったのだろう。『陰キャ』ってのが自分たちのことで『陽に限りなく近い陰キャ』ってのが私のこと。全て辻褄が合う。合いすぎる。ってことは、どうせ私へのメッセージみたいなものだろう。嬉しくない。けど、嬉しい。
私の指は自然と1つの動画に引き寄せられていた。『シネラリア』。これもサイネリアの名前の1つだ。なんでこんなに知ってるか。そんなの少し前に歌詞で使おうとしていたからに決まってる。
さて、この曲は誰の曲なんだろ。耳にイヤホンを突っ込んで、再生位置を最初に戻して、聴き始める。その衝動はあの時と一緒だった。
〇〇〇〇〇
学校に行かなくなると、学校に行っていたから埋まっていた時間が暇になって仕方ない。お母さんが働いているから不自由なく生活出来ているが、私の心はぽっかりと穴が空いたようだ。
そんな私の日課にありつつあるのはSNSの巡回。なんて言っているが、結局やっていることはアマチュアの音楽を聴くことだけだ。こっちに来てから1ヶ月くらいでJ-POPをそこそこ聴いた。そうすれば少しは気が紛らわせるかと思ってた。けど、結局は音が溢れだしてくるだけで、止めどなく溢れる音をとりあえず打ち込む。そんな作業の毎日だった。
けど、詞がないと歌にならない。だから書こうと思った。でも、どんな曲でも書き始めて気づくのだ。どれもこれもみんなに向けた歌ばかりって。久志のことを考えてるって。せっかく過去のいい思い出にしようとしているのに、自分から思い出して、そして苦しくなってしまう。こんな気持ちになるなら逃げなければよかった。
そんな後悔からSNSに上がっている曲のリミックスを始めたのだ。これなら歌詞を考える必要なく自分の出したい音を出せる。こんなに音楽が好きになったのは誰の影響かなんてそんなこと分かってる。でも、好きになってしまったのだから仕方ない。
さて、今日はどんな曲があるかなとSNSを覗いてみれば、初めて見るようなタイプのアカウントに出会った。アカウント名は『陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置』で、アイコンはサイネリアの花。何となく気になってそのアイコンをタップしてみる。すると捨て垢みたいな画面が出てきた。投稿は全て曲。しかも全部に『#桜へ』ってついてある。
こればかりは鈍い私でも何となくわかる。絶対みんなだ。アイコンは私の名前『富貴桜』からとったのだろう。『陰キャ』ってのが自分たちのことで『陽に限りなく近い陰キャ』ってのが私のこと。全て辻褄が合う。合いすぎる。ってことは、どうせ私へのメッセージみたいなものだろう。嬉しくない。けど、嬉しい。
私の指は自然と1つの動画に引き寄せられていた。『シネラリア』。これもサイネリアの名前の1つだ。なんでこんなに知ってるか。そんなの少し前に歌詞で使おうとしていたからに決まってる。
さて、この曲は誰の曲なんだろ。耳にイヤホンを突っ込んで、再生位置を最初に戻して、聴き始める。その衝動はあの時と一緒だった。
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