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ミカヅキ
音を紡げば⑫
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Qが桜にとって心の拠り所とするならば、居場所とするならば、俺たちはいったい何なのか。
「なぁ楓。俺たちって何なんだろう?」
「どうした?頭でも打った?」
「それ、お前だけには絶対言われたくない。」
今日は日曜日。クラブが終わって、俺の家でアフターケアをしてもらっている。
今日の練習はQを(無理矢理)連れて、臨時コーチとして練習を見てもらった。瑞希さんの言っていた通り、アドバイスは的確。特に長距離の泳ぎ方は、言われた通りにすれば『楽に速く』をできた。
が、いつもよりキックの数を減らして、1回1回の力を強くした反動が来てしまった。普段はしないキックの打ち方、力を抜いたキックで膝を痛めそうになったのだ。
「奏、やっぱり痛いか。じゃあ今までのキックに戻してくれ。俺はそれをやりすぎて泳げなくなったから。」
「いや、これくらい…」
「やめてくれ。お前の水泳人生を奪いたくない。」
その時のQの目はいつになく切実だった。
「分かった。」
「アフターケアは楓に頼んどく。」
「おう。」
そのあとも練習を続け、少し痛む膝への負担を少なくして泳ぎ、今に至る。
「たまにあるよね。こういうこと。」
「普段は耐えられないような痛みちゃうから、そのまんまやってたけど、まさかこの痛みがそうとはな。」
Qから聞いた原因として考えられることは2つ。1つ目は単なる炎症。この場合は冷やして、痛みが続くようだったら病院に行ってくれとのこと。もう1つはただ冷えているだけ。これは温めたらいいらしい。それと足のどこかを庇っているから足のストレッチをすればいいみたいだ。
「で、どっちが気持ちいい?」
「温めた方がいいっぽいな。マシになった。」
「なら病院には行かなくていいっぼいね。良かった。」
俺のハムストリングスを伸ばしながら膝を温めてくれている楓を見て思う。
「やっぱり、楓が彼女でよかった。」
「やっぱり頭打ってるやん。」
本心なんやけどなと思いつつ、やっぱり言葉だけじゃ伝わらない。
いや、その表情は伝わってるっぽいな。
「なぁ楓。俺たちって何なんだろう?」
「どうした?頭でも打った?」
「それ、お前だけには絶対言われたくない。」
今日は日曜日。クラブが終わって、俺の家でアフターケアをしてもらっている。
今日の練習はQを(無理矢理)連れて、臨時コーチとして練習を見てもらった。瑞希さんの言っていた通り、アドバイスは的確。特に長距離の泳ぎ方は、言われた通りにすれば『楽に速く』をできた。
が、いつもよりキックの数を減らして、1回1回の力を強くした反動が来てしまった。普段はしないキックの打ち方、力を抜いたキックで膝を痛めそうになったのだ。
「奏、やっぱり痛いか。じゃあ今までのキックに戻してくれ。俺はそれをやりすぎて泳げなくなったから。」
「いや、これくらい…」
「やめてくれ。お前の水泳人生を奪いたくない。」
その時のQの目はいつになく切実だった。
「分かった。」
「アフターケアは楓に頼んどく。」
「おう。」
そのあとも練習を続け、少し痛む膝への負担を少なくして泳ぎ、今に至る。
「たまにあるよね。こういうこと。」
「普段は耐えられないような痛みちゃうから、そのまんまやってたけど、まさかこの痛みがそうとはな。」
Qから聞いた原因として考えられることは2つ。1つ目は単なる炎症。この場合は冷やして、痛みが続くようだったら病院に行ってくれとのこと。もう1つはただ冷えているだけ。これは温めたらいいらしい。それと足のどこかを庇っているから足のストレッチをすればいいみたいだ。
「で、どっちが気持ちいい?」
「温めた方がいいっぽいな。マシになった。」
「なら病院には行かなくていいっぼいね。良かった。」
俺のハムストリングスを伸ばしながら膝を温めてくれている楓を見て思う。
「やっぱり、楓が彼女でよかった。」
「やっぱり頭打ってるやん。」
本心なんやけどなと思いつつ、やっぱり言葉だけじゃ伝わらない。
いや、その表情は伝わってるっぽいな。
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