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バイバイ

私の叫び②

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「あーあ、せっかく名前言ってなかったのに。自分から出てくるとか、やっぱりさーちゃんって頭湧いてるよね。」
「は?うっさい!」

低い冷たくて凍りそうな声で冴那はそう答える。

「ねぇ、みんな!私の今までを見てよ!そんなことする奴じゃないでしょ!だからこの女が言っていることは全部「じゃあ、本人に聞いてみよっか。」」

私がちょいちょいと手招きすれば、1人の男子が出てきた。御浜聡。冴那の彼氏だ。

「久しぶり、御浜くん。」
「さっきの名前聞いて思い出したよ、富貴さん。久しぶりだね。」

冴那は懇願するような目を向けるが、御浜くんはすぐに目を逸らした。

「富貴さんが言ってることは全部本当のこと。冴那の告白は1度断ってるし、理由もその時は富貴さんのことが好きだったから。あのあとすぐに見なくなったけど、もしかしてそういうこと?」
「そういうこと。」
「そうか…」

御浜くんは冴那のことを1度見る。呆れたような目だ。

「冴那。お前がそんな女だとは思わなかった。」
「ねぇ、聡。」
「そうやって蹴落として生きてきたんだな。」
「聡!」
「別れよう。」
「……………」

会場が静まり返る。今まで告白はあったが、別れるのはない。どうすればいいか分からないって感じだ。

 冴那の今までが瓦解していく音が心地いい。私が壊れるのと同じような音。光が消えて、全て闇に包まれる。そんな音だ。

 冴那の目からは大量の涙が零れ落ちる。それを見て笑いそうになるが、そんなことしたら私が悪者になってしまう。

「やりたいこともやったし、とりあえずお暇させてもらいまーす!」

私は静寂に包まれた観客席に降りる。そして、校門を目指した。
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