364 / 724
バイバイ
私の叫び①
しおりを挟む
国学生の叫びとは私が要望を出した企画だ。その場で出場者を募って、持ち時間無制限で自分の言いたいことを叫ぶ。単純な企画だが私はこの舞台を利用しようと思っている。
数人の生徒が名乗りを上げて、告白したり、懺悔したり。最後に残ったのは私だ。
「次は私で最後ですね。」
元からそのつもりだったけど、本当に私が最後なんて。
私は壇上中央に立って、観客席を見る。そして、1人に注目した。
「実は、この企画を提案したのは私なんです。この後夜祭の司会に推薦してもらって、一つだけやりたいことをできると言われて、この企画を思いつきました。1人のために。」
観客席がざわめく。この流れは告白とか思っているのだろう。いや違う。これは告発だ。私の人生を狂わせたやつへの、私なりの復讐。
「私は有田桜と名乗っていました。けど、本当は違います。いや、あってるんだけど違うっていうか…両親が離婚する前の苗字は『富貴桜』でした。この名前で気づく人は私の幼馴染くらいです。」
「私、いじめられてたんですよ。小学校の頃。根も葉もない嘘をばらまかれて、教室には居場所がなくなって、ハブられて、そして私は自分の殻に閉じこもったまま。ただ憂鬱な日々を過ごしていました。」
「きっかけは単純です。ある女の子が好きな男子に告白しました。けどもその男子は私のことが好きだったみたいなのです。私はなんとも思ってなかったんですけどね。その男子の絶賛片想いってわけですよ。」
「その子は私の親友でした。これからもずっと仲良しだって思っていました。けども、恋は盲目ですね。フラれたからって、私が好きだからって理由でフラれたからって、私を陥れようとしてきました。」
「根も葉もない噂。やったことも無いこと。上靴は当たり前のように毎日消え、朝行けば机には一輪の花が添えられている。廊下を歩けば突き刺すような視線が私の身体を抉り、私の触ったものは殺菌消毒される。はっきり言って最悪な気分ですよ。笑えますよね。」
「幸いにも成績の良かった私は、県外の私立中学校に進学しました。ようやく私は開放されたのです。もう1人の幼馴染と高校で会うことを約束して別れて3年間。私はただ何もかもを忘れて楽しみました。」
「でも約束のためにここに帰ってきたら。なんと、あのクソ女がいるじゃないですか!私は喜びと悲しみと怒りで狂ってしまいそうでした。このことを伝えたくて、私はこの企画を提案したのです。」
「あっそうだ!名前を言ってなかったですよね。名前は…「ちょっと待って!」」
気づけば目の前にあの女がいて、私の口を塞いでいる。
「あーあ、せっかく名前言ってなかったのに。」
数人の生徒が名乗りを上げて、告白したり、懺悔したり。最後に残ったのは私だ。
「次は私で最後ですね。」
元からそのつもりだったけど、本当に私が最後なんて。
私は壇上中央に立って、観客席を見る。そして、1人に注目した。
「実は、この企画を提案したのは私なんです。この後夜祭の司会に推薦してもらって、一つだけやりたいことをできると言われて、この企画を思いつきました。1人のために。」
観客席がざわめく。この流れは告白とか思っているのだろう。いや違う。これは告発だ。私の人生を狂わせたやつへの、私なりの復讐。
「私は有田桜と名乗っていました。けど、本当は違います。いや、あってるんだけど違うっていうか…両親が離婚する前の苗字は『富貴桜』でした。この名前で気づく人は私の幼馴染くらいです。」
「私、いじめられてたんですよ。小学校の頃。根も葉もない嘘をばらまかれて、教室には居場所がなくなって、ハブられて、そして私は自分の殻に閉じこもったまま。ただ憂鬱な日々を過ごしていました。」
「きっかけは単純です。ある女の子が好きな男子に告白しました。けどもその男子は私のことが好きだったみたいなのです。私はなんとも思ってなかったんですけどね。その男子の絶賛片想いってわけですよ。」
「その子は私の親友でした。これからもずっと仲良しだって思っていました。けども、恋は盲目ですね。フラれたからって、私が好きだからって理由でフラれたからって、私を陥れようとしてきました。」
「根も葉もない噂。やったことも無いこと。上靴は当たり前のように毎日消え、朝行けば机には一輪の花が添えられている。廊下を歩けば突き刺すような視線が私の身体を抉り、私の触ったものは殺菌消毒される。はっきり言って最悪な気分ですよ。笑えますよね。」
「幸いにも成績の良かった私は、県外の私立中学校に進学しました。ようやく私は開放されたのです。もう1人の幼馴染と高校で会うことを約束して別れて3年間。私はただ何もかもを忘れて楽しみました。」
「でも約束のためにここに帰ってきたら。なんと、あのクソ女がいるじゃないですか!私は喜びと悲しみと怒りで狂ってしまいそうでした。このことを伝えたくて、私はこの企画を提案したのです。」
「あっそうだ!名前を言ってなかったですよね。名前は…「ちょっと待って!」」
気づけば目の前にあの女がいて、私の口を塞いでいる。
「あーあ、せっかく名前言ってなかったのに。」
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
おっぱい揉む?と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました
星宮 嶺
青春
週間、24hジャンル別ランキング最高1位!
ボカロカップ9位ありがとうございました!
高校2年生の太郎の青春が、突然加速する!
片想いの美咲、仲の良い女友達の花子、そして謎めいた生徒会長・東雲。
3人の魅力的な女の子たちに囲まれ、太郎の心は翻弄される!
「おっぱい揉む?」という衝撃的な誘いから始まる、
ドキドキの学園生活。
果たして太郎は、運命の相手を見つけ出せるのか?
笑いあり?涙あり?胸キュン必至?の青春ラブコメ、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる