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バイバイ
体育祭Ⅱ⑪
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基本的に知り合いの出ているやつしか見ない体育祭ももう終盤。知り合いで最後に出るのは楓と奏の二人三脚。何よりカップルまたはカップル目前の男女しか出れない。そんな二人三脚だ。
「誰か出んの?」
「奏と楓。あの2人、どこからどう見ても付き合ってるのに、カップル目前枠で出るらしい。」
「ん。絶対付き合ってるよね。あの2人。」
ぼーっと召集場所を眺めながら、船戸さんとそんなことを呟く。
「由良君こそ、桜と出なくて良かったの?」
「俺たちはそんな関係じゃないから。」
「どういう関係なの?」
「ん~、ただの友達…ではない。言うなら、パズルのピースの1つかな?」
「何それ。珍しく意味わからんこと言ってるね。」
「あぁ、俺も意味わからん。けど、多分そんな関係なんだろうな。」
遠くに見える桜は柚さんと喋っている。少し寂しそうな表情を浮かべながら。
気がつけばもう入場の曲がかかり始めていた。リア充のキラキラした雰囲気の集団が一斉にスタートライン前に並ぶ。その眩しさで目が焼けそうだ。
「どしたの?」
「目に200000ルクスの刺激が…」
船戸さんの呆れたような顔で中和して、どうにか目が焼けきれないように冷ます。
この二人三脚のルールはいたってシンプル。二人三脚でトラックを1周した後、グラウンドのど真ん中に特設されたステージで『告白の再現』か『告白』、恥ずかしくてできない場合に限り『理想の告白』をすることになっている。確かにこの企画はカップルじゃないとできないな。
「ちなみに全レースが終わったあと、審査員たちの話し合いにより、ベストカップル賞を決める決勝レースを行いますので、そちらもお楽しみに!さて、リア充によるリア充のための二人三脚!今、スタートです!」
1年生カップルたちがスタートラインに並び、紐を結ぶ。全員が赤い紐ってのも凝ってるからいい。中にはくっつくのが恥ずかしくて躊躇っているカップルも。それもそれでいい。
「由良君が犯罪者の顔してる。」
「安心しろ。元からこんな顔だ。」
全員が紐を結んで肩を組んだところでピストルが上がった。
「位置について、よーい!」
―パン
リア充のための競技。おそらく今後語られるであろう、伝説の競技が始まった。
「誰か出んの?」
「奏と楓。あの2人、どこからどう見ても付き合ってるのに、カップル目前枠で出るらしい。」
「ん。絶対付き合ってるよね。あの2人。」
ぼーっと召集場所を眺めながら、船戸さんとそんなことを呟く。
「由良君こそ、桜と出なくて良かったの?」
「俺たちはそんな関係じゃないから。」
「どういう関係なの?」
「ん~、ただの友達…ではない。言うなら、パズルのピースの1つかな?」
「何それ。珍しく意味わからんこと言ってるね。」
「あぁ、俺も意味わからん。けど、多分そんな関係なんだろうな。」
遠くに見える桜は柚さんと喋っている。少し寂しそうな表情を浮かべながら。
気がつけばもう入場の曲がかかり始めていた。リア充のキラキラした雰囲気の集団が一斉にスタートライン前に並ぶ。その眩しさで目が焼けそうだ。
「どしたの?」
「目に200000ルクスの刺激が…」
船戸さんの呆れたような顔で中和して、どうにか目が焼けきれないように冷ます。
この二人三脚のルールはいたってシンプル。二人三脚でトラックを1周した後、グラウンドのど真ん中に特設されたステージで『告白の再現』か『告白』、恥ずかしくてできない場合に限り『理想の告白』をすることになっている。確かにこの企画はカップルじゃないとできないな。
「ちなみに全レースが終わったあと、審査員たちの話し合いにより、ベストカップル賞を決める決勝レースを行いますので、そちらもお楽しみに!さて、リア充によるリア充のための二人三脚!今、スタートです!」
1年生カップルたちがスタートラインに並び、紐を結ぶ。全員が赤い紐ってのも凝ってるからいい。中にはくっつくのが恥ずかしくて躊躇っているカップルも。それもそれでいい。
「由良君が犯罪者の顔してる。」
「安心しろ。元からこんな顔だ。」
全員が紐を結んで肩を組んだところでピストルが上がった。
「位置について、よーい!」
―パン
リア充のための競技。おそらく今後語られるであろう、伝説の競技が始まった。
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