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バイバイ
祭囃子⑫
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「撮りまーす!笑って笑って~!2人ともぎこちなーい!」
きいと2人で苦笑を浮かべながら写真を撮る。富田さんって関わったことなかったから知らなかったけど、こんな感じなんや。
「今撮った写真と記念品でーす!」
富田さんはハイテンションのまま、記念品であるタオルを渡してくる。『KOKUGAKU FES. 2023』の文字がプリントされているタオルは色々な色があって、それをランダムに渡している感じだ。俺は黒のタオルを、きいは水色のタオルをそれぞれ受け取った。
「それじゃ、文化祭をもっと楽しんでくださーい!」
「ありがとうございマース」
「えっと、失礼しましたー…」
逃げるように生徒会室を後にして、喧騒の中に戻る。いや、また別の喧騒に突っ込む。
校舎前には見慣れた顔があった。
「おかえり。その様子やと生きて帰ってこれたっぽいね。」
「2人ともギリギリな。一瞬意識飛ぶかとおもったわ。」
「ほんと、基本的な受け答えはひい君がやってくれたからマシやったけど、あれと喋らなアカンかったら…」
「きい、想像しない方がマシやで。」
きいの顔が青ざめていくのが見えて、こっちに戻ってくるように声をかける。それだけでは戻ってこなかったので肩を揺さぶってみればやっと意識が戻ってきた。
「三途の川が見えた。」
「それはようござんした。」
そんな俺たちを見ている桜はいたって普通っぽい。そこまで変なことをされなかったのだろうか。
「桜はどうやったん?」
「私は大丈夫。さっきコーヒー飲んできたから。」
「「あ~」」
随分苦労したんだなと思いつつも、労いの言葉は出てこない。こういうのは虚しくなるだけだから。
「桜も今暇なん?」
「きい達も?」
「私たちはとりあえずもうシフトは入ってないから。」
「あとは適当に回るだけ。」
もうあと1時間ほどしかないが、とりあえず最後まできいと回るつもりだった。
「桜、一緒に回ろ!」
「い、いいけど。」
きいの勢いに押されて頷く桜。ラスト1時間はこの3人であいつらに届けれるくらいの思い出を残そう。
きいと2人で苦笑を浮かべながら写真を撮る。富田さんって関わったことなかったから知らなかったけど、こんな感じなんや。
「今撮った写真と記念品でーす!」
富田さんはハイテンションのまま、記念品であるタオルを渡してくる。『KOKUGAKU FES. 2023』の文字がプリントされているタオルは色々な色があって、それをランダムに渡している感じだ。俺は黒のタオルを、きいは水色のタオルをそれぞれ受け取った。
「それじゃ、文化祭をもっと楽しんでくださーい!」
「ありがとうございマース」
「えっと、失礼しましたー…」
逃げるように生徒会室を後にして、喧騒の中に戻る。いや、また別の喧騒に突っ込む。
校舎前には見慣れた顔があった。
「おかえり。その様子やと生きて帰ってこれたっぽいね。」
「2人ともギリギリな。一瞬意識飛ぶかとおもったわ。」
「ほんと、基本的な受け答えはひい君がやってくれたからマシやったけど、あれと喋らなアカンかったら…」
「きい、想像しない方がマシやで。」
きいの顔が青ざめていくのが見えて、こっちに戻ってくるように声をかける。それだけでは戻ってこなかったので肩を揺さぶってみればやっと意識が戻ってきた。
「三途の川が見えた。」
「それはようござんした。」
そんな俺たちを見ている桜はいたって普通っぽい。そこまで変なことをされなかったのだろうか。
「桜はどうやったん?」
「私は大丈夫。さっきコーヒー飲んできたから。」
「「あ~」」
随分苦労したんだなと思いつつも、労いの言葉は出てこない。こういうのは虚しくなるだけだから。
「桜も今暇なん?」
「きい達も?」
「私たちはとりあえずもうシフトは入ってないから。」
「あとは適当に回るだけ。」
もうあと1時間ほどしかないが、とりあえず最後まできいと回るつもりだった。
「桜、一緒に回ろ!」
「い、いいけど。」
きいの勢いに押されて頷く桜。ラスト1時間はこの3人であいつらに届けれるくらいの思い出を残そう。
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