陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

バイバイ

祭囃子⑦

「船戸さん、おかえり。」
「ヤバいね、これ。私たち人気すぎん？」
「それな。」

私が教室に帰ってきたら、ものすごい行列ができていた。おそらくどこのクラスよりも長い。1ゲームでそこまで時間がかからないはずだから、単純に人気なだけ。

「本当にすごいよ。君は。」

去年も今年も成功させて、なんでそんな涼しい顔していられるの？全ての立役者は君なんだよ。

　次の私の担当のレーンは由良君の隣のレーン。前の担当の男子と入れ替わって、対応する。

「1ゲーム6発です。この机に手なり足なりくっつけて撃ってください。」

私のレーンは生徒が多い印象だ。みんなグループにまとまっていて、お揃いのTシャツを身につけている。見た感じ3年生か。最後の文化祭だから楽しんで欲しい。

　3年生のグループの後ろには、見知った顔がいた。

「紀乃ちゃん！久しぶり！」
「花胡ちゃん！そか、花胡ちゃんもこのクラスか。」

私のレーンには紀乃ちゃんが来た。そして、隣のレーンには…

「Q、私が当たったみたいね。知らんやつのとこよりもマシか。」
「なんでそんな上から言えんねん。」

音羽ちゃん。どうやらこの2人で回っているみたいだ。あまりこの2人だけってのは見ないけど、ちゃんと仲良いみたい。たまに同じグループにいるけど、仲があんまり良くない2人とかもいるけど、この2人はそんな感じじゃないみたいだ。

「きい、勝負しよ。」
「私に勝つ気？」
「勝てるやろ。」

前から思っていたが、音羽ちゃんは煽りが上手すぎる。相手を傷つけないくらいにナイフを立てる。それをこんなに自然にやるなんて。ただの天才だ。

「言ったな。」

そして紀乃ちゃん。頭が少しあれな分、超負けず嫌い。スポーツマンみたいな頭の構造をしている。球技大会のときからそんな感じに見える。

「その勝負、受けて立つ！」

あの～、私を挟んでバチバチしないでくれますか？