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バイバイ

Cの文化祭準備③

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「奏、撮ってぇ」
「うい」

文化祭前日。設置作業が終わった私たちは宣伝用の写真を撮っていた。

「これをSNSに貼っつけて、送ったら明日からの宣伝になると。」
「そゆこと。」

今日はクラブは休む気。てか、みんな休んでいるからそれでいい。どうせ行っても仕事なんかほとんどないし。

 そんなことよりもこのフォトスポット。出来上がりが凄すぎる。私たちのところはもちろん。黒板アートは美術部が本気出してるし、床半面を使ったフォトスポットは規模がおかしい。他にもフォトスポットをやるクラスはあるらしいが、ここよりレベルの高いところなんてある気がしない。

「反応はよしと。」

さっき投稿した写真。私とゆめちゃんの覇皇色が衝突しているところだ。セロハンを通したライトでそれぞれの色が違うようになっていて、私が赤でゆめちゃんが青。軽い風で髪が靡くように作られていて、写真に動きもある。こんな写真が撮れるなんて…来ないわけが無い。

「ってことで、お疲れさーん!」
「お疲れぇ!」
「お疲れぇい!」

パンと3人でハイタッチして、作ったものを眺める。自信作だ。だけど。

「明日来れないんよなぁ。」
「それな。」
「2人とも残念。」

私たちは明日は大会だ。このフォトスポットがどんな反応か見れない。一応ゆめちゃんに反応を伝えるようにお願いしているが。

「改めてここまで作ると反応も見たかったなって思うんよ。」
「自分たちが作ったものがレベル高いから余計にな。」

奏は広がる針金に触れながら呟く。

「ねぇ、2人とも今日写真撮っとかへん?」
「へ?」
「いいん?」
「ええやろ。作った側やねんし。」

ゆめちゃんは手を出して、私のスマホを受け取ろうとしている。私は1度奏の方を見た。奏は頷いている。私はポケットからスマホを取り出してゆめちゃんの手に置いた。

「じゃあ、よろしく!」
「OK!」

 奏と2人でセットの上に上がる。1段高くなったところに作られた別世界で2人で向かい合う。そして拳を合わせる手前で止めた。

「撮るよ~!」
「「うい~!」」

カシャっとシャッター音がしてセットから離れる。

「どんな感じ?」
「こんな感じ。」

撮れた写真を見ればとても臨場感を感じられるものだった。

「奏、明日、頑張ろうね。」
「お、おう。」

 しっかりと文化祭の思い出もできたし、明日の試合に集中しよう。
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