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キザムノ
夏の終わりに①
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さて、夏休みももう終わりだ。楽しかったなと思いつつも、このために宿題を終わらせたところはある。
「はよー。」
「久しぶり~!」
「よっす。」
「よっ。」
「おはよ~!」
いつも通り、きいと久志と駅に行くと、加太くんと楓はもう着いていた。背中にはみんな長いバッグを背負っている。加太くんと久志の手にはクーラーボックスがあって、そこそこのサイズだ。
「音羽とカレンは守口市で乗ってくるんやっけ?」
「そそ。電車まで時間あるし、なんか買ってくか?」
「だね。」
向こうに着いても7時前だから、朝食が必要になってくる。
今日行くのは舞子公園。明石海峡大橋の下にあって、よく釣れることで有名だ。駅からそこそこ近いから、今日の私たちみたいに電車を使う人もいる。
近くの24時営業のコンビニの菓子パンコーナーをさまよっていると、ドリンクコーナーの前で突っ立っている久志が目に付いた。
「どしたの?」
「俺と奏で中に入れるもの分けたんやけど、スポドリって種類あるやん。やから好みとかわからんなって。」
「あぁ~。」
スポドリと言えど、何種類もある。しかも、全部味が違うから好みが別れる。
「とりあえずここら辺全部4本ずつくらいでいいかな。」
久志はそうつぶやくと、目に付いたスポドリを取っていった。
「私も払うよ。」
「助かる。」
そう言うと、優しい笑顔で返されて、思わず胸が弾みそうになる。
「奏、昼飯になりそうなもんは買えたか?」
「おうよ。きゅうりあったから、3袋買っといた。」
「ナイス。おにぎりは?」
「オーソドックスな味は何個かずつ。楓ときいが菓子パン選んでくれたから、それも買っといたぞ。」
「ナイス。」
レジでお金を払って、買ったものをクーラーボックスに詰めていく。本数もなかなかあるのでそれだけでいっぱいになった。
「「重たっ。」」
奏も久志も、クーラーボックスを持つなり、すぐに音を上げる。駅までは100mくらいだから、頑張って欲しい。
ゆったりとした歩幅で歩きながらも、予定の電車には無事に乗れて、席に座る。楓が音羽に連絡してくれたから、守口市でここに乗ってくるだろう。
「今の間に1本ずつ渡しとくわ。」
「俺も1個ずつ。」
久志がクーラーボックスを開けると、その理由が分かったと言わんばかりに奏もクーラーボックスを開ける。魂胆は丸見えだが、これで肩を壊されても嫌だから、貰っておいた。
全員に配りきって、久志はクーラーボックスの蓋を閉めた。そして、持ち上げる。
「あ~軽っ。」
「はよー。」
「久しぶり~!」
「よっす。」
「よっ。」
「おはよ~!」
いつも通り、きいと久志と駅に行くと、加太くんと楓はもう着いていた。背中にはみんな長いバッグを背負っている。加太くんと久志の手にはクーラーボックスがあって、そこそこのサイズだ。
「音羽とカレンは守口市で乗ってくるんやっけ?」
「そそ。電車まで時間あるし、なんか買ってくか?」
「だね。」
向こうに着いても7時前だから、朝食が必要になってくる。
今日行くのは舞子公園。明石海峡大橋の下にあって、よく釣れることで有名だ。駅からそこそこ近いから、今日の私たちみたいに電車を使う人もいる。
近くの24時営業のコンビニの菓子パンコーナーをさまよっていると、ドリンクコーナーの前で突っ立っている久志が目に付いた。
「どしたの?」
「俺と奏で中に入れるもの分けたんやけど、スポドリって種類あるやん。やから好みとかわからんなって。」
「あぁ~。」
スポドリと言えど、何種類もある。しかも、全部味が違うから好みが別れる。
「とりあえずここら辺全部4本ずつくらいでいいかな。」
久志はそうつぶやくと、目に付いたスポドリを取っていった。
「私も払うよ。」
「助かる。」
そう言うと、優しい笑顔で返されて、思わず胸が弾みそうになる。
「奏、昼飯になりそうなもんは買えたか?」
「おうよ。きゅうりあったから、3袋買っといた。」
「ナイス。おにぎりは?」
「オーソドックスな味は何個かずつ。楓ときいが菓子パン選んでくれたから、それも買っといたぞ。」
「ナイス。」
レジでお金を払って、買ったものをクーラーボックスに詰めていく。本数もなかなかあるのでそれだけでいっぱいになった。
「「重たっ。」」
奏も久志も、クーラーボックスを持つなり、すぐに音を上げる。駅までは100mくらいだから、頑張って欲しい。
ゆったりとした歩幅で歩きながらも、予定の電車には無事に乗れて、席に座る。楓が音羽に連絡してくれたから、守口市でここに乗ってくるだろう。
「今の間に1本ずつ渡しとくわ。」
「俺も1個ずつ。」
久志がクーラーボックスを開けると、その理由が分かったと言わんばかりに奏もクーラーボックスを開ける。魂胆は丸見えだが、これで肩を壊されても嫌だから、貰っておいた。
全員に配りきって、久志はクーラーボックスの蓋を閉めた。そして、持ち上げる。
「あ~軽っ。」
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