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キザムノ
呼び出し③
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「ひい君の鬼、鬼畜。」
「好きなだけ言っとけ。」
私はおでこを擦りながら言う。少しは手加減してくれたんだろうけど、普通に痛かったんだからね。
そんなことを考えていたせいか、前を見ていなかった。
「いでっ!」
「うおっ!ごめん、きい。」
「いいよ。どったの?」
ひい君が突然立ち止まったので、ぶつかってしまう。ひい君の肩越しに見れば何をやってるかはすぐに分かった。
「なんのイベント?」
「さぁ?とりあえず凄い人だかりだ。」
何かのイベントで、通路が人で溢れかえっていた。でも、ここを抜けないと外には出られない。
「とりあえず、抜けるか。」
「うん。」
そう言うと、ひい君が私の右手を掴んでくる。「なんで?」って目で訴えると、顔を背けたまま、
「こうでもしないとお前がはぐれそうだからな。」
とだけ言う。
「私、そんな子供じゃないし!」
「橋本紀乃ちゃん、橋本紀乃ちゃんのお連れ様の方は、至急インフォメーションまでお越しください。」
「煽んな!」
「ハハッ」
ムキになって怒ってますよオーラを出すが、今はそんなことより、触れ合った右手の感触が気になって仕方がない。私、手汗かいてないかな?熱くなった頬も、怒ってるからってことにしておこう。
ひい君に連れられて、人混みの中を抜ける。
「はぁ。しかしなんだったんだ?」
「ほんとに分かんない。とりあえず、ご飯食べに行こ。」
道路を挟んで向かい側にあるファストフード店。ちょい先にいつものメンバーで遊ぶのが決まっているから、値段を抑えるためにここにすることになった。
店内はそこそこ人がいたが、運良く2人席が1つ空いていたのでそこに座った。
「ラッキー!」
壁側の椅子に陣取って、カバンを置く。ひい君は注文係なので、今は待っている状況。私には休憩の時間だ。
「(ドキドキした~!)」
思い出す度に顔が熱くなる。ひい君、こういうのサラリとやっちゃうのが悪いところなんだよな。こっちのことお構い無しにやってるから罪だ。それにしても、かっこよかった。顔を背けたままだったのは恥ずかしかったからだろうけど、単純に手を掴まれたときは、いつもの2割増くらいでかっこよく見えた。
あぁ、なんで2人席しか空いてなかったんだろう。カウンターか4人席が空いててくれたらな。
「持ってきたぞ~!」
「あ、ありがと!」
ちゃんと顔見れるか分からん。
「好きなだけ言っとけ。」
私はおでこを擦りながら言う。少しは手加減してくれたんだろうけど、普通に痛かったんだからね。
そんなことを考えていたせいか、前を見ていなかった。
「いでっ!」
「うおっ!ごめん、きい。」
「いいよ。どったの?」
ひい君が突然立ち止まったので、ぶつかってしまう。ひい君の肩越しに見れば何をやってるかはすぐに分かった。
「なんのイベント?」
「さぁ?とりあえず凄い人だかりだ。」
何かのイベントで、通路が人で溢れかえっていた。でも、ここを抜けないと外には出られない。
「とりあえず、抜けるか。」
「うん。」
そう言うと、ひい君が私の右手を掴んでくる。「なんで?」って目で訴えると、顔を背けたまま、
「こうでもしないとお前がはぐれそうだからな。」
とだけ言う。
「私、そんな子供じゃないし!」
「橋本紀乃ちゃん、橋本紀乃ちゃんのお連れ様の方は、至急インフォメーションまでお越しください。」
「煽んな!」
「ハハッ」
ムキになって怒ってますよオーラを出すが、今はそんなことより、触れ合った右手の感触が気になって仕方がない。私、手汗かいてないかな?熱くなった頬も、怒ってるからってことにしておこう。
ひい君に連れられて、人混みの中を抜ける。
「はぁ。しかしなんだったんだ?」
「ほんとに分かんない。とりあえず、ご飯食べに行こ。」
道路を挟んで向かい側にあるファストフード店。ちょい先にいつものメンバーで遊ぶのが決まっているから、値段を抑えるためにここにすることになった。
店内はそこそこ人がいたが、運良く2人席が1つ空いていたのでそこに座った。
「ラッキー!」
壁側の椅子に陣取って、カバンを置く。ひい君は注文係なので、今は待っている状況。私には休憩の時間だ。
「(ドキドキした~!)」
思い出す度に顔が熱くなる。ひい君、こういうのサラリとやっちゃうのが悪いところなんだよな。こっちのことお構い無しにやってるから罪だ。それにしても、かっこよかった。顔を背けたままだったのは恥ずかしかったからだろうけど、単純に手を掴まれたときは、いつもの2割増くらいでかっこよく見えた。
あぁ、なんで2人席しか空いてなかったんだろう。カウンターか4人席が空いててくれたらな。
「持ってきたぞ~!」
「あ、ありがと!」
ちゃんと顔見れるか分からん。
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