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キザムノ
親友①
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今日は朝っぱらからRINEが忙しい。なぜなら、
「奏、おめでとう!」
俺の誕生日だから。今日は朝イチから楓が家に来ていて、この後の練習は一緒に行く予定。いつも一緒に行っているが、そこんとこは放っといてくれ。
そんな俺の誕生日である今日の練習は、毎年恒例、ラクタブで行われる。今日、うちの学校は停電断水で使えないからだ。OFFにして欲しいってのが本心だが、この練習はいい刺激になるので、それもそれでいいかなとも思っている。
「去年は凄かったからね。」
「あれは俺が一個下と仲良かったからや。ほとんど抜けた今はどうなるやろ?」
「変わらんのちゃう?奏、面倒見いいから。」
寝癖を直して、楓が用意してくれた朝飯を食べる。目の前に座った楓と俺の服は同じ。ピンク色のクラブTシャツは一個上の代がデザインしたもので、シャチがモチーフになっている。半パンは普通のジャージ。これもクラブ指定だ。
「よう、俺がピンクT着るって分かったな。」
「長いこと幼馴染やってるし、彼女やってるからね。奏の考えてることなら何となく分かるよ。」
「じゃあ今考えてることは?」
「ヤべっ!喋りすぎた!電車間に合わんようになる!」
「正解。」
これは当たらんやろうって思ってたのにしっかり当てやがる。時間は7時25分。半過ぎに出ようと思っていたから、ほぼ確実に早歩きしないといけなくなる。俺は急いで用意を済ませて、クラブバッグを背負う。家の電気とクーラーを消して、窓が閉まっているのを確認する。
「んじゃ、行くか。」
「うん!」
家を出て手を差し出せば、楓はそこに指を絡ませてくる。ギュっと握ると、楓は「えへへ」と嬉しそうな声を上げる。
(こいつ、また可愛くなりやがって。こっちが耐えられんようになるぞ。)
ルンルン気分で歩く楓を横目に、そんなことを思う。同時に、こいつの彼氏になれてよかったとも。
「ありがとうな。」
「ん?なんの事?」
「いーや、こっちの話や。」
楓は頭に?をいっぱい浮かべているが、これだけは絶対に言えない。
「ねぇねぇ、なんの事?」
「絶対言わんからな。」
楓が右腕に抱きついて訊いてくる。おれは軽くあしらいながら光善寺まで歩いて行った。
「奏、おめでとう!」
俺の誕生日だから。今日は朝イチから楓が家に来ていて、この後の練習は一緒に行く予定。いつも一緒に行っているが、そこんとこは放っといてくれ。
そんな俺の誕生日である今日の練習は、毎年恒例、ラクタブで行われる。今日、うちの学校は停電断水で使えないからだ。OFFにして欲しいってのが本心だが、この練習はいい刺激になるので、それもそれでいいかなとも思っている。
「去年は凄かったからね。」
「あれは俺が一個下と仲良かったからや。ほとんど抜けた今はどうなるやろ?」
「変わらんのちゃう?奏、面倒見いいから。」
寝癖を直して、楓が用意してくれた朝飯を食べる。目の前に座った楓と俺の服は同じ。ピンク色のクラブTシャツは一個上の代がデザインしたもので、シャチがモチーフになっている。半パンは普通のジャージ。これもクラブ指定だ。
「よう、俺がピンクT着るって分かったな。」
「長いこと幼馴染やってるし、彼女やってるからね。奏の考えてることなら何となく分かるよ。」
「じゃあ今考えてることは?」
「ヤべっ!喋りすぎた!電車間に合わんようになる!」
「正解。」
これは当たらんやろうって思ってたのにしっかり当てやがる。時間は7時25分。半過ぎに出ようと思っていたから、ほぼ確実に早歩きしないといけなくなる。俺は急いで用意を済ませて、クラブバッグを背負う。家の電気とクーラーを消して、窓が閉まっているのを確認する。
「んじゃ、行くか。」
「うん!」
家を出て手を差し出せば、楓はそこに指を絡ませてくる。ギュっと握ると、楓は「えへへ」と嬉しそうな声を上げる。
(こいつ、また可愛くなりやがって。こっちが耐えられんようになるぞ。)
ルンルン気分で歩く楓を横目に、そんなことを思う。同時に、こいつの彼氏になれてよかったとも。
「ありがとうな。」
「ん?なんの事?」
「いーや、こっちの話や。」
楓は頭に?をいっぱい浮かべているが、これだけは絶対に言えない。
「ねぇねぇ、なんの事?」
「絶対言わんからな。」
楓が右腕に抱きついて訊いてくる。おれは軽くあしらいながら光善寺まで歩いて行った。
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