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イツモノ

いつもの帰り道②

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「「じゃあまた休み明けな。」」
「体ボロボロなって死ぬなよ。」
「2人ともクラブ頑張って!」
「バイバーイ!」

Qたちと別れて住宅街の中に入る。そして1つ角を曲がってから、俺たちは手を繋いだ。

「思ったより、夏休み予定埋まらなそうやね。」
「やな。でも、しょうがないんちゃう?Qは受験ありそうやし。」
「たしかに。」

珍しくOFFだった今日。この時間をみんなに充てたから、次のOFFは1週間後。それまでは午後練と2部練ばっかで、どっかに遊びに行くとかは無理そうだ。

「次のOFFどっか行こ。」
「来週か。ええよ。どこ行きたい?」
「ん~、室内でまったりくつろげるとこ。」
「漫喫とか?」
「それ、奏が行きたいだけやんな。」
「バレたか~。」
「でも、ええで。そうしよ。」

楓はニシシと笑う。

 夏休みにはまだ入っていない。今はなんか学校が作った自宅学習期間。みんな勉強なんかしてないけど、一応そうなっている。

「今回は宿題早めに終わらせんぞ。」
「えぇ~っ。遊びたい!」
「たまになら遊んでいいけど、でも、ちゃんと終わらせた方が気持ちいいやろ。」
「ん~、でも。」
「一緒にやってやるから。」

夏休み。俺たちが家にいることは半日しかない。だいたい毎日クラブがあって、そのあとボロボロになった状態で宿題をしないといけない。そんなのも、楓と一緒にやれば楽しくできるに違いない。

「ん、分かった。じゃあ、終わったら、めっちゃ遊ぼうね。」

楓の手を握る力が強くなる。

「あぁ、この夏が忘れられなくなるほどにな。」

そう言って強く手を強く握り返した。
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