陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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イツモノ

いつもの帰り道①

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「「じゃあねー!」」
「バイバーイ!」
「またな!」
「また終業式!」
「カレンは自分で飯作れよ!」
「またね、音羽!」

私たちが別れるのは、香里園の改札を抜けてすぐ。みんなとは逆の大阪方面に向かう電車に乗るから。

「今日は贅沢したねぇ。」
「だな。こりゃあしばらく贅沢できなさそう。」

ホームで電車を待ちながら、横のカレンはフフっと笑う。

 私たちは生活はそこそこカツカツだ。仕送りもあるし、バイトもしてるからどうにかなっているが、今日の出費はさすがに痛い。

「どうする?晩御飯?」
「ん~、キャベツともやしと豚バラで味噌炒めとかどう?」
「豚バラ安かったらそうしよ。もしなかったら?」
「あの黄色い冷凍若鶏もも肉でもできるか?やってみる価値はあるか。」
「じゃあそれで。まずは豚バラか。」

来た準急淀屋橋行きに乗る。端っこの方が2人分空いていたのでそこに座った。

「暑っつ~!」
「夏やなぁ~。」
「カレンは夏好き?」
「ん~、どーやろ?海とかは好きやけど、都会の真夏は嫌いやな。水ん中入って、ぷわ~ってしたい。音羽ちゃんは?」
「私は…」

去年は外に出たけど、それまではずっと家だったな。去年が例外。でも、楽しかったなぁ。

「みんなと一緒にクーラーかかってる部屋でゴロゴロしてたいかな?」
「うわぁ~、インドア。」
「しょーがねぇだろ!?今までそんな友達いなかったし。」

そんな話をしていたら、もう萱島。乗り換えだ。

「家帰ったら何する?」
「ゲーム、ゲーム、そしてゲーム。」
「文IIの頭いい人の言うこととは思えんな。」
「こんなんやけくそや!2週間も我慢してるんやし。」

この帰り道も、次は1週間後だ。そして、私たちは夏休みに突入する。

「明日から夏休みの課題進めるで。」
「えぇ~っ」
「嫌な顔すんな。」
「へーい。」

こうやって口実作ったら毎日でも会えるけど。
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