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イツモノ

俺たちは1学期期末Ⅱ④

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「終わったぁ~!」

テスト最終日。その最後の試験が終わった。なんと言ってもこの開放感がすごい。すごすぎる。たまらん!

「お疲れぇ~、由良君。」
「お疲れ、船戸さん。」

隣を見ればテキパキと文房具を片付ける船戸さん。俺の机の上はまだ色々散乱してるってのに。

「今回はどんな感じ?」
「数Bと国語以外はいけたかな?その2つが怪しいって感じ。」
「あの国語は酷いわな。」

今回の国語のテスト。授業中に「出ない」って言っていたところから問題が出題された。お陰でみんな解けなかったわけだ。

「あのババア、殴り飛ばしたろか思うたわ。」

そんなこと言いながら寄ってくるのは戸津井さん。少しキャラ崩壊しているが、本人は気にしていないようなのでほっておこう。

「でも、他ので点数稼げたやろ。」
「「は?」」
「え?」

〇〇〇〇〇

 こんにちは、橋本紀乃です。今回のテスト、なんと自信があります。事件です。自分で言うのもなんですが、明日、地球が滅ぶんじゃないかって思ってます。

「紀乃ちゃん、見るからにご機嫌やね。」
「うん!今回、欠点はないと思うから。」
「平均は?」
「それもないかな?」

私からしたら幾分かマシな方なのに、クラスのみんなからしたら良くないみたいです。なんということでしょう!

―バン!

扉が勢いよく開きました!

「きい!どうやった?」
「フッフッフッ!楓、今回の私を見くびらないことだな。」
「ま、まさか!」
「今回、私は調子いいぞ。」
「どうやら私と同じようだな。勝負だ!きい!」
「望むところだ!」


〇〇〇〇〇

「お疲れぇ~、さくちゃん。」
「お疲れ、ゆーちゃん。どうやった?」
「まあ、そこそこかな?」

ゆーちゃんは私の椅子に半分座って、私にもたれかかってくる。

「いやー、ムズいねぇ~。2年になったら。」
「1回コケたらそこで終わりそうやから怖い。」
「マジそれな。全部気抜かれへんって言っても、そんなん無理やしさ。」

私も荷物を詰め終わり、ゆーちゃんにもたれる。

「そう言うさくちゃんはどないでしたん?」
「ん~、まあキープって感じかな?勉強量そこまで増やした訳ちゃうし。」
「そんな大層な隈ぶら下げといて?」

ゆーちゃんは私の涙袋を指で触る。そう、最近はあんまり寝れてない。寝ようとしても、次の日のことがチラついて眠れないのだ。

「寝ないととは思ってるんやけどね。人生そんな上手いこといかんもんよ。」
「なるほどなるほど。今日は作詞家くんに寝かしてもらったら?」
「はぁ…はぁ?いやいや、私たちそんな関係ちゃうし!」
「頑張ってね~!バイバイ!」

ゆーちゃんが教室を飛び出していく。

「からかいやがって…」

頬の熱が冷めるまでは結構時間がかかった。
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