191 / 724
ムカシハ
初回授業again①
しおりを挟む
「今年も音楽を担当することになりました、磯浦仁です。授業自体は去年と同じような感じでやっていくつもりです。それで、今日は授業しません。これでわかる人もいると思うけど、今日は作詞作曲をしてみよう!」
去年みたいにクラスはどよめかないが、ポツポツと現実逃避している人が…。船戸さんは俺の方を向いて、「よろしくね」と口を動かした。
その日の放課後。俺と船戸さんは駅前のファミレスに来ていた。
「見知らぬ人とやるよりはマシだけど、船戸さん、音楽がイソジンってのでもう狙ってたよね。」
「まぁ、由良君が作詞出来んの知ってんの、私とくるみだけやし。」
どうやら、元1-Cはあと1人いるらしい。知らなかった。そもそも、絡んだことのある人しか覚えない俺からしたら普通か。
「ということで、呼んでみました!」
船戸さんが手を振ると、うちの制服を着た女子がこっちに来る。ウェーブのかかったセミロング。色は栗色。手首にはシュシュを3つ?付けている。そして雰囲気からもうわかる。俺側だ。
「ども~!戸津井くるみでーす!由良っちとは喋るの初めてやんなぁ!よろしく!」
「よろしく。」
「くるみ、無理に明るくせんでいいから。」
「えぇー。このキャラでいこうと思ってたのにぃ。」
「私が扱いにくくなる。」
「わかったよぉ。それじゃよろしくね。由良君。」
「あ、うん。」
声のトーンが下がってめちゃくちゃ分かるが、この人は隅っこ族ではない。いくつかあるグループの3番手グループにいたレベルの人。場所的には教室の真ん中後ろに固まってた4人ほどのグループの1人か。
「由良君、何してるの?」
「安心して、由良君はくるみのデータを引っ張り出してるだけやから。あっ、戻ってきた。」
思い出した。ありがとう、俺の耳。
「言った通り、同じクラスやったやろ。」
「あぁ、おったわ。」
「ちょ、由良君、そこから!?」
戸津井さんは驚いているが、船戸さんはそんな気配がしない。元こっちか現在進行形でこっちか、やはり分からない。
「それで、今年も俺が作詞するつもりだけど、表に立つのは2人でいいよな?」
「もちろん、作曲も任せて。私、親がインディーズだから。」
「えぇー、花胡が歌うんちゃうん?じゃあ私?」
「そのために連れてきたんやで。」
「でも私、人前で歌ったことないし。」
なるほど、そういうことか。戸津井さんの高2デビューをここでさせたいんだな。
「いいよ。できる限り歌いやすいの作るから。」
「私も、できる限り。」
「2人ともありがと~!」
去年みたいにクラスはどよめかないが、ポツポツと現実逃避している人が…。船戸さんは俺の方を向いて、「よろしくね」と口を動かした。
その日の放課後。俺と船戸さんは駅前のファミレスに来ていた。
「見知らぬ人とやるよりはマシだけど、船戸さん、音楽がイソジンってのでもう狙ってたよね。」
「まぁ、由良君が作詞出来んの知ってんの、私とくるみだけやし。」
どうやら、元1-Cはあと1人いるらしい。知らなかった。そもそも、絡んだことのある人しか覚えない俺からしたら普通か。
「ということで、呼んでみました!」
船戸さんが手を振ると、うちの制服を着た女子がこっちに来る。ウェーブのかかったセミロング。色は栗色。手首にはシュシュを3つ?付けている。そして雰囲気からもうわかる。俺側だ。
「ども~!戸津井くるみでーす!由良っちとは喋るの初めてやんなぁ!よろしく!」
「よろしく。」
「くるみ、無理に明るくせんでいいから。」
「えぇー。このキャラでいこうと思ってたのにぃ。」
「私が扱いにくくなる。」
「わかったよぉ。それじゃよろしくね。由良君。」
「あ、うん。」
声のトーンが下がってめちゃくちゃ分かるが、この人は隅っこ族ではない。いくつかあるグループの3番手グループにいたレベルの人。場所的には教室の真ん中後ろに固まってた4人ほどのグループの1人か。
「由良君、何してるの?」
「安心して、由良君はくるみのデータを引っ張り出してるだけやから。あっ、戻ってきた。」
思い出した。ありがとう、俺の耳。
「言った通り、同じクラスやったやろ。」
「あぁ、おったわ。」
「ちょ、由良君、そこから!?」
戸津井さんは驚いているが、船戸さんはそんな気配がしない。元こっちか現在進行形でこっちか、やはり分からない。
「それで、今年も俺が作詞するつもりだけど、表に立つのは2人でいいよな?」
「もちろん、作曲も任せて。私、親がインディーズだから。」
「えぇー、花胡が歌うんちゃうん?じゃあ私?」
「そのために連れてきたんやで。」
「でも私、人前で歌ったことないし。」
なるほど、そういうことか。戸津井さんの高2デビューをここでさせたいんだな。
「いいよ。できる限り歌いやすいの作るから。」
「私も、できる限り。」
「2人ともありがと~!」
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
おっぱい揉む?と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました
星宮 嶺
青春
週間、24hジャンル別ランキング最高1位!
ボカロカップ9位ありがとうございました!
高校2年生の太郎の青春が、突然加速する!
片想いの美咲、仲の良い女友達の花子、そして謎めいた生徒会長・東雲。
3人の魅力的な女の子たちに囲まれ、太郎の心は翻弄される!
「おっぱい揉む?」という衝撃的な誘いから始まる、
ドキドキの学園生活。
果たして太郎は、運命の相手を見つけ出せるのか?
笑いあり?涙あり?胸キュン必至?の青春ラブコメ、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる