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ウソツキ

ソウダン

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「彼女が人気すぎる。どうしよう。」

また出た。惚気話。最近はピー也と帰っているが、話題といえばいつもこれだ。こいつほんま心配性やからな。

「あのな、俺の彼女が、俺の友達に告られるかもって噂が流れてきてん。本人にも。」
「ほうほう。」
「んで、彼女的には告らせたくないねん。」
「ほう、ほう?」
「振るのが嫌なんだとよ。」
「なるへ。」

つまり、こっち側で動いて、告ったらアカン空気を作れってことだな。それか、そいつに振らなかったらいい。

「それで、お前にアイデア求めてんねんけど、なんかあるか?」
「あるっちゃあるが、完全に騙す方法だな。」

俺はひとつ呼吸をおいて、

「ヒッキーになれ。」
「はぁ?」

ヒッキーというのは、某有名こじらせ系ラブコメの主人公だ。目の通り、腐った思考ばっかりしている。

「嵐山で告ってこっぴどく振られた回あっただろ。」
「あったな。あれをやれと。」
「そうそう。こっちは口裏合わせといたらいけるかも。」
「うーん。」

反応は思ったより微妙。どっちか言うと、俺がする方法だからな。楓も、俺がこういう性格なのを分かって付き合ってくれてるだけやし。

「それ、俺があいつと険悪にならねぇか?」
「確かに。」

そっちのことも考えんとアカンのかよ。めんどくせぇ。

「思いっきり振って、友達以上恋人未満になるとか。」

これは彼女の性格の良さを利用した方法。ソースは読書家たちのラブコメだが、まあまあのレアケースなので最初は選択肢から外していた。

「一つ言うの忘れてたわ。そいつ、メンタルクソ弱い。」
「まじか!?」

そんな奴に告るん出来んのか?と出てきそうになった言葉を飲み込む。

 はっきり言って手詰まりだ。理由としては1番はやはりピー也の友達。何しろ欠点が多すぎる。それを全部カバーしきれる気がしない。

 一つ、確定で成功する方法がある。それは、甘々カップルになること。でも、前の話で甘々カップルにはなりたくないって言ってたから消しだ。

 よく考えたら、いつも惚気られるが、それはRINEの中の話が多くて、あまり人前で何かしてるってのは聞いたことがない。前に教室で喋ってるくらいって言ってたけど、それだけだ。

 ついこないだ、デート行ったって言ってたっけ。でも話を聞くに、恋人ってよりも親友に近い感じがしたな。

 そして、彼女の方は理系クラスで影響力のあるグループの1人。

 みるみるうちにパーツがはまっていく。彼女の考えと、このカップルの基本姿勢を崩さないようにまとめた結果。

「お前ら、親友以上恋人未満になれ。」
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