陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

136君

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ウソツキ

ボロボロ

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 焚き火の音と鼓動の音だけが聞こえる。

「私は楓寝かしとくわ。」
「おう、よろしくな、きい。」

きいが楓を連れてトイレに行く。心の中でありがとうと呟いて、俺は全員の方を見た。

「んで、話を聞こうか。」
「お、おう。」

本当にこういう時だけ音羽の圧がすごい。普段は冷静そうに見えるのに…

「奏っちは結局楓とどういう関係?」
「幼馴染…だが。」
「ん~、幼馴染なだけであの距離感なのかな~?」
「いや、それは…」

うちの成績上位者2人に問いつめられると、本当に身が危ない。そうだ、Qは、Qは助けてくれるよな。

「この前、2人で歩いてるの見たぞ。仲良さげに。」
「ふぅーん、これはクロかな?」

おい、Q!追い討ちかけるの言うな!

「まぁ、不問にしてあげる。楓が幸せそうだし。」
「だね。」
「だな。」
「ありがとな。」
「おうよ。末永くお幸せに。」
「おいそれ!意味変わってくるだろ!」

本当にこいつら、怖ぇよ。

〇〇〇〇〇

「良かったな、進んだようで。」
「黙れ、Q。」

奏はそんなことを言っているが、傍から見ていると幸せそうだ。

 俺のテントはソロと言えど2~3人用テント。ほかのテントよりいくらばかりか広いので、キャンプ道具とかは俺のテントに置いている。

 しかし、驚いた。奏が寝れないからって俺のテントに来た時は。俺も中々寝付けなかったので、スマホでマンガを読むくらいしかやることがなかった。なので、話し相手がいることは迷惑な事では無いが、

「こいつか~。」
「おい、残念そうにすんな。」
「それはすまん。」

みんなが起きないように声を殺して笑う。なんだかんだ、喋っていて1番ストレスを感じない友達だと思う。だから、こうして笑えてるし、関係も長く続いていると思う。

「それはそうとして、お前こそ桜とどうなんだ?」
「ん?特に何も。」
「んなわけねぇだろ。ひとつ屋根の下で過ごしてて、そんなラッキーなことはもうねぇかもしれねぇんだぞ。」
「いや、ホンマになんもねぇって。」

元は新しい家が見つかるまで。でも、今は生活の一部になってきている。それは桜と一緒にいて居心地がいいこともあって…

「俺にはそんなこと分かんねぇよ。」
「そうか。」

奏はテントを出ていく。テントに風が当たる音だけが聞こえてくるようになった。

 桜は一番の友達で、恩人で…

 俺は考えるのをやめた。
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