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ウソツキ
キュウソク?
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仕方なく握ってやったが、そもそもこんな時期に来る必要があるのか?ほらナンパとか痴漢とかうじゃうじゃいるだろ。去年も来たって言ってたよな。そんときは大丈夫やったんか?
「奏、怖いよ。」
「ん?あぁ、悪ぃ。」
顔に出てたか。注意しないと。
それにしても、ここの坂は人が少なくていいな。人を避ける面倒が省ける。清水寺に近づいてくると流石に人は多くなってきたが、まだ歩けるレベルだ。
仁王門の前には修学旅行生(?)がいる。こんな春休みの時期になんでだろうと思ったが、厳密にはうちもまだ春休みじゃなかったんだった。門の下を通り抜けてまた階段。
「なんでこういう所は階段が多いんだろ。」
「なら来んかったらいいやないか。」
「でも来たいの!」
繋いだ手を振る幅が広くなる。
ぺちゃくちゃ喋りながら三重塔の隣を歩く。経堂を左手に見ながら拝観券受付へ。さっきまで見ていた寺っぽい建物に寄せて作られた受付は、そこら辺に混ざっていても気づかないレベルで作り上げられていた。2人分の拝観料800円を払って片っぽを楓に渡す。「ありがと」と小さくお礼を言ってくれて、俺たちはまた手を繋いだ。
清水の舞台から望む景色は、もう絶景だった。
「うおおおおおぉ!」
楓は何回も写真を撮っている。子供みたいに。
「気いつけろ。落ちるぞ。」
「分かってる分かってる。ほら、奏もこっち来て。」
楓は俺の腕を無理矢理引っ張って同じ画角に収まるように顔を近づける。
―カシャッ
シャッター音と共に、恋人っぽい写真が出来上がった。
「後で送るね。」
「嫌って言っても送るんだろ。」
「さすが!分かってる!」
その後も何枚も一緒に撮った。
お目当てのお守りは4番目が5本買って所持金が尽きた赤いやつだった。これ、学業成就だったのか。そしてこいつが
「学業成就か。」
「おいそこ!『学業成就のお守り持ってるにしてはアホやな』とか思ってるんちゃうやろな!?」
「おお、テレパシー!」
ふぎゅー!と楓は俺の胸を殴る。いや、痛くないが。
ひとまず落ち着かせて歩く。降りる階段はあるが、そこからは降りない。パンフとかでよくある角度から見えるところも、何枚か写真を撮って通り過ぎる。行くのは清水寺子安塔。少し奥にあるので、人が少ないがここからでも十分見渡すことが出来る。
「ここなら2人きりになれるね♡」
楓はこんなこと言っているが実際お互いにそういうつもりはない。ただただ2人になる。そういうのでいい2人だから。
「あぁ、そうだな。」
俺たちは肩を寄せ合った。
「奏、怖いよ。」
「ん?あぁ、悪ぃ。」
顔に出てたか。注意しないと。
それにしても、ここの坂は人が少なくていいな。人を避ける面倒が省ける。清水寺に近づいてくると流石に人は多くなってきたが、まだ歩けるレベルだ。
仁王門の前には修学旅行生(?)がいる。こんな春休みの時期になんでだろうと思ったが、厳密にはうちもまだ春休みじゃなかったんだった。門の下を通り抜けてまた階段。
「なんでこういう所は階段が多いんだろ。」
「なら来んかったらいいやないか。」
「でも来たいの!」
繋いだ手を振る幅が広くなる。
ぺちゃくちゃ喋りながら三重塔の隣を歩く。経堂を左手に見ながら拝観券受付へ。さっきまで見ていた寺っぽい建物に寄せて作られた受付は、そこら辺に混ざっていても気づかないレベルで作り上げられていた。2人分の拝観料800円を払って片っぽを楓に渡す。「ありがと」と小さくお礼を言ってくれて、俺たちはまた手を繋いだ。
清水の舞台から望む景色は、もう絶景だった。
「うおおおおおぉ!」
楓は何回も写真を撮っている。子供みたいに。
「気いつけろ。落ちるぞ。」
「分かってる分かってる。ほら、奏もこっち来て。」
楓は俺の腕を無理矢理引っ張って同じ画角に収まるように顔を近づける。
―カシャッ
シャッター音と共に、恋人っぽい写真が出来上がった。
「後で送るね。」
「嫌って言っても送るんだろ。」
「さすが!分かってる!」
その後も何枚も一緒に撮った。
お目当てのお守りは4番目が5本買って所持金が尽きた赤いやつだった。これ、学業成就だったのか。そしてこいつが
「学業成就か。」
「おいそこ!『学業成就のお守り持ってるにしてはアホやな』とか思ってるんちゃうやろな!?」
「おお、テレパシー!」
ふぎゅー!と楓は俺の胸を殴る。いや、痛くないが。
ひとまず落ち着かせて歩く。降りる階段はあるが、そこからは降りない。パンフとかでよくある角度から見えるところも、何枚か写真を撮って通り過ぎる。行くのは清水寺子安塔。少し奥にあるので、人が少ないがここからでも十分見渡すことが出来る。
「ここなら2人きりになれるね♡」
楓はこんなこと言っているが実際お互いにそういうつもりはない。ただただ2人になる。そういうのでいい2人だから。
「あぁ、そうだな。」
俺たちは肩を寄せ合った。
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