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ハジメテ
そして聖夜は持ってきた②
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さて、何を買ったらいいのだろうか。みんながどんなものを選ぶか予想できないし、ダブるのは避けたい。安牌なのはハンカチや文房具類。これじゃ少し面白くないから、アウトドアショップに向かう。
「これいいな。」
少し店内を見回したあと、俺は1つを手に取った。
〇〇〇〇〇
私はスポーツ用品店のニット帽の前で立ち止まる。
「久志ならこの色。楓ときいはこれか。音羽はこれで、奏っちはこれ。」
誰でも似合いそうな色が見当たらない。
「いや、でも、これなら。」
〇〇〇〇〇
「さ~て、何にしようかなぁ~。私が解散って言ったけど、買ったことないんだよなぁ。」
私は本館の3階にある文房具屋に来ている。とても静かな店で、雰囲気もいい。
「書きやすいボールペン?シャーペンもありだけど、買うなら少し高いのを買っちゃおう!」
私は箱を1つ、手に取った。
〇〇〇〇〇
「私なら、何貰ったら嬉しいかな?」
プラプラと雑貨店を歩く。私と同族のQはさっさと行っちゃったし、周りには見知った顔が見えない。1人でインテリアのコーナーを少し歩く。
「これ、いいね。これなら喜びそう。」
私は1つ手に取った。
〇〇〇〇〇
冬かぁ、冬だなぁ、これなら今の季節にピッタリか。
〇〇〇〇〇
私なんてプレゼント交換なんかしたことないよぉ。
「そうだ、みんなで見た映画のノベライズ版なら!」
みんな、喜んでくれるかな?
〇〇〇〇〇
「よぉし、みんないいもの買ったかぁ?」
『うおお~!』
本館にあるフードコートに集合した俺たちはハンバーガーを買った。1番残りのギガが多い奏のスマホにくじ引きアプリをインストールして、それぞれの名前を入力する。これで引いたくじの名前の人からもらうってシステムだ。
「じゃあ、私から引いていい?」
きいが手を挙げて立ち上がる。奏がスマホを渡すと、縦にスワイプしてくじを引いた。
「音羽のだ!」
「はい、どうぞ。」
「ありがと~!開けていい?」
「きい、全員で開けるから待っとけ。」
きいは少し不服そうにプレゼントを机に置き、ハンバーガーをかじる。
そのあとも同じようにくじを引いていき、熊野さんが海南さんのを、奏がきいのを、海南さんが奏のを、俺と桜は交換で受け取ることになった。
「それじゃ、開けるよ!」
『せーの!』
〇〇〇〇〇
私が貰ったのはスノードーム。中にサンタとトナカイが入っていて、雪が舞っている。とても綺麗だ。
「ありがとう、音羽。」
「喜んでいただけて何より。」
私はスノードームを大事に袋に戻した。
〇〇〇〇〇
「奏、結構センスあるやん。誰にもあげたことないくせに。」
私が貰ったのは入浴剤の詰め合わせ。実用的で、冷え症の私には少しありがたい。明日の晩から使ってみよう。
〇〇〇〇〇
「これってもしかして…」
袋の中から出てきたのは1冊の本。
「まさかこれって。」
「そう、ワンピの映画のノベライズ版。これならみんな喜ぶかなって。」
「ありがとな、きい。」
〇〇〇〇〇
「これは、なかなかの代物ですな。」
「結構高かったんだから、大事に使ってよ。」
「分かってるって。」
楓からのプレゼントって聞いて、どんな爆弾が入っているのか怖かったけど、案外普通のものだった。箱入りのボールペンなんて使ったことないや。大事にしよ。
〇〇〇〇〇
「久志、これって。」
「ニット帽。見た感じこれが1番暖かそうだなって。まさか、」
「開けてみて。」
俺は袋を開ける。そこにあったのは黒のニット帽だった。
「被ったね。」
「被ったな。」
ハハッと笑い合う。これだけ色んなものがあるのに、まさか被るとはな。ちょっとびっくりだ。
「なんだ、お前ら被ったのか。」
「ホントだ、ひい君たち被ってる!」
「どんな確率だよ、それ。」
そしてみんな、俺たちのことを見て、
『似合ってるから何も言えねぇけどよ。』
と言う。少し恥ずかしいけど、嬉しい。本当にいいプレゼントを貰ったな。
帰りも樟葉から特急に乗り、枚方市で乗り換える。
「今から、Qの家に行ってクリパか。」
「料理は杏ちゃんが作ってくれるみたい。杏ちゃん料理上手だから本当に楽しみ!」
「そして、お泊まり会して、明日の朝帰ると。」
「まだ、半日も経ってないんだな。」
「楽しいね!」
やがて見慣れた景色になり、俺たちは斜めに傾いた電車から降りた。
「これいいな。」
少し店内を見回したあと、俺は1つを手に取った。
〇〇〇〇〇
私はスポーツ用品店のニット帽の前で立ち止まる。
「久志ならこの色。楓ときいはこれか。音羽はこれで、奏っちはこれ。」
誰でも似合いそうな色が見当たらない。
「いや、でも、これなら。」
〇〇〇〇〇
「さ~て、何にしようかなぁ~。私が解散って言ったけど、買ったことないんだよなぁ。」
私は本館の3階にある文房具屋に来ている。とても静かな店で、雰囲気もいい。
「書きやすいボールペン?シャーペンもありだけど、買うなら少し高いのを買っちゃおう!」
私は箱を1つ、手に取った。
〇〇〇〇〇
「私なら、何貰ったら嬉しいかな?」
プラプラと雑貨店を歩く。私と同族のQはさっさと行っちゃったし、周りには見知った顔が見えない。1人でインテリアのコーナーを少し歩く。
「これ、いいね。これなら喜びそう。」
私は1つ手に取った。
〇〇〇〇〇
冬かぁ、冬だなぁ、これなら今の季節にピッタリか。
〇〇〇〇〇
私なんてプレゼント交換なんかしたことないよぉ。
「そうだ、みんなで見た映画のノベライズ版なら!」
みんな、喜んでくれるかな?
〇〇〇〇〇
「よぉし、みんないいもの買ったかぁ?」
『うおお~!』
本館にあるフードコートに集合した俺たちはハンバーガーを買った。1番残りのギガが多い奏のスマホにくじ引きアプリをインストールして、それぞれの名前を入力する。これで引いたくじの名前の人からもらうってシステムだ。
「じゃあ、私から引いていい?」
きいが手を挙げて立ち上がる。奏がスマホを渡すと、縦にスワイプしてくじを引いた。
「音羽のだ!」
「はい、どうぞ。」
「ありがと~!開けていい?」
「きい、全員で開けるから待っとけ。」
きいは少し不服そうにプレゼントを机に置き、ハンバーガーをかじる。
そのあとも同じようにくじを引いていき、熊野さんが海南さんのを、奏がきいのを、海南さんが奏のを、俺と桜は交換で受け取ることになった。
「それじゃ、開けるよ!」
『せーの!』
〇〇〇〇〇
私が貰ったのはスノードーム。中にサンタとトナカイが入っていて、雪が舞っている。とても綺麗だ。
「ありがとう、音羽。」
「喜んでいただけて何より。」
私はスノードームを大事に袋に戻した。
〇〇〇〇〇
「奏、結構センスあるやん。誰にもあげたことないくせに。」
私が貰ったのは入浴剤の詰め合わせ。実用的で、冷え症の私には少しありがたい。明日の晩から使ってみよう。
〇〇〇〇〇
「これってもしかして…」
袋の中から出てきたのは1冊の本。
「まさかこれって。」
「そう、ワンピの映画のノベライズ版。これならみんな喜ぶかなって。」
「ありがとな、きい。」
〇〇〇〇〇
「これは、なかなかの代物ですな。」
「結構高かったんだから、大事に使ってよ。」
「分かってるって。」
楓からのプレゼントって聞いて、どんな爆弾が入っているのか怖かったけど、案外普通のものだった。箱入りのボールペンなんて使ったことないや。大事にしよ。
〇〇〇〇〇
「久志、これって。」
「ニット帽。見た感じこれが1番暖かそうだなって。まさか、」
「開けてみて。」
俺は袋を開ける。そこにあったのは黒のニット帽だった。
「被ったね。」
「被ったな。」
ハハッと笑い合う。これだけ色んなものがあるのに、まさか被るとはな。ちょっとびっくりだ。
「なんだ、お前ら被ったのか。」
「ホントだ、ひい君たち被ってる!」
「どんな確率だよ、それ。」
そしてみんな、俺たちのことを見て、
『似合ってるから何も言えねぇけどよ。』
と言う。少し恥ずかしいけど、嬉しい。本当にいいプレゼントを貰ったな。
帰りも樟葉から特急に乗り、枚方市で乗り換える。
「今から、Qの家に行ってクリパか。」
「料理は杏ちゃんが作ってくれるみたい。杏ちゃん料理上手だから本当に楽しみ!」
「そして、お泊まり会して、明日の朝帰ると。」
「まだ、半日も経ってないんだな。」
「楽しいね!」
やがて見慣れた景色になり、俺たちは斜めに傾いた電車から降りた。
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