100 / 732
ハジメテ
そして2学期中間は始まった③
しおりを挟む
そして中間考査初日、これだけ頑張ったからとりあえずは大丈夫だろう。少なくとも俺はいけるが、きいと海南さんが少し心配だ。今日はほぼ寝てないみたいだし、今日の1時間目には1番難しい英語表現がある。これで点数が稼げるかが勝負の分かれ目だ。
「きい、大丈夫か?」
「ふわぁぁぁ。ひい君。ちょっとやりすぎちゃったみたい。めっちゃ眠い。」
そんなに目を真っ赤にしていたら、少し心配になってくるぞ。2年生に上がる意思はあるみたいだし、俺もできる限りのことは全て教えた。本人も問題集を何回も解いたみたいだから、欠点ではないことを願おう。
そして、海南さん。こちらは結構元気そうだ。さっきから桜と熊野さんと問題の出し合いをしている。奏が頑張ったんだな。
「お前ら、席に着け。」
シオちゃんが立ち歩いている生徒に注意しながら入ってくる。
「えーっと、今日から中間考査です。皆さん、欠点を取らないように、不正行為のないように頑張ってください。じゃあ、また後で来ます。」
そう言ってシオちゃんが出ていくと、みんなぞろぞろと移動して、教室のあちこちで喋り始めた。自由になった高校生って何でこんなにうるさいんだろうか。
「久志、自信ある?」
「あったら今から教科書初見じゃねぇよ。」
「あんまり出ないから良くない?」
「一応、ちょっとは出るだろ。」
「そうかな?まあ、お互い頑張ろうね。」
桜は余裕そうだから、少し羨ましい。こんなに楽な気持ちでテストを受けてみたいものだ。教科書の内容をある程度確認して、トイレに向かう。この時間じゃないと戦場になるからだ。
「よう、カレン。テストできそうか?」
「あんましかな。これが全部イタリア語やったらええのに。」
確か、イタリアとのハーフだっけ。英語は苦手なのか?
「今回も満点取れるかな?」
よかった。そういう心配をしてるのか。レベルが違いすぎんな。
教室に戻ると、もう、シオちゃんが帰ってきていた。分厚い問題冊子を6冊ずつ分けている。俺は自分の席に着いて、最後の見直しを始める。
―キーンコーンカーンコーン
いつもと違う時間にチャイムが鳴る。試験開始5分前だ。
「教材と筆箱はカバンの中に直して、カバンのチャックを閉めて。机の中何も入ってないな?準備できたら、シャーペンと消しゴムを置いて前見て。」
指示に従って、片付ける。もう、どれだけ足掻いても遅い。あとは自分の実力を信じるだけだ。問題冊子と回答用のマークシートが配られて、チャイムが鳴った。シャーペンを取って、名前を書き、2学期中間は始まった。
「きい、大丈夫か?」
「ふわぁぁぁ。ひい君。ちょっとやりすぎちゃったみたい。めっちゃ眠い。」
そんなに目を真っ赤にしていたら、少し心配になってくるぞ。2年生に上がる意思はあるみたいだし、俺もできる限りのことは全て教えた。本人も問題集を何回も解いたみたいだから、欠点ではないことを願おう。
そして、海南さん。こちらは結構元気そうだ。さっきから桜と熊野さんと問題の出し合いをしている。奏が頑張ったんだな。
「お前ら、席に着け。」
シオちゃんが立ち歩いている生徒に注意しながら入ってくる。
「えーっと、今日から中間考査です。皆さん、欠点を取らないように、不正行為のないように頑張ってください。じゃあ、また後で来ます。」
そう言ってシオちゃんが出ていくと、みんなぞろぞろと移動して、教室のあちこちで喋り始めた。自由になった高校生って何でこんなにうるさいんだろうか。
「久志、自信ある?」
「あったら今から教科書初見じゃねぇよ。」
「あんまり出ないから良くない?」
「一応、ちょっとは出るだろ。」
「そうかな?まあ、お互い頑張ろうね。」
桜は余裕そうだから、少し羨ましい。こんなに楽な気持ちでテストを受けてみたいものだ。教科書の内容をある程度確認して、トイレに向かう。この時間じゃないと戦場になるからだ。
「よう、カレン。テストできそうか?」
「あんましかな。これが全部イタリア語やったらええのに。」
確か、イタリアとのハーフだっけ。英語は苦手なのか?
「今回も満点取れるかな?」
よかった。そういう心配をしてるのか。レベルが違いすぎんな。
教室に戻ると、もう、シオちゃんが帰ってきていた。分厚い問題冊子を6冊ずつ分けている。俺は自分の席に着いて、最後の見直しを始める。
―キーンコーンカーンコーン
いつもと違う時間にチャイムが鳴る。試験開始5分前だ。
「教材と筆箱はカバンの中に直して、カバンのチャックを閉めて。机の中何も入ってないな?準備できたら、シャーペンと消しゴムを置いて前見て。」
指示に従って、片付ける。もう、どれだけ足掻いても遅い。あとは自分の実力を信じるだけだ。問題冊子と回答用のマークシートが配られて、チャイムが鳴った。シャーペンを取って、名前を書き、2学期中間は始まった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
個性派JK☆勢揃いっ!【完結済み】
M・A・J・O
青春
【第5回&第6回カクヨムWeb小説コンテスト、中間選考突破!】
【第2回ファミ通文庫大賞、中間選考突破!】
庇護欲をそそる人見知りJK、女子力の高い姐御肌JK、ちょっぴりドジな優等生JK……などなど。
様々な個性を持ったJKたちが集う、私立の聖タピオカ女子高等学校。
小高い丘の上に建てられた校舎の中で、JKたちはどう過ごしていくのか。
カトリック系の女子校という秘密の花園(?)で、JKたちの個性が炸裂する!
青春!日常!学園!ガールズコメディー!ここに開幕――ッッ!
☆ ☆ ☆
人見知りコミュ障の美久里は、最高の青春を送ろうと意気込み。
面倒見がいいサバサバした性格の朔良は、あっという間に友だちができ。
背が小さくて頭のいい萌花は、テストをもらった際にちょっとしたドジを踏み。
絵を描くのが得意でマイペースな紫乃は、描き途中の絵を見られるのが恥ずかしいようで。
プロ作家の葉奈は、勉強も運動もだめだめ。
たくさんの恋人がいるあざとい瑠衣は、何やら闇を抱えているらしい。
そんな彼女らの青春は、まだ始まったばかり――
※視点人物がころころ変わる。
※だいたい一話完結。
※サブタイトル後のカッコ内は視点人物。
・表紙絵は秀和様(@Lv9o5)より。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる