上 下
69 / 724
サマバケ

DAY29②

しおりを挟む
※この内容は未成年の飲酒を推奨しているものではありません

※※※※※※※※※※※※※※

「えへへぇ、さくらひゃん、いいにほーい!」
「やめて、きい、アハハハハハ!」
「ちょっとー、あたしだけのけものにするなぁ!」

止めればよかった。私がこの3人を止めれば良かった。

〇〇〇〇〇

1時間前のこと。

「みんなぁ、ウイスキーボンボンと日本酒ボンボンあったよ!」

きいがキッチンから箱を2つ持ってくる。ウイスキーボンボンは少し高級そうな箱に入っていて、日本酒ボンボンは、和歌山のお土産だろうか。机の上にバンと置いて、2つとも開けた。

「みんなの親はお酒強いの?」

一応訊いてみよう。遺伝的なこともあるしね。

「ママは酔ってるのか酔ってないのか分からないけど、パパは強いよ。」

そう答えたのはきい。少しでも父親の血が入ってるのが望みかな?

「私の家は2人とも強いよ!」

楓の家は2人とも強いのか。なるほどこれはいけそうだ。

「私の家は2人ともあんまりかな?まぁ、沖縄旅行でオトーリして最初に潰れたとか言ってただけだけど。」

桜、それ弱くないよ。オトーリに参加してるだけで勇者レベルだよ。

「じゃあ食べよー!」
『いただきまーす!』

〇〇〇〇〇

そして、現在に至る。

 はっきり言って地獄絵図だ。きいは桜に抱きついてるし、桜は笑い転げている。それを見て、楓は除け者にされたと思ったのか、泣きながら2人を押し倒している。私だけがシラフだから、どうにかしないと。

「3人とも、恋バナとかしない?」
『恋バナぁ?』

なんか睨まれている。私のお泊まり会のイメージだったんだけど…

「私はぁ、ずっと久志と一緒に住んでるやん。」

そう話を始めたのは桜。

「久志はぁ、私がぁどれだけ甘えてもぉ、全然顔真っ赤にするとか無いんだけどぉ。なんでぇ!」
「あれ、そういう目的でやってたの?」
「そういうんじゃなくて、からかいたいだけ!」

あー、次のとき、『好きぃー!』とか言っちゃうパターンだ。それで顔真っ赤にして、爆発しちゃうやつ。

「じゃあ、楓はどうなの?」
「私はぁ、あれ?なんにもないや。」
「奏っちとかおるやん、どうなのよ?」
「奏はぁ、仲良くやってるけどぉ。たまにご飯一緒に食べたり、遊んだり、看病して貰ったり。」

付き合っちゃえよ、もう。

「私はぁ、そういうのは無いかなぁ、ひい君ともただの幼馴染ってだけだし。」

このパターンも次のとき、『好きぃー!』だな。次は戦争が怒らないことを祈ろう。

「楓ちゃんはぁ?」
「そうよ!私たちばっかり話させて、ズルいわ!」

確かにそうだね、私はといえば…

「カレンかぁ、夏休み中一緒だったけど、そういう気持ちにはならなかったかな?」
「なんか面白くなーい!」
「ごめんね、面白くなくて。」

日本酒ボンボンを1個つまむ。私的にはこっちの方が美味しいから好きだ。気づけば、3人とも夢と現実を行き来している。

「3人とも、もう寝ちゃって明日早起きしよ!」
『ん~。はぁーい。』

3人とも目を擦りながら洗面所に降りていく。こりゃあ、寝転んだらすぐに寝そうだな。

 お風呂には恋バナの前に入ってるから、布団を敷いて寝るだけ。布団を敷いたら、倒れ込むようにして4人で並んで寝た。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

おっぱい揉む?と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました

星宮 嶺
青春
週間、24hジャンル別ランキング最高1位! ボカロカップ9位ありがとうございました! 高校2年生の太郎の青春が、突然加速する! 片想いの美咲、仲の良い女友達の花子、そして謎めいた生徒会長・東雲。 3人の魅力的な女の子たちに囲まれ、太郎の心は翻弄される! 「おっぱい揉む?」という衝撃的な誘いから始まる、 ドキドキの学園生活。 果たして太郎は、運命の相手を見つけ出せるのか? 笑いあり?涙あり?胸キュン必至?の青春ラブコメ、開幕!

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

処理中です...