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サマバケ
DAY19
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ガチャリ
珍しい音が聞こえる。今は桜も俺も家にいて、杏は合宿に行っているはずなのに、誰だろうか。
「ただいまぁ!」
あっ、この声はまさか!?
「久志、久しぶりだね。だいたい8ヶ月ぶりかしら。元気にしてた?」
「何だよ、母ちゃんかよ。帰る時は連絡してっていつも言ってるやろ。」
「ヘヘヘ。忘れちゃった。ごめんね、ビックリさせて。それでそちらは…」
「あ、あの、久志君にお世話になってます。有田桜です。えと、あの…」
「大丈夫よ、話は久志から聞いてるわ。入学早々災難だったわね。でも、本当にこの家で良かったかしら?」
「は、はい!毎日楽しませて貰ってます。」
「良かったわぁ、本当にそれだけが心配で。あっ久志!これお土産やから、一応冷蔵庫放り込んどいて。」
「相変わらず、息子使いが荒い親だな。おっ、こりゃあ、高いチョコだろ!どんなけ儲かってんねん!」
俺はキッチンに行って冷蔵庫にそれを放り込む。リビングでは、まだ母ちゃんがマシンガントークをしている。
「フランスで料理店開いて成功したのよ。父さんは向こうで仕事してるから帰って来れてないけど、私だけは帰ってきたの。子供の顔ぐらい見とけって言われてね。」
「だからか、毎月毎月45万も振り込んでくれるのは。ありがてぇけどよ、こっちもちゃんと工面してちゃんと生活してるから、あんまり心配しなくていいぞ。」
「親の気持ちよ。ちゃんと受け取りなさい。そういえば1人増えたんだし、もうちょっとプラスしようかしら。」
「やめてくれ。今でも余ってるから。」
「そうなの?ならいいけど。」
と言いながら増やすのは目に見えている。母ちゃんはそういう性格だ。
うちの母ちゃんの名前は由良梓。歳は35歳。出身は確か北海道だったはず。だけど、その訛りはもうなくなっていて、今では立派な関西のおばちゃんだ。父ちゃんの十希と一緒にフランスのモンペリエでフランス料理店を開いていて、渡ってから3年ほど経っている。どうも成功しているらしい。
1泊だけしていくとのことで、久しぶりに母ちゃんの部屋を掃除することにした。日頃は使うことがないから、ホコリがかなり溜まっていて、そこそこ時間がかかる。お昼過ぎになったので、ご飯を作ることに。今日は母ちゃんが腕を振るってくれるらしい。作るのはフランスの国民食である、アッシェパルマンティエをちょっとサボって作るんだと。今、家にある材料でできそうな簡単な料理らしい。知らんけど。本場で料理店を開いていることもあって、準備は慣れている。1時間ほどで出来上がったようで、俺たちを呼び出した。
「おいひい!」
「桜ちゃんにそう言って貰えて嬉しいわ。」
「ありがとうございます、梓さん。」
何か仲良くなっているみたいだし、よかった。
「あんたもこんな生活してていいわね。」
「まぁね、飽きてはこないかも。だって桜はずっとこんな感じだし。」
「青いわぁ。」
そのあと、俺たちのことを根掘り葉掘り聞かれたことは言うまでもないだろう。俺はどっと疲れて、ベットに潜り込んだ。
珍しい音が聞こえる。今は桜も俺も家にいて、杏は合宿に行っているはずなのに、誰だろうか。
「ただいまぁ!」
あっ、この声はまさか!?
「久志、久しぶりだね。だいたい8ヶ月ぶりかしら。元気にしてた?」
「何だよ、母ちゃんかよ。帰る時は連絡してっていつも言ってるやろ。」
「ヘヘヘ。忘れちゃった。ごめんね、ビックリさせて。それでそちらは…」
「あ、あの、久志君にお世話になってます。有田桜です。えと、あの…」
「大丈夫よ、話は久志から聞いてるわ。入学早々災難だったわね。でも、本当にこの家で良かったかしら?」
「は、はい!毎日楽しませて貰ってます。」
「良かったわぁ、本当にそれだけが心配で。あっ久志!これお土産やから、一応冷蔵庫放り込んどいて。」
「相変わらず、息子使いが荒い親だな。おっ、こりゃあ、高いチョコだろ!どんなけ儲かってんねん!」
俺はキッチンに行って冷蔵庫にそれを放り込む。リビングでは、まだ母ちゃんがマシンガントークをしている。
「フランスで料理店開いて成功したのよ。父さんは向こうで仕事してるから帰って来れてないけど、私だけは帰ってきたの。子供の顔ぐらい見とけって言われてね。」
「だからか、毎月毎月45万も振り込んでくれるのは。ありがてぇけどよ、こっちもちゃんと工面してちゃんと生活してるから、あんまり心配しなくていいぞ。」
「親の気持ちよ。ちゃんと受け取りなさい。そういえば1人増えたんだし、もうちょっとプラスしようかしら。」
「やめてくれ。今でも余ってるから。」
「そうなの?ならいいけど。」
と言いながら増やすのは目に見えている。母ちゃんはそういう性格だ。
うちの母ちゃんの名前は由良梓。歳は35歳。出身は確か北海道だったはず。だけど、その訛りはもうなくなっていて、今では立派な関西のおばちゃんだ。父ちゃんの十希と一緒にフランスのモンペリエでフランス料理店を開いていて、渡ってから3年ほど経っている。どうも成功しているらしい。
1泊だけしていくとのことで、久しぶりに母ちゃんの部屋を掃除することにした。日頃は使うことがないから、ホコリがかなり溜まっていて、そこそこ時間がかかる。お昼過ぎになったので、ご飯を作ることに。今日は母ちゃんが腕を振るってくれるらしい。作るのはフランスの国民食である、アッシェパルマンティエをちょっとサボって作るんだと。今、家にある材料でできそうな簡単な料理らしい。知らんけど。本場で料理店を開いていることもあって、準備は慣れている。1時間ほどで出来上がったようで、俺たちを呼び出した。
「おいひい!」
「桜ちゃんにそう言って貰えて嬉しいわ。」
「ありがとうございます、梓さん。」
何か仲良くなっているみたいだし、よかった。
「あんたもこんな生活してていいわね。」
「まぁね、飽きてはこないかも。だって桜はずっとこんな感じだし。」
「青いわぁ。」
そのあと、俺たちのことを根掘り葉掘り聞かれたことは言うまでもないだろう。俺はどっと疲れて、ベットに潜り込んだ。
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