32 / 773
ハジマリ
俺たちは1学期期末②
しおりを挟む
テスト勉強を誰かとするのも悪くはない。しかしだ。
「ねえひい君、ここどうやって解くの?」
バカと一緒にやってたら進まん!こいつと勉強を始めてからかれこれ1時間ほど進むが、問題集がまだ1ページも終わってない!2、3回逃亡を試みたが腕にしがみつかれて、逃げようにも逃げれない。助けてくれ、桜!
「あんた達勉強進んでる?」
「よっしゃあぁぁぁ!」
「何やってんだか。」
やったー!桜が降りてきた!
「勉強終わったのか?」
「キリはついた。」
「俺の言おうとしてることは分かるよな?」
「分からない。分かりたくない。」
「チェンジで!」
「やだ!ったく、何か飲みに来ようと思っただけなのに、ってあれ?久志は?」
「ひい君ならさっきダッシュで階段登って行ったよ。ってことで桜!勉強教えて!」
「はぁ、貸し1ね!」
桜が叫んでいるのが聞こえたが、聞こえていない振りをする。この作業にももう慣れた。いや慣れすぎた。やはり、モブ生活で備わった力はこういう時に発揮されるものだ。
さて、自分の勉強を始めたら、全く眠くならない。時間は1時、2時、3時とみるみるうちに進んでいき、俺は、問題集を終わらせて、テスト用ノートを読み込んで、更には英単語の総復習まで。新聞配達のバイクの音が聞こえて、朝が近いことを知った。俺はベットに潜り込み、浅い眠りについた。
騒がしい目覚ましの音で目覚める。カーテンを開けると、さっきとさほど変わらない太陽の光が差し込んでくる。テストは明日から。今日は一日中自習ばっかだろうから、寝ててもいいや。俺は半袖になったカッターシャツに袖を通して、制服に着替えて、下に降りる。
「おはよ。」
「おはよ。」
きいは朝に帰ったのだろうか。普段と何も変わらない光景。杏が朝ごはんを作り、俺が食器を並べる。桜は洗面台に居座り、10分ほど出てこないのもいつも通り。
「昨日、紀乃姉が来てたんでしょ。夜中までうるさ、騒がしかったし。」
「それどっちも変わらねぇぞ。」
「杏的には別だからOKなの。反抗するなら朝ごはん抜くよ。」
「はいはい違いますねー。」
俺たちは決して仲がいい訳では無い。ただそこにいるから喋る。それだけだ。
「だから寝れてないのか?立派なくまさんぶら提げてるぞ。」
「マジ?頑張って隠したのに。バカ兄、火見といて。」
「はいよ。」
行く直前に弱火にして行ったのによく言うな。まったく、俺の事をどこまで信用していないんだか。
食べ終わったら洗い物を終えて、ギリギリの登校。この時間ならみんなに紛れて教室に入れる。ってみんなって誰のことだろう。俺には友達が少ないから、みんなの範囲が狭いのかな。まあ、そんな哲学的なことは考えなくていいや。そうだな、全授業寝よ。
「ねえひい君、ここどうやって解くの?」
バカと一緒にやってたら進まん!こいつと勉強を始めてからかれこれ1時間ほど進むが、問題集がまだ1ページも終わってない!2、3回逃亡を試みたが腕にしがみつかれて、逃げようにも逃げれない。助けてくれ、桜!
「あんた達勉強進んでる?」
「よっしゃあぁぁぁ!」
「何やってんだか。」
やったー!桜が降りてきた!
「勉強終わったのか?」
「キリはついた。」
「俺の言おうとしてることは分かるよな?」
「分からない。分かりたくない。」
「チェンジで!」
「やだ!ったく、何か飲みに来ようと思っただけなのに、ってあれ?久志は?」
「ひい君ならさっきダッシュで階段登って行ったよ。ってことで桜!勉強教えて!」
「はぁ、貸し1ね!」
桜が叫んでいるのが聞こえたが、聞こえていない振りをする。この作業にももう慣れた。いや慣れすぎた。やはり、モブ生活で備わった力はこういう時に発揮されるものだ。
さて、自分の勉強を始めたら、全く眠くならない。時間は1時、2時、3時とみるみるうちに進んでいき、俺は、問題集を終わらせて、テスト用ノートを読み込んで、更には英単語の総復習まで。新聞配達のバイクの音が聞こえて、朝が近いことを知った。俺はベットに潜り込み、浅い眠りについた。
騒がしい目覚ましの音で目覚める。カーテンを開けると、さっきとさほど変わらない太陽の光が差し込んでくる。テストは明日から。今日は一日中自習ばっかだろうから、寝ててもいいや。俺は半袖になったカッターシャツに袖を通して、制服に着替えて、下に降りる。
「おはよ。」
「おはよ。」
きいは朝に帰ったのだろうか。普段と何も変わらない光景。杏が朝ごはんを作り、俺が食器を並べる。桜は洗面台に居座り、10分ほど出てこないのもいつも通り。
「昨日、紀乃姉が来てたんでしょ。夜中までうるさ、騒がしかったし。」
「それどっちも変わらねぇぞ。」
「杏的には別だからOKなの。反抗するなら朝ごはん抜くよ。」
「はいはい違いますねー。」
俺たちは決して仲がいい訳では無い。ただそこにいるから喋る。それだけだ。
「だから寝れてないのか?立派なくまさんぶら提げてるぞ。」
「マジ?頑張って隠したのに。バカ兄、火見といて。」
「はいよ。」
行く直前に弱火にして行ったのによく言うな。まったく、俺の事をどこまで信用していないんだか。
食べ終わったら洗い物を終えて、ギリギリの登校。この時間ならみんなに紛れて教室に入れる。ってみんなって誰のことだろう。俺には友達が少ないから、みんなの範囲が狭いのかな。まあ、そんな哲学的なことは考えなくていいや。そうだな、全授業寝よ。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
隣の優等生は、デブ活に命を捧げたいっ
椎名 富比路
青春
女子高生の尾村いすゞは、実家が大衆食堂をやっている。
クラスの隣の席の優等生細江《ほそえ》 桃亜《ももあ》が、「デブ活がしたい」と言ってきた。
桃亜は学生の身でありながら、アプリ制作会社で就職前提のバイトをしている。
だが、連日の学業と激務によって、常に腹を減らしていた。
料理の腕を磨くため、いすゞは桃亜に協力をする。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!
佐々木雄太
青春
四月——
新たに高校生になった有村敦也。
二つ隣町の高校に通う事になったのだが、
そこでは、予想外の出来事が起こった。
本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。
長女・唯【ゆい】
次女・里菜【りな】
三女・咲弥【さや】
この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、
高校デビューするはずだった、初日。
敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。
カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
モブが公園で泣いていた少女にハンカチを渡したら、なぜか友達になりました~彼女の可愛いところを知っている男子はこの世で俺だけ~
くまたに
青春
冷姫と呼ばれる美少女と友達になった。
初めての異性の友達と、新しいことに沢山挑戦してみることに。
そんな中彼女が見せる幸せそうに笑う表情を知っている男子は、恐らくモブ一人。
冷姫とモブによる砂糖のように甘い日々は誰にもバレることなく隠し通すことができるのか!
カクヨム・小説家になろうでも記載しています!
百合系サキュバス達に一目惚れされた
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる