32 / 724
ハジマリ
俺たちは1学期期末②
しおりを挟む
テスト勉強を誰かとするのも悪くはない。しかしだ。
「ねえひい君、ここどうやって解くの?」
バカと一緒にやってたら進まん!こいつと勉強を始めてからかれこれ1時間ほど進むが、問題集がまだ1ページも終わってない!2、3回逃亡を試みたが腕にしがみつかれて、逃げようにも逃げれない。助けてくれ、桜!
「あんた達勉強進んでる?」
「よっしゃあぁぁぁ!」
「何やってんだか。」
やったー!桜が降りてきた!
「勉強終わったのか?」
「キリはついた。」
「俺の言おうとしてることは分かるよな?」
「分からない。分かりたくない。」
「チェンジで!」
「やだ!ったく、何か飲みに来ようと思っただけなのに、ってあれ?久志は?」
「ひい君ならさっきダッシュで階段登って行ったよ。ってことで桜!勉強教えて!」
「はぁ、貸し1ね!」
桜が叫んでいるのが聞こえたが、聞こえていない振りをする。この作業にももう慣れた。いや慣れすぎた。やはり、モブ生活で備わった力はこういう時に発揮されるものだ。
さて、自分の勉強を始めたら、全く眠くならない。時間は1時、2時、3時とみるみるうちに進んでいき、俺は、問題集を終わらせて、テスト用ノートを読み込んで、更には英単語の総復習まで。新聞配達のバイクの音が聞こえて、朝が近いことを知った。俺はベットに潜り込み、浅い眠りについた。
騒がしい目覚ましの音で目覚める。カーテンを開けると、さっきとさほど変わらない太陽の光が差し込んでくる。テストは明日から。今日は一日中自習ばっかだろうから、寝ててもいいや。俺は半袖になったカッターシャツに袖を通して、制服に着替えて、下に降りる。
「おはよ。」
「おはよ。」
きいは朝に帰ったのだろうか。普段と何も変わらない光景。杏が朝ごはんを作り、俺が食器を並べる。桜は洗面台に居座り、10分ほど出てこないのもいつも通り。
「昨日、紀乃姉が来てたんでしょ。夜中までうるさ、騒がしかったし。」
「それどっちも変わらねぇぞ。」
「杏的には別だからOKなの。反抗するなら朝ごはん抜くよ。」
「はいはい違いますねー。」
俺たちは決して仲がいい訳では無い。ただそこにいるから喋る。それだけだ。
「だから寝れてないのか?立派なくまさんぶら提げてるぞ。」
「マジ?頑張って隠したのに。バカ兄、火見といて。」
「はいよ。」
行く直前に弱火にして行ったのによく言うな。まったく、俺の事をどこまで信用していないんだか。
食べ終わったら洗い物を終えて、ギリギリの登校。この時間ならみんなに紛れて教室に入れる。ってみんなって誰のことだろう。俺には友達が少ないから、みんなの範囲が狭いのかな。まあ、そんな哲学的なことは考えなくていいや。そうだな、全授業寝よ。
「ねえひい君、ここどうやって解くの?」
バカと一緒にやってたら進まん!こいつと勉強を始めてからかれこれ1時間ほど進むが、問題集がまだ1ページも終わってない!2、3回逃亡を試みたが腕にしがみつかれて、逃げようにも逃げれない。助けてくれ、桜!
「あんた達勉強進んでる?」
「よっしゃあぁぁぁ!」
「何やってんだか。」
やったー!桜が降りてきた!
「勉強終わったのか?」
「キリはついた。」
「俺の言おうとしてることは分かるよな?」
「分からない。分かりたくない。」
「チェンジで!」
「やだ!ったく、何か飲みに来ようと思っただけなのに、ってあれ?久志は?」
「ひい君ならさっきダッシュで階段登って行ったよ。ってことで桜!勉強教えて!」
「はぁ、貸し1ね!」
桜が叫んでいるのが聞こえたが、聞こえていない振りをする。この作業にももう慣れた。いや慣れすぎた。やはり、モブ生活で備わった力はこういう時に発揮されるものだ。
さて、自分の勉強を始めたら、全く眠くならない。時間は1時、2時、3時とみるみるうちに進んでいき、俺は、問題集を終わらせて、テスト用ノートを読み込んで、更には英単語の総復習まで。新聞配達のバイクの音が聞こえて、朝が近いことを知った。俺はベットに潜り込み、浅い眠りについた。
騒がしい目覚ましの音で目覚める。カーテンを開けると、さっきとさほど変わらない太陽の光が差し込んでくる。テストは明日から。今日は一日中自習ばっかだろうから、寝ててもいいや。俺は半袖になったカッターシャツに袖を通して、制服に着替えて、下に降りる。
「おはよ。」
「おはよ。」
きいは朝に帰ったのだろうか。普段と何も変わらない光景。杏が朝ごはんを作り、俺が食器を並べる。桜は洗面台に居座り、10分ほど出てこないのもいつも通り。
「昨日、紀乃姉が来てたんでしょ。夜中までうるさ、騒がしかったし。」
「それどっちも変わらねぇぞ。」
「杏的には別だからOKなの。反抗するなら朝ごはん抜くよ。」
「はいはい違いますねー。」
俺たちは決して仲がいい訳では無い。ただそこにいるから喋る。それだけだ。
「だから寝れてないのか?立派なくまさんぶら提げてるぞ。」
「マジ?頑張って隠したのに。バカ兄、火見といて。」
「はいよ。」
行く直前に弱火にして行ったのによく言うな。まったく、俺の事をどこまで信用していないんだか。
食べ終わったら洗い物を終えて、ギリギリの登校。この時間ならみんなに紛れて教室に入れる。ってみんなって誰のことだろう。俺には友達が少ないから、みんなの範囲が狭いのかな。まあ、そんな哲学的なことは考えなくていいや。そうだな、全授業寝よ。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
おっぱい揉む?と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました
星宮 嶺
青春
週間、24hジャンル別ランキング最高1位!
ボカロカップ9位ありがとうございました!
高校2年生の太郎の青春が、突然加速する!
片想いの美咲、仲の良い女友達の花子、そして謎めいた生徒会長・東雲。
3人の魅力的な女の子たちに囲まれ、太郎の心は翻弄される!
「おっぱい揉む?」という衝撃的な誘いから始まる、
ドキドキの学園生活。
果たして太郎は、運命の相手を見つけ出せるのか?
笑いあり?涙あり?胸キュン必至?の青春ラブコメ、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる