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降参
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しおりを挟む「ちょっ、やめっ!須藤さっ!」
「克也だ」
裕也が告白した日から克也は隙あらば触ってくるようになった。
ドキドキして裕也の身が持たないし辞めてほしい。
「もっ、誰かくるっ!」
「今まで誰も来たこと無いだろう」
「でもっ!」
二つの飾りを舌と指で執拗にイジられ抵抗したいのに力が入らず克也にもたれかかってしまう。
「裕也、腰が揺れてるぞ」
自覚もしない内に快感を追っていた自分が恥ずかしくて一瞬にして顔に熱が集まる。
克也の手が裕也の中心に向かっていく。
その手に期待してしまう自分とこんな所では駄目だという理性が頭の中で戦っているも、軽く触られただけで理性が負ける。
緩く上下に動かされるが望んでるほど快感が得れない。
「うぅ、須藤さっ、」
「んー?言わないと分からない」
「……っ、もっと、して」
「克也。呼ばないとしない」
これまで何度も克也と呼べと言われたが何とも恥ずかしくて言い出せなかったのだ。
裕也にとってどんな小さな望みも口に出すだけで大きな勇気がいる。それを分かっていてわざと言わせようとする。
もっと強く擦ってほしい、イキたい、頭の中にそんな言葉が出てくるのに口には出せなくて目に涙がたまる。
「克也っ!お願いっ…!」
「何?」
「……イかせてっ!!」
「しょうがない」
握られていた手に力が加わり、知られ尽くした裕也の弱い所をイジられ望んでいた以上の快感がくる。
腰が震え白い液体が克也の手に吐き出される。
「気持ちよさそうだったな?」
「……はぁっ、うるさいッ!」
クスクスと楽しそうに笑われてムッとする。
「ここでするなって言ったのに……!!」
「ここで、ね、なら部屋帰るか」
「そういう事じゃないっ!!」
更に笑われてしまい見事に克也の手の平で転がされている。
それにしても克也はよく笑うようになった。
初めてあった頃は嘘っぽい笑顔ばかりだったのに。
克也が思いっきり笑っている時が一番好きだ。裕也をからかって笑っているのもまぁいいか、と許してしまう。
「須藤さん、そろそろ行かないと」
「はぁ…、短すぎる」
不満そうにする克也に自分からキスをする。
普段余裕な態度を崩さない克也が驚いた顔をするのが二番目に好きだ。
「じゃあ、また明日」
予鈴のチャイムがなる時間になり裕也が走り出そうとすると後ろから手を取られ後頭部を掴まれる。
「足りないよな?」
頭を寄せられキスをされる。
抵抗して頭を離そうとするが力が強すぎて離れられない。
文句を言おうと思わず口を開いてしまうとすかさず舌が入ってくる。
は
慣らされたキスに自然と受け入れてしまう。
少しして銀の糸を引いて口が離れると裕也の口の周りについているどちらの物かわからない唾液を克也の親指が拭う。
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