運命の番から逃げたいです 【αとΩの攻防戦】

噂

克也side

裕也が犯されているのを見たとき息が止まった。
自分のものを他人に勝手に使われて壊された感覚。
目の前が真っ赤になった。

今まで人や物に執着したことがなく、ないならないで楽でいいと思っていたのにそんな独占欲みたいな感情が自分にあったことに驚いた。

驚くと同時にああ、自分は裕也の事を独占して自分のものにしたいのかと気がづいた。

それが運命だからなのか裕也だからなのかはまだ分からないが多分両方なのだろう。
運命だから興味を持ち裕也だから自分のものにしたくなったような気がする。

自分がなにかを欲しがるなんてな思ってもみなかった。
今まで欲しがらなくても手の中にあったし、いらないというほど与えられてきた。

嬉しい。心の底からワクワクする。
こんなに気持ちがたかぶるのは物心ついてから初めてだ。
これから裕也をどうやって自分のものにするのかを考えると楽しみすぎる。
必ず身体も心も手に入れて番にしてみせる。

そうと決まれば行動するのみ。
架純へと電話をかける。
「如月裕也についてどんなことも調べろ。分かること全てだ」
『分かりました。3日あれば分かると思います』
「頼んだ」



「後五ヶ月。如月、お前は俺のものだ。絶対手に入れてやる」
その顔は王者らしく自信に身に溢れていた。