運命の番から逃げたいです 【αとΩの攻防戦】

恋人ごっこ

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（須藤side）

如月裕也を、運命というものを見つけた時、卒業までのいい暇つぶしになると思って話しかけに行った。
それだけだったはずなのに。

一緒にいるだけで落ち着くし昼休みの四十分だっていつも一瞬で終わってしまう。
運命がそうさせるのか、それとも如月だからなのか。

さっさとセックスして運命の番と他は違うのか確かめて、飽きたら関わらないようにしようと思っていたのに。
この俺が何もせずに気づいたら一週間だ。

あいつはなんなんだ？
俺に媚びてくることも機嫌をとる事もしないし、むしろ文句ばかりで気づけば俺が機嫌をとっている。
こんな事初めてでどうしたらいいか分からなくて誰か教えてほしい。

「あいつはいつも文句ばかりだしな…嫌われてるのか？」
俺は裕也の笑った顔が見たいのに、一週間いても見せてくれない。
心の壁があるのが分かりやすくて放課後にも会いたいが言い出せない。

こんな事を考えている時点で普通の人は自分は相手の事が気になっている、と分かるが今まで好かれて当たり前で他人に執着した事がない克也には裕也の事を自分がどう思っているのか理解できない。

ただ、どうすることもできない感情を持て余していた。

どうすれば如月の心に近付けるのか克也は考えているが分からない。

とりあえず今のままでは膝の上に乗せるだけで半年が終わってしまうような気がする。
それは嫌だ。
セックスも勿論したいがそれ以上に裕也の事を知って克也のことも知ってもらいたい。
でも仲良くないのに色々と聞くのもどうなんだ。

「クッソ、さっさと俺のことを好きになればいいのに。運命だぞ」
好きになられるのは面倒くさいと思っていたのに逆の事を願っている事に克也は気づかない。

ベットに寝転び考えていたが特にいい案が出てくる訳もなくとりあえず目をつむると気づけば眠っていた。