運命の番から逃げたいです 【αとΩの攻防戦】

円みやび

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沢山の男の声が聞こえる。

「Ωなんだからさっさと股ひらけよ」
「Ωはαを生むこと以外価値あると思ってんのか?」
「良かったな、目立つ容姿で。穴にいれてくれるαには困らないぜ。」

裕也を侮辱しΩを馬鹿にするそのセリフは毎日のように言われ過ぎても何も感じなくなった。

これはいつだったか。
バース判明した頃?中学一年生の終わり頃。
小学生の頃は目立つ顔、ハーフだった事もあり女の子にはモテたし頭も良かったから男子達の勉強を見たりしてクラスの中心にいたように思う。
それがΩだとわかった瞬間、今まで友達だと思ってた奴らから蔑まれ馬鹿にされ、押さえつけられ犯された。

そして親友だと思っていた者から笑いながら
「お前きたねぇな」と言われた時に僕の心は壊れた気がする。

毎日ひどい頭痛と吐き気に襲われご飯もたべれなくなり体重も激減した。

どうにかしたくて色んな武道を習い、上達した三年生の夏休み明けまでの二年間の中学生活は地獄だった。
それから人を信じることが怖くなり、関わることも辞めた。

なぜΩだというだけで、こんな扱いを受けなければならないのか。
好きで生まれた訳じゃないのに。
バースが判明する前と僕は何も変わっていないのに。

今でも僕を押さえつけながら笑うアイツらの顔や声、感触が鮮明に思い出される。

「おえッ、」
夢のせいでまとわりつく気持ち悪さから飛び起きてトイレに駆け込む。
何も食べてないせいで胃液しか出てこないが吐き気は止まらない。

「ハァハァ。も、やだ。なんで?なんで僕ばっかり」
自分を虐めた奴らは今はどこかで呑気に学生生活を送っているのだろう。
また、近くにいるΩを虐めているのかもしれない。

悔しい。
つらい。
これから先もあいつらの呪縛に苦しめられ続ける。

だからもう、二度と人を信じたりしない。
裏切られるのはもう嫌だ。






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