運命の番から逃げたいです 【αとΩの攻防戦】

出会い

3

とりあえず寮の自分の部屋を目指してとぼとぼと歩く。

「あぁ、明日からどうやって過ごそう。僕は目立ちたくないのに…」
αと関わりたくないからαが多いSクラスにならないようにわざと成績を落としてCクラスにいる。

寮の自分の部屋につき、中に入るとブレザーだけ脱いで眼鏡とマスク、ウィッグをとりソファーに寝転ぶ。
このままなにも考えず眠ってしまいたい。
そしていっそ、全部が夢だといってくれないか。もし、バレたらと明日からの事を考えれば憂鬱で全身に力が入らない。

「なにもしたくない……早く寝よう。」
のそのそと動き制服を脱ぎ捨て部屋についてるシャワーを浴びる。
力が入らない中、無理矢理シャワーを浴びたがご飯は食べる気にならず、十八時前というのに電気を消してベットに入る。

祐也は明日からどうやって須藤を避けるか必死で考えるが教室から出ないという策か休み時間は人のいない所に逃げるという誰でも思いつきそうな策しか思いつかない。

それも須藤がクラスごとに1年の教室を回ればクラスは特定されてしまうし、かといって逃げた場所で須藤とばったり会ってしまったら個人特定されてしまう。

「究極の選択だ。」
祐也はCクラスだ。
とりあえず周るとしてもSクラスからかEクラスからか。
真ん中なのがまだ幸いだ。
クラスごとに回りだしたとしたらCクラスにきそうなタイミングの時に上手く抜けるしかない。

この学校はバースを公表するのもしないのも自分で決める事になっているので祐也がΩなのは誰も知らない。
162センチならβでもいるし見た目だけならバレはしない。

「あぁ、神様。どうかバレませんように」
神様なんて信じてはいないが祈らずにはいられない。
祐也は信じてもいない神様に祈りながら眠りについた。


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そう、神様なんていない。

祐也が気づいていないだけで、捕まるまでのカウントダウンはもう始まっている。