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8-1 北畠小夜
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秋の収穫期が終わり、兵糧が国府に収め始められるのを待って、小夜は上洛の檄を陸奥全土に飛ばし、自分は六の宮を戴いた軍勢を率いて白河まで移動した。宗広と行朝もさほど間を置かず、白河まで主力の軍勢を率いて移動してくる。
白河まで移動したのはまずそこを上洛軍の拠点にするためだった。霊山は長く籠るには最適だが、大軍を集めて上洛の準備を整えるには向いていない。
京を回復するために上洛せよ、と言う綸旨は、小夜だけでなく陸奥の武士達にも以前から届いていた。しかし各地の武士達もすぐさま軍勢を出せる状況の者達ばかりではない。ましてや遠征となれば、兵糧の準備だけで今年の暮れまで掛かるだろう。
足利尊氏の動きに応じた二年前の上洛と違い、今度はむしろ奥州軍の出陣で全ての情勢が動き出す事になる。各地の足利軍を引き付けて後醍醐帝が望むような一大決戦を起こせるような朝廷側の核になる戦力は、もう奥州軍しかいないからだ。
奥州軍が動く気配すら見せなければまた別だろうが、ともあれ出陣を無理に急ぐ必要はなく、道中での摘発を少しでも抑えるために、兵糧の準備は出来る限りしたい。
そのまま軍勢を白河から下野に進め、関東への足掛かりになる位置にある小山城を攻めながら、小夜は陸奥各地から集まって来る軍勢を待った。
北陸の新田義貞や関東の新田義興も呼応する構えを見せているが、実際にはどう動くつもりなのかはまだ分からない。ただ、北条時行に関しては内部に入り込んでいる五辻宮の配下の事も含めて、かなり細かい動きが時家から報告が寄せられていた。
ぎりぎりまで奥州軍の上洛に従い、土壇場の所で、帝の意に従って光厳上皇を討つ。あるいは、不意に奥州軍の背後を付いてくる。北条勢がほぼ確実にそう動いてくるだろう、と言うのは時家からの情報で察しが付いた。
時家であれば内部から働き掛けられるのではないか、と思っていたが、それも今の所は難しいらしい。時家からの報告で何よりも伝わってくるのは、北条時行の軍勢が想像以上に異質な存在である、と言う事だった。
小山城は十日ほどで落ちた。上杉憲顕が援軍としてやってきたが、さすがに前回の事で懲りているのか、まともにぶつかり合う事も無くすぐ退いて行った。
そのまま武蔵まで退き、利根川で細川和氏、高重茂と言った有力な武士達と共に軍勢を整え直して防ぐ姿勢に入っている。
斯波家長は、名目上の大将であろう足利義詮と共に、鎌倉に腰を据えて動いていない。
師行が三千の兵を率いて合流して来たのは、小山城が落ちた翌日だった。さらに後続として三千を弟の政長が率いて来ている。
「領地は大丈夫なのか、師行」
「北の方はまた落ち着きましたので。曾我貞光はそれなりに骨のある相手でしたが」
六千はほぼ南部の全兵力だった。北に残っていた足利方の有力勢力である曾我は、しばらく動きが取れない程度には叩いて来たらしい。
南部家の全軍を自分の眼で見るのは久しぶりだった。騎馬の割合が高く、馬の質がいいのは一目で見て取れる。その中でも師行の旗本である五百騎はやはり別格の迫力があった。
「戦の目的は、定まりましたか」
「主上をお止めする。そのために五辻宮をまず討つ」
それだけで意味が分かったように、師行は頷いた。
「騎馬で戦場を駆け巡り、尊氏の首を取る。それで済む戦であれば、どれだけ敵が多くともお主には容易い事であろうな、師行」
「総大将が陸奥守様であるのなら、ですが」
「先の上洛の時は、斯波家長を相手にまやかしのような真似をさせた。次はさらに、おかしな戦をする事になると思う」
「戦のやり方は、戦の目的によって変わる物です。ただ自分の得意とする戦い方に拘るだけでは、勝利しても何も得られない事もあるでしょう」
「助かる、師行」
師行の率いる騎馬隊を全面に押し立て、自分が全軍の指揮を執る。それで破る事が出来ない相手がいるとは小夜にも思えなかった。京で戦った尊氏の麾下すら、師行がいればもっと容易く勝てた、と思えたのだ。
今度の戦に必要とされているのは、そんな戦い方ではない、と言う事も師行は最初から分かっているようだった。
人は誰でも、本当の自分とは別に、自分が頭の中から見ているもう一人の自分を持つ。
だから自分では優れていると思っている部分が、本当は視点を変えれば欠点になってしまっている事もあり、それに気付かないまま自分の優れた部分だけに頼って戦を続けて行くと、最後には取り換えしが付かない事になってしまう。
師行には、自分の頭の中にある自分の強さや優れた部分に目を奪われる、と言う所が無かった。常に冷徹なまでの鋭さで戦と言う物を根元まで見通し、その中で自分が出来る事を何の葛藤も躊躇もなく選び出している。
何度考えてみても得難い武士だった。これほどの武士を従えるに相応しいほどの理想を自分は抱いているのか、と考えた事も一度ではない。
「上洛に際して、二つだけそれがしから申し上げたい事がございます」
小夜が言葉を切ると、師行の側からそう切り出してきた。
「珍しいな、師行。お主から私に何かを言うのは」
「まず一つ。勇人を貸して頂きたい」
「上洛の間、勇人をお主の麾下として使いたいと言う事か?」
「はい。それがしの旗本の半分を指揮させたいと思います」
「半分、とは思い切ったな」
二百五十騎を指揮する事になる。武将と言っていい数だった。
「騎馬隊を分けた時、それがしが満足行くほどに動かせる者が旗本の中におりませぬので」
「勇人ならそれが出来ると?」
「今はまだ。ただこの上洛の戦の中でそれなりには仕上がるでしょう」
小夜も先の関東の転戦で勇人に少数の騎馬の指揮を任せていた。確かに非凡さの片鱗は見える。しかし本人の強さに任せた勢いと鋭さはあっても、動きは粗削りで隙も多く、重要な所を任せるにはまだ早い、と小夜は思っていた。
「分かった。勇人の事は師行に任せる、と決めたのだ。勇人には私から言っておく」
騎馬隊に関しては、自分はやはり師行には及ばない。それに、自分の下に勇人がいるとどうしても最後の所で互いに甘えが出てしまう気がする。そう思い、小夜は頷いておいた。
戦場で勇人と和政は自分の下でならかなり呼吸が合うようになっている。それを考えると少しばかり惜しい気もしたが、勇人は師行の下での方が良く延びるだろう。
師行も静かに頷き返す。
「それで、二つ目は?」
「この上洛に於いては、真なる敵と真なる味方を見誤られませぬように。何を敵とし、何を味方にするかは、最後は陸奥守様がお決めになる事ですが」
そう言われ、小夜ははっとした。自分の心の中にわだかまりのようにしてあった物が氷解して行く気がした。
「斯波家長は」
「戦の目的が武士と公家の争いを超えた所にあるのならば、陸奥守様の味方になり得ます」
「何故、師行にはそれが分かる?」
「戦には、人の性根が最も良く出ます」
どこかで、斯波家長とは分かり合えるのではないか。その考えは斯波家長と最初に向き合った時から、わずかな予感のような物としてずっとあった。
現実には、あらゆる要素がそれを阻んでいた。どうしようもない事だ、と言う諦めを胸の内に押し込み、小夜は斯波家長を敵とし続けていた。
一度目を閉じて全てを忘れ、それから改めて今の情勢全体を見てみれば、小夜が斯波家長と戦う理由は確かに無くなっている。斯波家長が、小夜が思う通りの人間であるならば、だ。
師行は先の上洛の折から長く斯波家長と向き合い続けた結果、小夜よりさらに深い所まであのまだ少年と言ってもいい武士の人間を測ったのかもしれない。
「上洛するに当たって斯波家長と最後はどう向き合うかと言う事は、ずっと私の心の中にわだかまっていた。あるいは手を組めるのではないか、と思いつつも、同時に絵空事のような考えだ、と言う思いもあった。今の師行の言葉で、目が開かれた気がする」
「余計な事であったかもしれません。陸奥守様であれば、この戦で斯波家長と向き合う内に、いずれは同じ答えに至られたでしょう」
「いや、助かる。しかし本当に意外ではあるな。師行が実際の戦場の事以外で、私にここまで物を言うのは」
小夜がそう言うと師行は少し苦い表情を作った。
「どうした?」
「勇人が」
「何?」
「この上洛に関して陸奥守様が痛ましいほどに様々な事を悩んでおられる。勇人が以前、それがしにそう申していたもので」
「そうか。だかららしくもなく言葉を尽くして私に助言をしてくれたか、師行」
笑っては行けない、と思いつつも小夜は吹き出してしまっていた。師行がさらに憮然としたような表情を作る。しかし小夜がそのまま笑い続けていると、やがて師行は諦めたように表情を苦笑気味の穏やかな物へと緩めた。
「勇人は、いずれ師行のようになるか?」
「それがしのようには、なりますまい。別の人間なのですから。あの男はあの男なりの境地に達する事でしょう。生き残れれば、ですが」
笑いを収めて、最後に尋ねた小夜に、師行はそう答えた。益体も無い事を尋ねた、と小夜は思った。
勇人に小夜の麾下ではなく師行の麾下に指揮官として加わるよう伝えると、緊張した顔を作ったが、迷う事無くすぐに受け入れた。
小夜の下であろうと師行の下であろうと勇人の戦いが最後は自分を守るためなのは変わらない。それは勇人との間では今さら確認するまでも無い当然の事だったが、それでも勇人が全く迷わなかった事が小夜は少しだけ不満だった。
白河まで移動したのはまずそこを上洛軍の拠点にするためだった。霊山は長く籠るには最適だが、大軍を集めて上洛の準備を整えるには向いていない。
京を回復するために上洛せよ、と言う綸旨は、小夜だけでなく陸奥の武士達にも以前から届いていた。しかし各地の武士達もすぐさま軍勢を出せる状況の者達ばかりではない。ましてや遠征となれば、兵糧の準備だけで今年の暮れまで掛かるだろう。
足利尊氏の動きに応じた二年前の上洛と違い、今度はむしろ奥州軍の出陣で全ての情勢が動き出す事になる。各地の足利軍を引き付けて後醍醐帝が望むような一大決戦を起こせるような朝廷側の核になる戦力は、もう奥州軍しかいないからだ。
奥州軍が動く気配すら見せなければまた別だろうが、ともあれ出陣を無理に急ぐ必要はなく、道中での摘発を少しでも抑えるために、兵糧の準備は出来る限りしたい。
そのまま軍勢を白河から下野に進め、関東への足掛かりになる位置にある小山城を攻めながら、小夜は陸奥各地から集まって来る軍勢を待った。
北陸の新田義貞や関東の新田義興も呼応する構えを見せているが、実際にはどう動くつもりなのかはまだ分からない。ただ、北条時行に関しては内部に入り込んでいる五辻宮の配下の事も含めて、かなり細かい動きが時家から報告が寄せられていた。
ぎりぎりまで奥州軍の上洛に従い、土壇場の所で、帝の意に従って光厳上皇を討つ。あるいは、不意に奥州軍の背後を付いてくる。北条勢がほぼ確実にそう動いてくるだろう、と言うのは時家からの情報で察しが付いた。
時家であれば内部から働き掛けられるのではないか、と思っていたが、それも今の所は難しいらしい。時家からの報告で何よりも伝わってくるのは、北条時行の軍勢が想像以上に異質な存在である、と言う事だった。
小山城は十日ほどで落ちた。上杉憲顕が援軍としてやってきたが、さすがに前回の事で懲りているのか、まともにぶつかり合う事も無くすぐ退いて行った。
そのまま武蔵まで退き、利根川で細川和氏、高重茂と言った有力な武士達と共に軍勢を整え直して防ぐ姿勢に入っている。
斯波家長は、名目上の大将であろう足利義詮と共に、鎌倉に腰を据えて動いていない。
師行が三千の兵を率いて合流して来たのは、小山城が落ちた翌日だった。さらに後続として三千を弟の政長が率いて来ている。
「領地は大丈夫なのか、師行」
「北の方はまた落ち着きましたので。曾我貞光はそれなりに骨のある相手でしたが」
六千はほぼ南部の全兵力だった。北に残っていた足利方の有力勢力である曾我は、しばらく動きが取れない程度には叩いて来たらしい。
南部家の全軍を自分の眼で見るのは久しぶりだった。騎馬の割合が高く、馬の質がいいのは一目で見て取れる。その中でも師行の旗本である五百騎はやはり別格の迫力があった。
「戦の目的は、定まりましたか」
「主上をお止めする。そのために五辻宮をまず討つ」
それだけで意味が分かったように、師行は頷いた。
「騎馬で戦場を駆け巡り、尊氏の首を取る。それで済む戦であれば、どれだけ敵が多くともお主には容易い事であろうな、師行」
「総大将が陸奥守様であるのなら、ですが」
「先の上洛の時は、斯波家長を相手にまやかしのような真似をさせた。次はさらに、おかしな戦をする事になると思う」
「戦のやり方は、戦の目的によって変わる物です。ただ自分の得意とする戦い方に拘るだけでは、勝利しても何も得られない事もあるでしょう」
「助かる、師行」
師行の率いる騎馬隊を全面に押し立て、自分が全軍の指揮を執る。それで破る事が出来ない相手がいるとは小夜にも思えなかった。京で戦った尊氏の麾下すら、師行がいればもっと容易く勝てた、と思えたのだ。
今度の戦に必要とされているのは、そんな戦い方ではない、と言う事も師行は最初から分かっているようだった。
人は誰でも、本当の自分とは別に、自分が頭の中から見ているもう一人の自分を持つ。
だから自分では優れていると思っている部分が、本当は視点を変えれば欠点になってしまっている事もあり、それに気付かないまま自分の優れた部分だけに頼って戦を続けて行くと、最後には取り換えしが付かない事になってしまう。
師行には、自分の頭の中にある自分の強さや優れた部分に目を奪われる、と言う所が無かった。常に冷徹なまでの鋭さで戦と言う物を根元まで見通し、その中で自分が出来る事を何の葛藤も躊躇もなく選び出している。
何度考えてみても得難い武士だった。これほどの武士を従えるに相応しいほどの理想を自分は抱いているのか、と考えた事も一度ではない。
「上洛に際して、二つだけそれがしから申し上げたい事がございます」
小夜が言葉を切ると、師行の側からそう切り出してきた。
「珍しいな、師行。お主から私に何かを言うのは」
「まず一つ。勇人を貸して頂きたい」
「上洛の間、勇人をお主の麾下として使いたいと言う事か?」
「はい。それがしの旗本の半分を指揮させたいと思います」
「半分、とは思い切ったな」
二百五十騎を指揮する事になる。武将と言っていい数だった。
「騎馬隊を分けた時、それがしが満足行くほどに動かせる者が旗本の中におりませぬので」
「勇人ならそれが出来ると?」
「今はまだ。ただこの上洛の戦の中でそれなりには仕上がるでしょう」
小夜も先の関東の転戦で勇人に少数の騎馬の指揮を任せていた。確かに非凡さの片鱗は見える。しかし本人の強さに任せた勢いと鋭さはあっても、動きは粗削りで隙も多く、重要な所を任せるにはまだ早い、と小夜は思っていた。
「分かった。勇人の事は師行に任せる、と決めたのだ。勇人には私から言っておく」
騎馬隊に関しては、自分はやはり師行には及ばない。それに、自分の下に勇人がいるとどうしても最後の所で互いに甘えが出てしまう気がする。そう思い、小夜は頷いておいた。
戦場で勇人と和政は自分の下でならかなり呼吸が合うようになっている。それを考えると少しばかり惜しい気もしたが、勇人は師行の下での方が良く延びるだろう。
師行も静かに頷き返す。
「それで、二つ目は?」
「この上洛に於いては、真なる敵と真なる味方を見誤られませぬように。何を敵とし、何を味方にするかは、最後は陸奥守様がお決めになる事ですが」
そう言われ、小夜ははっとした。自分の心の中にわだかまりのようにしてあった物が氷解して行く気がした。
「斯波家長は」
「戦の目的が武士と公家の争いを超えた所にあるのならば、陸奥守様の味方になり得ます」
「何故、師行にはそれが分かる?」
「戦には、人の性根が最も良く出ます」
どこかで、斯波家長とは分かり合えるのではないか。その考えは斯波家長と最初に向き合った時から、わずかな予感のような物としてずっとあった。
現実には、あらゆる要素がそれを阻んでいた。どうしようもない事だ、と言う諦めを胸の内に押し込み、小夜は斯波家長を敵とし続けていた。
一度目を閉じて全てを忘れ、それから改めて今の情勢全体を見てみれば、小夜が斯波家長と戦う理由は確かに無くなっている。斯波家長が、小夜が思う通りの人間であるならば、だ。
師行は先の上洛の折から長く斯波家長と向き合い続けた結果、小夜よりさらに深い所まであのまだ少年と言ってもいい武士の人間を測ったのかもしれない。
「上洛するに当たって斯波家長と最後はどう向き合うかと言う事は、ずっと私の心の中にわだかまっていた。あるいは手を組めるのではないか、と思いつつも、同時に絵空事のような考えだ、と言う思いもあった。今の師行の言葉で、目が開かれた気がする」
「余計な事であったかもしれません。陸奥守様であれば、この戦で斯波家長と向き合う内に、いずれは同じ答えに至られたでしょう」
「いや、助かる。しかし本当に意外ではあるな。師行が実際の戦場の事以外で、私にここまで物を言うのは」
小夜がそう言うと師行は少し苦い表情を作った。
「どうした?」
「勇人が」
「何?」
「この上洛に関して陸奥守様が痛ましいほどに様々な事を悩んでおられる。勇人が以前、それがしにそう申していたもので」
「そうか。だかららしくもなく言葉を尽くして私に助言をしてくれたか、師行」
笑っては行けない、と思いつつも小夜は吹き出してしまっていた。師行がさらに憮然としたような表情を作る。しかし小夜がそのまま笑い続けていると、やがて師行は諦めたように表情を苦笑気味の穏やかな物へと緩めた。
「勇人は、いずれ師行のようになるか?」
「それがしのようには、なりますまい。別の人間なのですから。あの男はあの男なりの境地に達する事でしょう。生き残れれば、ですが」
笑いを収めて、最後に尋ねた小夜に、師行はそう答えた。益体も無い事を尋ねた、と小夜は思った。
勇人に小夜の麾下ではなく師行の麾下に指揮官として加わるよう伝えると、緊張した顔を作ったが、迷う事無くすぐに受け入れた。
小夜の下であろうと師行の下であろうと勇人の戦いが最後は自分を守るためなのは変わらない。それは勇人との間では今さら確認するまでも無い当然の事だったが、それでも勇人が全く迷わなかった事が小夜は少しだけ不満だった。
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