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3-9 左近(3)

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「淵辺義博が数人の武士を率いて東光寺に向かって来ている。恐らく、ここで大塔宮を斬るつもりだろう」

「まだ東光寺に忍び込める隙は、俺には見えません」

 しかし助け出すためには、もう時間が無かった。

「これから隙が出来るぞ、東光寺には。恐らくわずかな間だが。それを見逃すな」

 闇の中で影太郎が呟いた。影太郎が率いている者達も、どうやらすでに近くに潜んでいるようだ。
 影太郎は闇の中に消える。左近は、じっと、東光寺の様子を伺っていた。何人かの武士の一団が、東光寺へとやってくる。淵辺義博。足利直義の配下であり、忍び達の指揮もしている武士だった。
 隙が、見えた。そう思った時、左近は部下に合図を出し、闇の中へ進み出していた。
 淵辺義博を迎える東光寺の兵達には、明らかに戸惑いがあった。そしてそれに対する淵辺義博の態度にも、はっきりしない物がある。
 大塔宮を斬る事は、どこまでも内々に済ませてしまわせたいはずだった。自分が何を目的にしてここに来たのかは、味方の武士にも知らせたくないし、出来ればここに来た事自体、知っている武士は少ない方がいい。淵辺義博がそう考えているとすれば、それを出迎える東光寺の武士達の警備には微妙な遠慮が働く。目の前に見えている物を見る事をやめようとするのだ。
 そこに、隙が出来る。出来る、はずだ。
 部下の一人が、塀に取り付いた。同時に、それを見張りの武士の一人が見咎める。しかし、誰何の声はやはり一瞬遅れていた。目の前の人間を自分が止めていい相手なのかどうか、迷っている。
躊躇なく死角から鎖分銅を投げた。分銅は武士のこめかみに違わず命中する。そのまま倒れた武士の喉を左近は短刀で掻き切った。
 殺した相手の事を考えている暇は無かった。そのまま塀に取り付いた部下を踏み台にするようにして跳躍し、塀を越える。続く部下が二人。
 東光寺の守りは堅いが、城や砦では無い。塀を越えれば、大塔宮が捕えられえている土牢まですぐだった。しかし、直進はせず、まずは壁に張り付く。見張り台などが立っている訳でも無く、問題なのは、やはり人だ。塀を越える所を見られていれば、強行するしかなかった。
 壁に張り付いたまま、一瞬だけ心気を済ませて様子を伺う。見張りの火が動く。複数の張り詰めた気配。しかし、こちらに向いた物は無い。無い、はずだ。
 気付かれてはいない。そう判断し、左近は闇から闇を移るように駆け始めた。ほんのわずかな距離。しかし肩の上から圧し掛かるような重圧が、その距離を実際よりも何倍も長く左近に感じさせていた。鎌倉の武士達の数は減っているとはいえ、事が起きれば百を超える兵が瞬く間に東光寺を囲むだろう。しかし、進むしかない。
 影太郎やちあめは、何をしているのか、とは考えなかった。あの二人なら、どんな時でも自分より正しい動き方をする。
 土牢の前。四人の見張り。それぞれが背後を守るようにして見張っていた。淵辺義博は、まだ来ていない。気付かれずに、牢を破れるか、と一瞬考え、しかしその考えをすぐに左近は捨てた。時間は無い。
 左近がそう思い、部下達に襲撃の合図を出そうとした時、四人が一斉に倒れた。声も上げていない。
 何が起きたのか。闇の中、見張り達にも左近にも気付かれないまま、伏せて這い寄っていた者達がいた。口を抑え、引き倒し、喉を切り裂いている。数は四人。一人が一人を、ひと呼吸の間に倒している。影太郎でも、ちあめでもない。しかし、唖然とするほどの手並みだった。
 咄嗟に、身を翻した。五人目。狙われていたのは自分だった。斬り上げて来る。左近は同時に鎖鎌で斬り下げていた。だが、するりと影のように割り込んできた影がいる。
 ちあめが、右手の短刀で左近に向けられた斬撃を受け、左手で左近の鎖鎌を持つ手を掴んでいた。そのままちあめは蹴りを放ち、相手を突き飛ばす。軽い蹴りだった。相手は転がりながら僅かに距離を取り、立ち上がる。やはり知らない忍びだった。恐らく左近とさほど変わらない若い男だ。

「止せ、敵ではない」

 小さく短く、別の方向から声が聞こえた。そちらを見れば、闇に潜んでさらにもう一人、男がいる。こちらはそれなりの歳のようだ。その声に応えるように、ちあめに蹴り飛ばされた男は戸惑いながらもわずかに殺気を緩めた。ちあめの方は、そもそも殺気を出してもいない。

「楠木正成様の手の方々とお見受けする」

 また、闇からの声。声の主が誰かだけは、分かった。影太郎だった。
 河内の悪党、楠木正成。優れた忍び達が多数配下にいるとは聞いていたが、実際に会ったのは初めてだった。確かに、ぞっとするような腕の持ち主が揃っている。

「それがしは陸奥守北畠顕家様配下の影太郎と申す者です」

「名は、存じ上げています」

 楠木勢の頭と思える男が応えた。

「ひとまず、大塔宮にここから安全に抜けて頂くために組みませぬか?」

「承知しました」

 驚くほどにすんなりと、話は決まった。自分が気付いていなかっただけで、影太郎も相手も、互いに他の忍びが動いている事を予想していたのかも知れない。
 その短いやり取りの間に先ほどの四人が土牢を破り、そこから一人の男を連れ出している。三十歳前ぐらいだった。牢にいたにも関わらず小奇麗で、眼光も足取りもしっかりしていた。顔は知らないが、これが大塔宮だろう。

「淵辺義博が配下と共に来ます。この者達が囮になりますので、宮は我らと共に」

 楠木勢の頭が大塔宮にそう呼びかけた。四人の内の一人が上の着物を脱ぎ、着替えるようにと、大塔宮に促している。
 大塔宮は一瞬戸惑ったような顔をした後、しかし四人に一礼しただけで何も言わず上の着物を忍びの物と取り換えた。

「左近、私達は宮と共に正面から門を抜ける。出来得る限り攪乱した後で、斬り合いに入るぞ」

 いつのまにか、影太郎は左近の横にいた。確かに大塔宮では、迅速に塀を越えるのは難しいだろう。しかし、囮を使うとは言え、守りの固められた東光寺を正面から突破出来るのか。
 楠木勢の方は、忍び頭と、自分と斬り合いになった若い忍びの二人だけが大塔宮に付くようだった。自分を入れて、七人。
 四人の忍びは、すでに駆け出して行っている。

「隊列は?」

「無い。誰が倒れようと何としてでも大塔宮に鎌倉より脱出して頂く。全員がそれだけを考えろ。斬り合いの合図は、指笛。離脱の判断は各自」

 そう言われ、左近は思わずちあめを見ていた。一瞬だけ目が合う。しかしちあめは何の反応も見せず、ただそのまま、闇の中に動き始めた。
 狼狽えている、と思われてしまっただろうか。ちあめが、いざと言う時は自分の事を見捨ててでも大塔宮を守ろうとしてくれるか心配になっただけだ、と左近は自分に言い聞かせた。
 それ以上、余計な事を考えている時間は無かった。囮の四人が進んで行った先で、喧騒が聞こえる。
 まずは斬り合うのではなく、攪乱する。牢が破られた。大塔宮に逃げられた。すでに東光寺の外に逃げ出した。いや、まだ外に逃げてはいない。敵の忍びは義博殿の配下の中に紛れ込んでいる。そんな事を出来る限り声色を変え、闇の中を移動しながら叫ぶ。
 そして人の小さな集団の中に紛れ込み、その集団を惑わし、別の方向へと誘う。時には味方を装い、時には自分を追わせ、そして振り切る。それを繰り返し、二、三人ずつ見張りの兵を散らして行く。
 少しずつ、東光寺の闇の中に松明や篝火が増えていく。
 やはり生きた心地のしない時間だった。一つ間違えれば、兵達に囲んで斬られる。
 左近以外も、同じように攪乱しているはずだった。動きそのものは見えないが、喧騒はあちこちで伝わってくる。
 正面に新たな武士の集団を見付け、しかし左近は足を止めた。
 攪乱する隙が無かった。十人ほどの武士が、門への道をしっかり固めている。囮の動きにも喧騒にも惑わされておらず、ただそこを通る者を見逃さないと言う意思がしっかりと見て取れる。
 短く鋭い指笛の音が響いた。影太郎からの合図。その音が耳を打つ前に、左近は武器を抜いていた。
 躊躇している暇は無かった。騒ぎの中でもまとまっている者達がいれば、そこを中心に敵は混乱を立て直してしまうだろう。そうなれば、抜けようが無くなる。
 駆けた。誰何の声も無く、先頭の武士が斬り付けて来る。左近は鎖でその刀を受け止めた。そのまま相手を、後ろに押し返そうとする。
 自分と同じように、一直線にその武士の集団にぶつかる影が他に五つ。直線が半円になって広がり、敵の集団を押して行く。そしてそうして開いた空間を、大塔宮と楠木勢の忍び頭が駆けていく。だが、敵も状況を見て取ったのか、凄まじい勢いでそれを押し返そうとして来た。それも、相当な手練れが揃っている。
 左近が向き合う相手も、手強かった。左近の武器が鎖鎌だと見て取ると、巧みに突きを放ってくる。どうにか、それをかわす。数も、あちらの方が多い。それでもここは強引に、ほんの短い時でも道を開くしかなかった。
 また、突き。かわすために距離を取り過ぎると、大塔宮の方に走られる。ぎりぎりの所でかわそうとする。わき腹に痛みが走った。同時に、部下の一人が斬り倒されていた。部下を倒した武士が、そのまま大塔宮へと斬りかかろうとする。左近は咄嗟にその背中に鎌を投げた。武士がうめき声を上げて姿勢を崩す。鎖を引いて、鎌を引き戻すよりも、正面の武士の攻撃の方が早かった。
 死ぬ。左近がそう思った時、唐突に正面の武士が倒れた。ちあめ。いつのまにか武士達の集団の背後に回り込んでいた。いや、闇の中に消えた後から、ずっと潜んでいたのかも知れない。気付けばいつのまに出来たのか分からない武士の死体が、三つ転がっている。

「ちあめ、俺はいい。あっちを」

 鎖鎌を引き戻し、その鎌で大塔宮の方を指した。しかしちあめは僅かに首を横に振り、左近の背を押す。何を、と言おうとして左近は気付いた。大塔宮達はすでに相当の距離を稼いでいる。土牢の中に長くいたとは思えない健脚だった。ここはもう、時間を稼ぐよりも自分達の血路を開く時と言う事か。大塔宮が東光寺の門を抜けて、それで終わりでも無いのだ。
 二人で駆け出す。他の味方を気に掛けている余裕は無い。後ろからも左右からも、敵が追ってくる気配がはっきりと襲って来ていた。僅かの間に門を固めようと、武士達が集まり始めている。行く手を阻もうとする者を、ちあめは全く足を止めないまま、二人斬り捨てていた。逃げ切れる。そう思った時、不意に足が何かに取られ、左近は転倒した。
 先ほど自分が鎖鎌を投げ付けた武士。倒れたまま左近の足首を掴み、凄まじい形相でこちらを睨みつけている。
 左近がもう片方の足で蹴り付けるよりも早く、その手は手首の辺りから斬り離されていた。左近より前を進んでいたはずだったちあめが、今は倒れた左近の足元にいる。わずかに篝火を受けて、右手に持っている白刃から血が滴り落ちるのが見えた。一瞬の間を開けて、片手を失った武士の絶叫が響く。
 立ち上がった。数名の武士が追い付き、斬り付けて来る。ちあめが左近を庇うようにこちらに背を向け、両手を広げていた。やめろ。声にならなかった。ただ無我夢中でちあめよりさらに前に出ようとする。
 忍びが二人、横合いから敵にぶつかっていた。囮として最初に走った楠木勢の内の二人だった。ちあめは、躊躇なく敵に背を向け、左近の手を掴むとまた前へと駆け出す。走った。
気が付けば、東光寺を抜け、ちあめと共に鎌倉の街の闇の中に紛れていた。騒ぎは伝わって来るが、追手の気配は遠くなっている。
 ちあめは無言で東光寺の方を睨んでいる。まるで猫の様だ、と左近は場違いな事を考えた。

「無事だったか。左近、ちあめ」

 どうやって自分達を見付けたのか、影太郎が声を掛けて来た。外に待機していた部下も合流してくる。
一緒に東光寺に入った二人の部下は、どちらも出て来れなかったようだ。

「楠木勢に救われました」

「休んでいる暇は無いぞ。北条時行の軍がなだれこんでくる。それに乗じて大塔宮に鎌倉を抜けて頂く」

 話ながら、闇に紛れて移動した。楠木の忍び達とも、一見してそれとは分からない程度の距離を保って合流する。まだ共闘を続けると言う事だろう。大塔宮は楠木の忍び達の中でさらに衣を変えている最中だった。

「大塔宮の身は楠木に譲るのですか?」

「大塔宮が、それを望まれた」

 陸奥守とその父である北畠親房、楠木正成、そして大塔宮の四人の間には、たんなる宮方と言うだけでは無い微妙なつながりの気配があった。倒幕の戦の前から親房に仕えている影太郎は、簡単には説明出来ないそのつながりについて知っている事があるのかも知れない。
 ここで大塔宮を巡って争えば共倒れになる。とにもかくにも大塔宮を足利から救い出せたと言う事で納得するしかなかった。後の事は影太郎や陸奥守が考えるだろう。少なくとも楠木正成は陸奥守の敵ではない。
 部下を死なせた、と言う事は忘れる事にした。楠木の忍び達も死んでいるし、彼らがいなければ自分も死んでいたのかも知れないのだ。

「わき腹の傷、深くは無いようだが血は止めて行け」

 影太郎にそう言われ、左近は傷の痛みを思い出した。衣が赤黒く染まっている。ちあめが急に狼狽えたように左近の方を向き、慌てて傷を見ようとする。左近が傷を負っている事に、今まで気付いていなかったらしい。

「大丈夫だよ、ちあめ。これぐらいなら自分で血止めできる」

 ちあめでも気を回し損ねる事があるのか、と左近は少しほっとする気分になった。ちあめの強さを間近で見ると、いつも彼女が人間では無いような気がしてしまうのだ。
 不意にちあめが左近を手当てする手を止めた。尋常でない様子で周囲の闇を見回し、伺っている。おい、と声を掛けようとした所で、左近は影太郎も表情を厳しい物にし、闇に眼を凝らしているのに気付いた。
 楠木の忍び頭が近付いて来る。

「囲まれておりますな。それも忍びに」

 そう呟く声は平静を保っていたが、肌が泡立つような緊張がこちらにも伝わって来た。

「そのようです。鎌倉にいる足利方の忍びは全て把握しているつもりでしたが」

 答える影太郎も、やはり張り詰めている。影太郎の言葉にあちらも頷いた。
 会話を聞きながら左近は必死に気配を探っていた。分からない。ただ、闇の中でかすかに聞こえる音がする。それは錫杖が響く音で、次第に、数が増えて行く。
 ちあめが獣のような目で周囲を睨み続けている。
 人の姿が見えた。編み笠を被り、片手に錫杖を持った僧形だ。それが四方に四人。しかし実際の数はもっといるだろう。
 影太郎の放つ気配が緊張からわずかに別の物に変わった。気を緩めている、と言うのではない。何か畏れのような物が肌を通して左近にも伝わってくる。

「彼らか」

 大塔宮が口を開いた。口調にはどこか諦めのような物が混ざっている。何者なのか。影太郎には相手の正体の察しが付いているようだ。

「大塔宮をお渡し頂きたい」

 闇の中から声が響いた。叫んでいる様子は無いが、遠くまで良く通る声だ。四方の内どこから聞こえているのかは良く分からない。

「大塔宮、ご決断を」

 楠木の忍び頭が大塔宮を見た。声には畏れと、焦燥と、それらを振り払うような決意が混ざっている。

「大塔宮のご命令であれば、我らは彼らが相手であっても戦い、この場から御身をお救い致します」

「我らも、また」

 ほんの一瞬、あるかなきかの間を開けて影太郎も言葉を続けた。

「お前達の主をも巻き込む事になるぞ」

「我が主がこの場にいても同じ事を言うでしょう」

 影太郎も黙って頷いた。何故ここに来て大塔宮の意思を確かめようとするのか、左近には分からなかった。

「感謝する。だが、あの二人を今以上苦難の道に歩ませる決断をする事は私には耐え難い」

「大塔宮」

「私の浅慮のために今まで多くの者を犠牲にしてきた。今もまた、お前達の仲間が死んだ。それでも最後まで諦めぬ事が私の務めだと思っていた。だが、これ以上は耐えられぬ。どうあっても護良はここで死ねと言うのがあの御方の意思であるらしい」

「例え、あの御方の意思であっても、我らは」

 今度は、影太郎が堪え切れぬように言った。

「良い。それ以上は良いのだ。お前達の主にも、礼を言っておいてくれ。これまでの私への数々の好意と配慮、心より感謝する、と」

 それ以上は影太郎も楠木の忍び頭も何も言わなかった。大塔宮は一人で闇の中を歩きだし、進んで行く。闇に消えようとする大塔宮を止めようとする者は、誰もいない。
 周囲からしていた錫杖の音が消えた。ちあめが警戒を解く。

「行くぞ。もう楠木の忍び達と手を組む理由もない。後は各自でここを抜けるだけだ」

 わずかの沈黙の後、何かを振り払うように影太郎が言った。

「何だったのです、あれは」

 思わず聞いていた。

「知らなくても良い事だ」

「俺の配下も、楠木の忍び達も、大塔宮をお救いするために死んだのですよ。それが何故、戦う事もせず」

 影太郎はいきなり左近の胸倉をつかんで来た。影太郎がここまで感情的になるのは初めての事だ。瞳が、怒りと無念に燃えている。

「全て分かっている。それでもどうにもならない事だ」

 首を振りながら影太郎は静かに言った。しかし静かな声にも、やり切れない感情がこもっている。そして噛み締めた唇から血が滲んでいた。
 それ以上は、何も聞けなかった。気付けば楠木の忍び達も引き上げ始めている。

「急げ。まだ鎌倉の中にいるのだぞ。ここから抜ける事も楽な事ではない」

 そう言うと影太郎は闇の中に姿を消した。
 ちあめが、再び左近の傷の手当てを始めていた。
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