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冥府にGO!!
閑話 ビア帝国の婚約破棄
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ビア帝国皇帝城ダンスホール。
その大ホールにて祝宴が開かれる事になった。
ビア帝国貴族達が集まり談笑をしている。
「スパイシー公爵令嬢!!」
一人の若い男が大声を挙げて一人の女性に詰め寄る。
傍らには女性を連れていた。
彼の名はキルロット・マドラー。
マドラー侯爵家の長男であり跡取りである。
「お前との婚約を破棄する!!」
「貴方は馬鹿ですか!? この祝いの席で言う事ですか!?」
オレンジ・スパイシー公爵令嬢は絶叫に似た声で指摘する。
「何を言うか!! そもそも」
「婦女子達は眼を閉じよ!! そして離れよ!!」
祝宴に参加している貴族が皆に呼びかける。
慣れた手つきで皆移動する。
「え、 お、 おい・・・」
「スパイシー公爵令嬢も此方へ!!」
「分かりました」
「待て、 話はまだ終わってないぞ!!」
「これ以上関わりたくない」
「何を言っている!?」
「マドラーの若造は何を言っているのだ?」
「最近は婚約破棄が無かったから・・・」
「あぁ、 そうか・・・」
ひそひそと周囲が喋っている。
「何の事だ!?」
「何の騒ぎだ?」
つかつかとフライがやって来た。
「陛下!! 私はスパイシー公爵令嬢と婚約破棄をします!!」
「祝宴の場で言う事かね?
君が私が開く祝宴で婚約破棄を勝手に行える程偉いとは知らなかったがな」
「いえ、 これは」
「あぁ、 言い訳は良いよ、 さてと、 この娘は?」
キルロットの傍の少女を見る。
「彼女はマーガレット、 素晴らしい女性です」
「何処のマーガレットさん?」
「何処の?」
「何処の家の人?」
「平民です」
「よし、 じゃあちょっと彼女は連れて行こう」
マジックハンドでマーガレットを摘まみ上げられ連れていかれる。
「ちょっと陛下!?」
「さてと、 祝宴に騒ぎを持ち込んだんだから君には死んで貰うけども遺言は?」
「え?」
「末期の言葉が『え?』で良いのか?」
「いや・・・え?」
「じゃあそれで行こうか、 じゃあ死のうか」
「・・・え?」
マジックハンドでべちゃり、 と叩き潰されるキルロット。
即座に掃除用具を持ったメイド達は掃除を行いキルロットが居た痕跡は完璧に消えた。
「さてと、 改めて諸君、 ごきげんよう
今日は諸君らに良い報せがある」
何事も無かったかのようにフライは祝宴を始めたのだった。
その大ホールにて祝宴が開かれる事になった。
ビア帝国貴族達が集まり談笑をしている。
「スパイシー公爵令嬢!!」
一人の若い男が大声を挙げて一人の女性に詰め寄る。
傍らには女性を連れていた。
彼の名はキルロット・マドラー。
マドラー侯爵家の長男であり跡取りである。
「お前との婚約を破棄する!!」
「貴方は馬鹿ですか!? この祝いの席で言う事ですか!?」
オレンジ・スパイシー公爵令嬢は絶叫に似た声で指摘する。
「何を言うか!! そもそも」
「婦女子達は眼を閉じよ!! そして離れよ!!」
祝宴に参加している貴族が皆に呼びかける。
慣れた手つきで皆移動する。
「え、 お、 おい・・・」
「スパイシー公爵令嬢も此方へ!!」
「分かりました」
「待て、 話はまだ終わってないぞ!!」
「これ以上関わりたくない」
「何を言っている!?」
「マドラーの若造は何を言っているのだ?」
「最近は婚約破棄が無かったから・・・」
「あぁ、 そうか・・・」
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「何の騒ぎだ?」
つかつかとフライがやって来た。
「陛下!! 私はスパイシー公爵令嬢と婚約破棄をします!!」
「祝宴の場で言う事かね?
君が私が開く祝宴で婚約破棄を勝手に行える程偉いとは知らなかったがな」
「いえ、 これは」
「あぁ、 言い訳は良いよ、 さてと、 この娘は?」
キルロットの傍の少女を見る。
「彼女はマーガレット、 素晴らしい女性です」
「何処のマーガレットさん?」
「何処の?」
「何処の家の人?」
「平民です」
「よし、 じゃあちょっと彼女は連れて行こう」
マジックハンドでマーガレットを摘まみ上げられ連れていかれる。
「ちょっと陛下!?」
「さてと、 祝宴に騒ぎを持ち込んだんだから君には死んで貰うけども遺言は?」
「え?」
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「いや・・・え?」
「じゃあそれで行こうか、 じゃあ死のうか」
「・・・え?」
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即座に掃除用具を持ったメイド達は掃除を行いキルロットが居た痕跡は完璧に消えた。
「さてと、 改めて諸君、 ごきげんよう
今日は諸君らに良い報せがある」
何事も無かったかのようにフライは祝宴を始めたのだった。
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