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冥府にGO!!

騎士と少女(ウィノside)

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ウィノは屋敷を歩いていた。
ウィノの眼には極彩色に溢れた空間である。
ウィノの認識力は既に人間のそれを超えているのだ。
ウィノの耳には助けを求める声が聞こえている。

「・・・・・」

ウィノが歩くとそこには大きな期待感が有った。
ウィノは昔、 自分も父に期待されていた事を思い出した。
重苦しいと思った事も有った、 それをアスパルに利用されていたのか。
アスパルは一体何だ? 明らかに違和感が有った・・・いや、 今はそれは如何でも良い。
現状この巨大な期待は何なのか、 そして助けを呼ぶ声はここから聞こえる。
期待の中に足を踏み入れる。

『皇帝を殺せ』『帝国を壊せ』『正義を成せ』『仇を討て』『希望と成れ』
『皇帝を殺せ』『帝国を壊せ』『正義を成せ』『仇を討て』『希望と成れ』
『皇帝を殺せ』『帝国を壊せ』『正義を成せ』『仇を討て』『希望と成れ』
『皇帝を殺せ』『帝国を壊せ』『正義を成せ』『仇を討て』『希望と成れ』
『皇帝を殺せ』『帝国を壊せ』『正義を成せ』『仇を討て』『希望と成れ』

期待はまるで呪詛の様だった。
重すぎる期待は子を潰すと言うのだろうか。
何れにせよ、 子供にとって辛い事だろう。

先に進むウィノ。
そこには泣いている少女が居た。

「助けに来たよ」

ウィノが少女の手を取る。

「・・・・・!?」

少女が驚く。

「あ、 貴方は?」
「ウィノ、 ただの騎士くずれだよ、 君は?」
「わ、 私は誰でもないの・・・ただここで私はずっと閉じ込められて・・・
良く知らない人を殺す様にずっと言われてきたの・・・
私はそんな事したくないのに・・・」
「可哀想に、 外に出ようか」
「出ても良いの?」
「こんな所に子供を置いては行けないよ」

少女を御姫様抱っこするウィノ。

「行かせない・・・」
「ひっ!!」

ウィノ達の背後に現れるシアン。
その顔は憎悪に染まっていた。

「その子は私達の希望・・・ここで連れて行かせる訳にはいかない・・・」

ウィノはスタスタと去って行った。

「ちょっと? 聞いてる?」

ウィノはさっさと歩き始める。

「待て、 待てって!! 無視するな!!」

ウィノは期待の中を抜けた。

「おい!! ちょっと!! 待て!! せめて・・・せめて会話をしろおおおおおおおおおおおお!!!」

シアンは絶叫した。

「・・・・・お母さん・・・」
「気にする必要は無いよ、 君の声をずっと無視して閉じ込めてたんだ
無視されても文句は言えないよ」
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