【更新休止】婚約破棄された令嬢の激辛料理経営禄

Mr.後困る

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冥府にGO!!

キナァコの気遣い(ウル&スノーside)

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魔術師団の詰め所にて誘拐未遂犯達と顔合わせをするウルとスノー。
犯人達を興奮させない様にのぞき穴で隣室から見る。

「如何です? 知り合いですか?」

魔術師に尋ねられる。

「いえ、 全く知りませんが・・・」
「そうですか、 彼等は危険なカルト集団の一味だったらしく
貴方達を誘拐してどうたらこうたらと意味不明な事を言っています
何処かで会った事は?」
「いえ、 無いですね」
「道ですれ違ったとか」
「私達は観光客ですし・・・」

がちゃり、 と部屋が空く。
丸顔のやや小太りの魔法使いが現れた。

「どうもどうも、 ストロング公爵令息、 ボル司教子息御足労頂きありがとうございます
私はこの街の警備の責任者を任されていますキナァコと言います、 今後ともよろしく」

頭を下げるキナァコ。

「ど、 どうも」

ウルとスノーも頭を下げる。

「君は下がりなさい」
「は、 はい」

魔術師は下がった。

「御足労頂きすみませんね、 本当に」
「いえいえ、 大丈夫ですよ」
「立ち話も何ですし、 どうぞ座って下さい」

ウルとスノーは首を傾げた。

「話? あの・・・容疑者は既に見て確認しましたけども・・・」
「えぇ、 それは分かっています、 しかしながらねぇ
私はここの責任者なのでねぇ
何か問題が有ってからじゃあ遅いんですよ」
「・・・どういう事だ?」

スノーが不機嫌そうに尋ねる。

「まさかアンタ、 我々があのカルト集団とやらの仲間とでも?」
「あ!! いえいえ!! 違いますよぉ!!」

キナァコが慌てて立ち上がる。

「あの連中は貴方達を誘拐しようとしているんですよ!!
明確に貴方達の身分を知った上で何かしようとしているのです!!」
「何か? 何かとは一体・・・」
「そこで貴方方にお願いがありまして!!」

キナァコはスノーの質問をスルーして神妙な顔をする。

「この街でカラメル王国の貴族の方が誘拐されると私がフライさん
じゃなかった皇帝陛下に怒られますのでカラメル王国に帰国なさっていただけませんか?
ツアーの途中での帰国ですのでツアー代金は我々が持ちます
勿論帰国の手続きや送迎もこちらで手配致します
そしてお気持ちですがお納めください・・・」

金貨の小さい袋を差し出すキナァコ。

「どうか、 何卒・・・」
「・・・良いんじゃないんですか?」

スノーを見るウル。

「聊か話が出来過ぎている気がする、 キナァコさん、 貴方何が目的ですか?」
「無事に問題無く定年退職して得られる退職金と年金です!!」
「・・・ちゃちぃ」
「五体満足で億単位の金と不労所得で年収千万単位の金はちゃちくない!!
全力で守り抜く!!」

キナァコの目には強い意志を感じられる。
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