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悪役令嬢の私がモテモテな件について

閑話 ADの憂鬱

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亜人圏中心部。
そこは建て増しに建て増しを重ねて
一つの建物が街程の大きさになっている建物が立ち並んでいるメガシティと言って良い場所である。
亜人の最高権力者である八王の一人も大体はこの街に居る。

「・・・・・・・はぁ・・・・」

紙袋越しでも分かる程落ち込みながらとぼとぼと馬に乗って進むAD
ADはマクスウェルの所に急いでやって来てラビーの要望を伝えた。
マクスウェルは『人間圏への帰還ならば人間と裏取引している麻薬王の管轄だから
麻薬王に頼んで来い、 流石に悪い様にならないだろう』とたらいまわしにされた。

「・・・・・・・・・・・・はぁ」

当然ながら麻薬王も御近所さんなので行くのは簡単だが本当に憂鬱である。
読者諸賢も『麻薬王の所にお使い行って来てー』と言われたらこんな感じになるだろう。
私だってそうなる、 と言うか拒否する、 全力で逃げる。
そうこうしている内に麻薬王の住んでいる建物にやって来たAD。
見張りに言づける。

「マクスウェルさんの使いだ、 麻薬王に取り次いでくれ」
「了解っすー」

暫く待つと中から別の手下が現れ応接間に通される。
お茶が出されたが麻薬王の所で出された物なんて飲める訳が無い。
一時間ほど待つと麻薬王がやって来た。
頭は薬品の様な液体が入ったフラスコで白衣を着ていた。

「やぁやぁやぁ、 AD君、 よく来たね」
「お久しぶりです」
「早速だけど、 俺は多忙なんだ、 さっさと用件を行ってくれ」
「赤い森に来た人間数名を人間圏に戻して貰いたい」
「何でマクスウェルがそんな事を?」
「マクスウェルさんが恩を売りたい人が居る人の頼みです」
「そうか、 まぁ良いさ」

麻薬王とメディア王はビジネス的な繋がりが有る為、 そう邪見にはされなかった。

「手下に伝えるよ、 後日マクスウェルの所に使いが来る」
「ありがとうございます」
「良いって良いって、 じゃあな」

スタスタと麻薬王は去って行った。

「ふぅ、 何とかなった・・・」

ほっと一息吐くADだった。
手下に案内されて建物から出てマクスウェルに報告に戻るAD。

「あれ、 馬は?」
「馬は狼が連れて行って食べちゃいました」
「・・・・・」

手下の言葉を信じる訳では無いが証拠が無い以上どうしようもないので
とぼとぼと歩いて帰るADだった。
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