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古代でぶ妖精文明遺跡の謎
閑話 ゼロと巾木の会談
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ラビーの実父、 ゼロ・ストロングは自宅で頭を抱えていた。
次々と増えるラビーを救いたいと集まる貴族達。
その貴族達の対応を如何するのか。
王家に追放されて恩を売っただから動かない。
それが最初の考えだった。
しかしラビーを救いたいと言う貴族達の数は膨らみ続け
今や国中の貴族の3分の1になっている。
こうなってしまえばラビーを救出した方が得になるのだろうか?
いやこんな大派閥を作ればかなり問題に・・・
何より反王家の旗印になりかかっているし、 かなり困惑している。
「御当主様・・・森羅共和国の巾木議員一行がお見えです」
「はぁ!? 遂に外国からもだと!? くっ・・・・・」
重い足取りで応接間に向かうゼロ。
応接間では巾木が立っていた。
脇には円以外の傭兵部隊【雷馬】一行も待機していた。
円は屋敷に入る事を遠慮した。
「遠路遥々カラメル王国へようこそ、 私がゼロ・ストロングです」
「森羅共和国の巾木です、 先触れも出さずに申し訳ありません
何分、 急を要する事態でして」
「いえいえ、 遠慮なさらずに・・・それで如何言った御用件で・・・」
「色々聞きたい事が有りまして・・・」
「聞きたい事? ですか?」
てっきりラビー救出の事について言われると思って面食らうゼロ。
「貴方の御息女の事です」
「あぁ・・・」
がっかりするゼロ。
「貴方の派閥が赤い森の前で待機しています
何故赤い森に入ってラビー嬢を助ける様に指示しないんですか?」
「・・・・・」
ゼロは少し言い訳を考えてから言葉を紡いだ。
「・・・現実を見ましょう、 我が娘が如何に武勲を挙げていたとしても
赤い森で生きて居られると思わない・・・彼等を止めるのが精一杯なのです」
「所詮は森、 あれだけの数ならば突破出来ると思いますが?」
「可能性で彼等の命は賭けられないでしょう」
「ラビー嬢も命を賭けて戦い我々を救ったのです
次は我々が命を賭ける番でしょう」
「いや・・・しかし・・・」
「あぁ、 もうまどろっこしい!!」
雷が会話に割って入った。
「自分の娘が死地に行ってるんだぜ!?
それだったら命を捨ててでも助けに行くのが親ってもんじゃないのか!?」
「雷、 気持ちは分かるが落ちつけ・・・」
巾木が雷を諫める。
「・・・ならばラビーを助けに行ったとしましょう
そしてラビーを助け出した場合、 王家からの不評は免れません」
「ならばそうですな・・・すまない、 ちょっと出てくれ」
「? 分かった・・・」
雷馬一行が部屋から出た。
「ストロング家の・・・何でしょうか
文書を示すハンコか何か有りますか?」
「?・・・一応持っている」
懐からハンコを出して
巾木の言葉に困惑しながら答えるゼロ。
「それでラビー嬢を助ける様に命令する書状を書いて下さい
いや、 文面は私が書きましょう、 印だけ貰えますか?」
「そんな事をしても不評は買うでしょう」
「いや、 ハンコは盗まれたとか言って処分して下さい」
「なっ・・・」
絶句するゼロ。
「我々が貴方の家からハンコを盗み出して勝手にラビーを助ける為に
彼等を動かした事にすれば良い」
「そこまで我が娘を・・・」
この申し出はゼロにとってまさに渡りに船、 喜んで協力したのだった。
「まさか印をこうやって悪用する事になるとは・・・」
「咎は全て私が負います、 貴方は安心して下さい」
「分かった・・・」
次々と増えるラビーを救いたいと集まる貴族達。
その貴族達の対応を如何するのか。
王家に追放されて恩を売っただから動かない。
それが最初の考えだった。
しかしラビーを救いたいと言う貴族達の数は膨らみ続け
今や国中の貴族の3分の1になっている。
こうなってしまえばラビーを救出した方が得になるのだろうか?
いやこんな大派閥を作ればかなり問題に・・・
何より反王家の旗印になりかかっているし、 かなり困惑している。
「御当主様・・・森羅共和国の巾木議員一行がお見えです」
「はぁ!? 遂に外国からもだと!? くっ・・・・・」
重い足取りで応接間に向かうゼロ。
応接間では巾木が立っていた。
脇には円以外の傭兵部隊【雷馬】一行も待機していた。
円は屋敷に入る事を遠慮した。
「遠路遥々カラメル王国へようこそ、 私がゼロ・ストロングです」
「森羅共和国の巾木です、 先触れも出さずに申し訳ありません
何分、 急を要する事態でして」
「いえいえ、 遠慮なさらずに・・・それで如何言った御用件で・・・」
「色々聞きたい事が有りまして・・・」
「聞きたい事? ですか?」
てっきりラビー救出の事について言われると思って面食らうゼロ。
「貴方の御息女の事です」
「あぁ・・・」
がっかりするゼロ。
「貴方の派閥が赤い森の前で待機しています
何故赤い森に入ってラビー嬢を助ける様に指示しないんですか?」
「・・・・・」
ゼロは少し言い訳を考えてから言葉を紡いだ。
「・・・現実を見ましょう、 我が娘が如何に武勲を挙げていたとしても
赤い森で生きて居られると思わない・・・彼等を止めるのが精一杯なのです」
「所詮は森、 あれだけの数ならば突破出来ると思いますが?」
「可能性で彼等の命は賭けられないでしょう」
「ラビー嬢も命を賭けて戦い我々を救ったのです
次は我々が命を賭ける番でしょう」
「いや・・・しかし・・・」
「あぁ、 もうまどろっこしい!!」
雷が会話に割って入った。
「自分の娘が死地に行ってるんだぜ!?
それだったら命を捨ててでも助けに行くのが親ってもんじゃないのか!?」
「雷、 気持ちは分かるが落ちつけ・・・」
巾木が雷を諫める。
「・・・ならばラビーを助けに行ったとしましょう
そしてラビーを助け出した場合、 王家からの不評は免れません」
「ならばそうですな・・・すまない、 ちょっと出てくれ」
「? 分かった・・・」
雷馬一行が部屋から出た。
「ストロング家の・・・何でしょうか
文書を示すハンコか何か有りますか?」
「?・・・一応持っている」
懐からハンコを出して
巾木の言葉に困惑しながら答えるゼロ。
「それでラビー嬢を助ける様に命令する書状を書いて下さい
いや、 文面は私が書きましょう、 印だけ貰えますか?」
「そんな事をしても不評は買うでしょう」
「いや、 ハンコは盗まれたとか言って処分して下さい」
「なっ・・・」
絶句するゼロ。
「我々が貴方の家からハンコを盗み出して勝手にラビーを助ける為に
彼等を動かした事にすれば良い」
「そこまで我が娘を・・・」
この申し出はゼロにとってまさに渡りに船、 喜んで協力したのだった。
「まさか印をこうやって悪用する事になるとは・・・」
「咎は全て私が負います、 貴方は安心して下さい」
「分かった・・・」
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