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大瀑布で魚を漁ろう
走った先は同じ場所(ウィノside)
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ウィノはカラメル王国学院の中庭で座り込んでいた。
自身の絶縁、 留年。
それらを解決する頼みの綱であった
サンライズの留年発覚で目の前が真っ暗になっている。
最早サンライズに権力が有るのかすら怪しい。
「如何したら良いんだ・・・」
頭を抱えるウィノ。
私物を全部売れば学費の足しになるだろう
そしてローンを組んで真面目に勉学に励めば卒業は出来るだろう。
学費には食事付きの寮の家賃も含まれている。
卒業出来れば問題は無い。
「如何すれば・・・」
「あれ? アーモンド君じゃないか」
声をかけて来たのは三留していた男爵令息のポテト・クリスプ。
「如何したね? 君も留年か?」
「君もと言う事は・・・貴方も?」
「四留目に突入だ」
はっはっはと笑うクリスプ。
「笑い事じゃないでしょう」
「いやいや、 今年は状況が悪いからな
深海戦争での景気悪化がまだ尾を引いている
このままでは就職が難しくなるだろう
俺は次男坊だから文官にでも就職しないといけないんだ」
「・・・・・」
ウィノは知って居る、 こんな事を言って
クリスプは社会人になる事を面倒だからと留年で回避しているのだ。
彼が学生の身分で賭博に明け暮れている事は公然の事実である。
「学費を払ってくれる親に悪いと思わないんですか?」
「君も・・・アスパルちゃんだっけ?
彼女を追いかけ回して授業出ていないじゃないか
君こそ学費を払ってくれる親に悪いと思わないのか?」
「っ!!」
立ち上がるウィノ。
「俺はアンタとは違う!!」
「そーかい、 じゃあな」
クリスプは手をひらひらさせながら去って行った。
「やっぱり留年するのは駄目だ!!
あんな屑と同じ留年生として見られるのは耐えられない!!
何としてでも絶縁を取り消させなければ・・・いや、 待てよ・・・」
ウィノの脳裏に一つのアイデアが閃いた。
自身の父親であるメイジ・アーモンドも元を質せば下級貴族。
しかし功績を上げて騎士団長となり立派な家名を貰った。
ならば自身も功績を上げて新しい家を立ち上げれば良いのではないか?
パッと思いつくのは留年した上に国を出たサンライズの捕獲だろうか。
「こ、 こうしてはいられない!! 直ぐに私物を売って軍資金にしないと!!」
そう言って寮に走り出したウィノであった。
「なんだアイツ?」
クリスプは走り出すウィノを見て怪訝に思う。
「クリスプ先輩ー、 御疲れ様ですー」
「先輩は止せよ、 今日から同学年だぜー?」
「そうですねー」
クリスプが後輩と談笑する。
「あ、 そうだ、 賭場に新しいディーラーが入ったんですよ
結構ちょろい奴でちょっと大金賭けるとテンパッてヘマする奴」
「マジか!! カモれるじゃんか!! 軍資金作って行こうぜ!!」
「お金のあては有るんです?」
「あー、 シルバーアクセでも売ればよゆーだろ
待ってろ、 質屋に行って来る!!」
そう言って寮に走り出したクリスプであった。
自身の絶縁、 留年。
それらを解決する頼みの綱であった
サンライズの留年発覚で目の前が真っ暗になっている。
最早サンライズに権力が有るのかすら怪しい。
「如何したら良いんだ・・・」
頭を抱えるウィノ。
私物を全部売れば学費の足しになるだろう
そしてローンを組んで真面目に勉学に励めば卒業は出来るだろう。
学費には食事付きの寮の家賃も含まれている。
卒業出来れば問題は無い。
「如何すれば・・・」
「あれ? アーモンド君じゃないか」
声をかけて来たのは三留していた男爵令息のポテト・クリスプ。
「如何したね? 君も留年か?」
「君もと言う事は・・・貴方も?」
「四留目に突入だ」
はっはっはと笑うクリスプ。
「笑い事じゃないでしょう」
「いやいや、 今年は状況が悪いからな
深海戦争での景気悪化がまだ尾を引いている
このままでは就職が難しくなるだろう
俺は次男坊だから文官にでも就職しないといけないんだ」
「・・・・・」
ウィノは知って居る、 こんな事を言って
クリスプは社会人になる事を面倒だからと留年で回避しているのだ。
彼が学生の身分で賭博に明け暮れている事は公然の事実である。
「学費を払ってくれる親に悪いと思わないんですか?」
「君も・・・アスパルちゃんだっけ?
彼女を追いかけ回して授業出ていないじゃないか
君こそ学費を払ってくれる親に悪いと思わないのか?」
「っ!!」
立ち上がるウィノ。
「俺はアンタとは違う!!」
「そーかい、 じゃあな」
クリスプは手をひらひらさせながら去って行った。
「やっぱり留年するのは駄目だ!!
あんな屑と同じ留年生として見られるのは耐えられない!!
何としてでも絶縁を取り消させなければ・・・いや、 待てよ・・・」
ウィノの脳裏に一つのアイデアが閃いた。
自身の父親であるメイジ・アーモンドも元を質せば下級貴族。
しかし功績を上げて騎士団長となり立派な家名を貰った。
ならば自身も功績を上げて新しい家を立ち上げれば良いのではないか?
パッと思いつくのは留年した上に国を出たサンライズの捕獲だろうか。
「こ、 こうしてはいられない!! 直ぐに私物を売って軍資金にしないと!!」
そう言って寮に走り出したウィノであった。
「なんだアイツ?」
クリスプは走り出すウィノを見て怪訝に思う。
「クリスプ先輩ー、 御疲れ様ですー」
「先輩は止せよ、 今日から同学年だぜー?」
「そうですねー」
クリスプが後輩と談笑する。
「あ、 そうだ、 賭場に新しいディーラーが入ったんですよ
結構ちょろい奴でちょっと大金賭けるとテンパッてヘマする奴」
「マジか!! カモれるじゃんか!! 軍資金作って行こうぜ!!」
「お金のあては有るんです?」
「あー、 シルバーアクセでも売ればよゆーだろ
待ってろ、 質屋に行って来る!!」
そう言って寮に走り出したクリスプであった。
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