【更新休止】婚約破棄された令嬢の激辛料理経営禄

レストラン・スコヴィルの客

閑話 でぶ妖精の休日

「にょー、　にょー」
「にょー、　にょー」

むにーと互いをつねり合うでぶ妖精達。

「にょおおおおお、　喧嘩は止めるにょー」
「にょー、　にょー」
「にょー、　にょー」

喧嘩を仲裁するでぶ妖精。

「にょー」「にょー」「にょー」

重なり合うでぶ妖精達、　和解が成立した。
争い合うのは馬鹿らしいのだ。

「今日はお店は休みにょー、　おでぶちゃん達もゆっくりするにょー」
「にょー」

店の中を徘徊して日当たりの良い場所に移動するでぶ妖精達。

「ぽかぽかにょー♪」
「にょー♪」

日向ぼっこである。

「むにゃ・・・ねもねもにょ・・・ｽﾔｧ・・・」
「ｽﾔｧ・・・」

次々と眠りに落ちるでぶ妖精達。

「さっき起きたばっかりなにょにもう眠るにょ?」
「にょにょにょ、　でぶ妖精でも怠けてばっかりは駄目にょ」

日向ぼっこ組を後目にでぶ妖精の塊が移動していた。

「うんしょうんしょ」
「食べ物の匂いはこっちにょー」

このでぶ妖精達はつまみ食いをしようとしているらしい。

「にょー、　この棚は大きいにょー」
「ちょっとずつよじのぼるにょー」

よじよじと棚を登っていくでぶ妖精達。

「わぁい、　お豆さんだぁ」

棚を登って行くとそこには大豆が沢山落ちていた。

「ぽーりぽーり」
「美味しーにょー」

洗練された料理でも豆でも美味しいと感じるでぶ妖精の感性は羨ましくもある。

「お豆よりももっと良いの探すにょー」

大半のでぶ妖精が大豆を食べているが少数のでぶ妖精は
他に良い物を探す為に動き回っていた。

「あ、　いちごにょ―♪」

もにょもにょと這い回っているといちごを見つけたでぶ妖精。
のっしのっしと近付くと罠に引っかかって宙吊りになる。

「たしゅけてー」
「にょおおおお」

でぶ妖精達が伸びたり重なり合って助けようと試みるも高さが足りなかった。

カランコロン

「ただいまー」

暫くして日が傾いた頃にラビーが帰って来た。

「たしゅけてー」
「はいはい」

ラビーが宙吊りになっているでぶ妖精を助けてあげた。

「にょん、　ありがとー」
「はいはい、　これに懲りたらつまみ食いはもう止しなさいね」

むにむにとでぶ妖精をつっつくラビー。

「にょおおお・・・」

こうしてでぶ妖精の休日は過ぎたのだった。