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レストラン・スコヴィルの客
作務衣の客(前編)
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ラー油の仕込みが終わったラビーはるんるん気分で料理を始めた。
「よし良い感じのラー油に仕上がった」
「どれどれにょー」
一匙掬ってラー油を舐めるでぶ妖精。
「からいいいいいいいいいいいいいい」
「そりゃラー油舐めたらそうなるでしょ」
でぶ妖精をほっといて料理を続けるラビー。
鍋に自家製の豆板醤やラー油を始めとしたスープの材料を全て入れ沸騰直前まで温める。
その間に中火で熱したフライパンにごま油を入れて豚ひき肉を炒め
肉に火が通ってきたら、 甜麺醤と粉山椒を入れて絡めたら火を止める。
そして沸騰したお湯で麺を茹でで丼に麺とスープを入れ
切っておいた白髪ねぎと肉味噌を乗せたら担々麺の完成。
「いっただきまーす、 うん、 美味しい」
辛みが効いていてラビー好みの味になっている。
「おでぶちゃんにもちょーだい」
「はいはい」
お椀によそってでぶ妖精に少し分けるラビー。
「わぁい、 ずーるずーる、 からあああい」
「え、 辛いかなぁラー油の旨味を良く感じられて良いと思うけど・・・」
「もうちょっと薄味にするにょぉ、 これは辛いにょぉ」
そう言いながら全部食べるでぶ妖精。
「美味しいけれど辛いにょ」
「うーん、 そうかなぁ・・・」
カランコロン、 と店に誰か入って来た。
「いらっしゃいませー」
店に入って来たのは作務衣姿で頭が何かの台座? の様な亜人だった。
「・・・・・えーっと・・・何でしたっけ?」
「私の頭の事を聞いているのならば轆轤だ」
「あぁ!! そうでしたそうでした、 轆轤ですね、 すみませんパッと出なくて」
「私の様な陶芸家じゃ無ければパッと出て来ない物だからな、 構わない・・・」
カウンター席に座る陶芸家。
「陶芸家・・・あぁ行商人さんが言っていた」
「そうだ、 しかしこの店はでぶ妖精を飼っているのか?」
「おでぶちゃんも働いているから飼っているというよりは雇用しているにょ」
「でぶ妖精が働く? 何の役に立つんだ?」
「私は辛党でして・・・お客さんに出せる辛さか如何かを判断してくれるんですよ」
「ふん、 せせこましい事を」
「?」
「自分が旨ければそれを出してしまえば良いでは無いか
辛さ等、 旨味の前では意味が無い」
「そうは言いましても美味しくても辛い物は辛いんですよ」
「でも女将が食えるなら食っても大丈夫では?」
「さっきも言いましたが私は辛党なんですよ」
「よし良い感じのラー油に仕上がった」
「どれどれにょー」
一匙掬ってラー油を舐めるでぶ妖精。
「からいいいいいいいいいいいいいい」
「そりゃラー油舐めたらそうなるでしょ」
でぶ妖精をほっといて料理を続けるラビー。
鍋に自家製の豆板醤やラー油を始めとしたスープの材料を全て入れ沸騰直前まで温める。
その間に中火で熱したフライパンにごま油を入れて豚ひき肉を炒め
肉に火が通ってきたら、 甜麺醤と粉山椒を入れて絡めたら火を止める。
そして沸騰したお湯で麺を茹でで丼に麺とスープを入れ
切っておいた白髪ねぎと肉味噌を乗せたら担々麺の完成。
「いっただきまーす、 うん、 美味しい」
辛みが効いていてラビー好みの味になっている。
「おでぶちゃんにもちょーだい」
「はいはい」
お椀によそってでぶ妖精に少し分けるラビー。
「わぁい、 ずーるずーる、 からあああい」
「え、 辛いかなぁラー油の旨味を良く感じられて良いと思うけど・・・」
「もうちょっと薄味にするにょぉ、 これは辛いにょぉ」
そう言いながら全部食べるでぶ妖精。
「美味しいけれど辛いにょ」
「うーん、 そうかなぁ・・・」
カランコロン、 と店に誰か入って来た。
「いらっしゃいませー」
店に入って来たのは作務衣姿で頭が何かの台座? の様な亜人だった。
「・・・・・えーっと・・・何でしたっけ?」
「私の頭の事を聞いているのならば轆轤だ」
「あぁ!! そうでしたそうでした、 轆轤ですね、 すみませんパッと出なくて」
「私の様な陶芸家じゃ無ければパッと出て来ない物だからな、 構わない・・・」
カウンター席に座る陶芸家。
「陶芸家・・・あぁ行商人さんが言っていた」
「そうだ、 しかしこの店はでぶ妖精を飼っているのか?」
「おでぶちゃんも働いているから飼っているというよりは雇用しているにょ」
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「私は辛党でして・・・お客さんに出せる辛さか如何かを判断してくれるんですよ」
「ふん、 せせこましい事を」
「?」
「自分が旨ければそれを出してしまえば良いでは無いか
辛さ等、 旨味の前では意味が無い」
「そうは言いましても美味しくても辛い物は辛いんですよ」
「でも女将が食えるなら食っても大丈夫では?」
「さっきも言いましたが私は辛党なんですよ」
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