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レストラン・スコヴィルの客

ウィノ、実家を追い出される(ウィノside)

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ウィノは旅券を取りに実家に戻っていた。
金を持って来なかったので馬車を拾う事も出来ずに歩く羽目になり
途中野宿をした為にかなり時間がかかった。

「はぁ・・・はぁ・・・帰ったぞ!!」
「あ、 ウィノ様、 お帰りなさいませ」

通りすがったメイドが挨拶をする。

「本日はどうかなさいました?」
「本日はどうかなさいました? 何だ、 俺が家に帰って来たら不味いのか?」
「はい」
「はい? はいってなんだはいって俺が家に来たら問題が有るのか?」
「ご主人様からウィノ様が帰って来たら追い返せと言われておりますので」
「は?」

困惑するウィノ。

「ウィノ様の私物は全てカラメル王国学院の学園寮に送りました」
「ちょ、 ちょっと待て!! どういう事だ!!」
「どういう事と言われましても・・・私は一介のメイドでして・・・
執事長にお聞きしたら如何でしょうか?」
「っ!! 執事長は何処にいる!?」
「今の時間でしたら稽古場に」
「分かった!!」

ウィノは自宅の稽古場に走って行った。
家に稽古場と言うのは変に思われる読者諸賢もいるかもしれないが
武道を修める騎士団長として使用人も武芸を嗜むべきという考えから
アーモンド家には稽古場が有る。

稽古場に辿り着いたウィノは見かけない少年に稽古を付ける
執事長エムズに問い質した。

「おい!! エムズ!! 父上から俺が来たら追い返せと言われたのは本当か!!」
「本当ですよウィノ様、 おや、 御父上から何も聞いていない?」
「何も聞いていないぞ!! どういう事だ!?」
「さぁ・・・私は命令だけですので」
「何故お前は何も言わなかった!!」

エムズの胸元を掴むウィノだったがあっさりと投げ飛ばされる。

「げほっ!! げほっ!! な、 何するんだ!!」
「こちらの台詞ですよ
私はガルボ様に稽古をつけて差し上げなければならないので今日の所はお引き取り下さい」
「お引き取り下さいって、 ここは俺の家だぞ!!」
「違います、 王国騎士団長メイジ・アーモンド様の家ですので
貴方の家では御座いません」
「何だと!!」
「おい!! ウィノ様を外にお連れしなさい!!」

屈強な使用人達に掴まれて屋敷の外に追い出されたウィノ。

「・・・畜生、 何だって言うんだ!!」

怒りながら事情を聴く為に自分の父親の元にまで向かうウィノであった。
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