【更新休止】婚約破棄された令嬢の激辛料理経営禄

Mr.後困る

文字の大きさ
上 下
55 / 426
レストラン・スコヴィルの客

流石に王子でも厳しい(王子side)

しおりを挟む
サンライズ一行は検疫を終えてビア帝国を横断して
さっさとシクラメン合衆国に入りたかったのだったが
ビア帝国とシクラメン合衆国の国境の街で足止めを喰らった。

「スノー、 もう一度言ってくれ」

高給宿屋のスイートルームに宿泊したサンライズ王子は
眼の前に立っているスノーに苛立ちながら尋ねた。

「えーっとですね・・・まず我々は国内に入る目的の為の
書類の申請を行わなければなりません、 今回の場合は法国への移動なので
『通過』になります、 よって通過申請書が必要になります
馬車を使っての移動になりますので馬車所持申請書も必要になります
そして申請書の次は入国申請書も必要になります」
「要するに三枚の書類は必要と言う事だ、 その書類は役所で申請して貰えると」
「えぇ、 そうですね」
「ここに来る前に見えた、 あの物凄い行列の役所でか」
「はい・・・」
「・・・・・」

頭を抱えるサンライズ。

「しかも3枚の申請書だけじゃありません
3枚の申請書を書いて貰い、 尚且つ国境の入国審査を受けなければなりません」
「あの物凄い行列の」
「はい・・・・・」

うんざりするサンライズ。

「・・・・・私は王子だぞ? 何とかならないのか?」
「大使館に連絡を入れましたが、 国の用事では無いので特権の使用は厳しいかと・・・」
「殿下、 これはもう裏金を積むしかないでしょう」

アスパルの面倒を見ていたウルが進言した。

「裏金って軽く言うけどなぁ・・・大体幾ら払えと?」
「一人頭10万Gですね」
「じゃあ40万Gか・・・痛い出費だ・・・」
「いえ、 往復なので倍の80万Gです」
「何を言っているスノー
法国の間にも国境は有るんだから更に倍の160万Gだ」

彼等の頭には置いて来たウィノの事は既に頭にない。

「・・・・・お前達、 自分達の分は自分で払えよ」
「えぇ!! お金なんて持って来てないですよ!!」
「そうですよ!!」
「馬鹿を言うな!! 幾ら王子でもポンと160万Gも出せるか!!」
「でもこのスイートルームって一泊15万Gですよね?」
「四人で15万Gならば安いだろう、 馬鹿を言うな」
「・・・私は正直出せないですが、 私は司教の息子ですので
私が居なければ法国との交渉に差し支えが有るかと」
「わ、 私が居なければ道中の水の問題が出て来ますよ!!」

スノーとウルが自己アピールをする。

「・・・アスパル、 如何思う?」

ベッドで横になっているアスパルに尋ねる。

「・・・とりあえず静かに寝かせてくれませんか? 傷に響く」
「・・・外のテラスで話そう」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました! でもそこはすでに断罪後の世界でした

ひなクラゲ
恋愛
 突然ですが私は転生者…  ここは乙女ゲームの世界  そして私は悪役令嬢でした…  出来ればこんな時に思い出したくなかった  だってここは全てが終わった世界…  悪役令嬢が断罪された後の世界なんですもの……

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

婚約破棄ですか。ゲームみたいに上手くはいきませんよ?

ゆるり
恋愛
公爵令嬢スカーレットは婚約者を紹介された時に前世を思い出した。そして、この世界が前世での乙女ゲームの世界に似ていることに気付く。シナリオなんて気にせず生きていくことを決めたが、学園にヒロイン気取りの少女が入学してきたことで、スカーレットの運命が変わっていく。全6話予定

婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜

みおな
恋愛
 王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。 「お前との婚約を破棄する!!」  私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。  だって、私は何ひとつ困らない。 困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。

侯爵令嬢の置き土産

ひろたひかる
恋愛
侯爵令嬢マリエは婚約者であるドナルドから婚約を解消すると告げられた。マリエは動揺しつつも了承し、「私は忘れません」と言い置いて去っていった。***婚約破棄ネタですが、悪役令嬢とか転生、乙女ゲーとかの要素は皆無です。***今のところ本編を一話、別視点で一話の二話の投稿を予定しています。さくっと終わります。 「小説家になろう」でも同一の内容で投稿しております。

処理中です...