【更新休止】婚約破棄された令嬢の激辛料理経営禄

Mr.後困る

文字の大きさ
上 下
52 / 426
レストラン・スコヴィルの客

朝の出来事

しおりを挟む
朝方、 ノックの音で目が覚めたラビーは店のドアを開けるとそこには
沢山の唐辛子の入った袋を背負った亜人の子供が居たのだった。

「よぉ・・・赤い実持って来たぜ・・・」
「・・・・・」

ラビーは唐辛子の入った袋を置かせると急いで風呂を沸かして
すぐさま子供の服を脱がせて風呂に叩き込んだ。

「ちょ!! 何だ急に!!」
「何だ急にじゃない!! 貴方昨日の夜からやっていたでしょ!!
体が冷え切っているじゃない!! お風呂に入ってあったまりなさい!!」
「・・・・・」

大人しく風呂に入る子供。
うつらうつらと風呂の中で眠りそうになっていたのでさっさとお風呂から出した。
ラビーは体をタオルで拭いてあげてパジャマを着せる幸い令嬢が
以前持って来た編み間違いの中にそういう物が有った。

「っ・・・・・」

子供の体にはあばら骨が浮いて見える程だった。
眠そうだったのでラビーは子供を寝かしつけてお昼になった頃に子供が目を覚ました。
目を覚ました子供はパジャマから着ていた服に着替えた。

「君・・・家は無いの?」
「・・・有る」
「親は?」
「要らねぇ」
「要らない?」
「殴って来る様なゲスなんか・・・」
「・・・・・」

涙を流すラビー。

「おい、 如何した? 水が出ているぞ?」
「人間は悲しい時は涙が出るのよ・・・」
「涙・・・?」
「貴方、 騎士団でお世話になる気は無い? 私が紹介するわ」
「き、 騎士団・・・いや、 それは無理だ」
「如何して!?」
「弟や妹が9人居る・・・騎士団の稼ぎじゃあ養えない・・・」
「ッ!!」

歯軋りをするラビー。

「こうやって稼がないとならない・・・」
「・・・・・とりあえず朝ごはん、 食べて行きなさい」

そう言ってハムと卵を焼いてハムエッグを焼き。
トーストも出す。

「ちょっとしょっぱい・・・」
「・・・私もまだまだね」

料理に涙を零すなんて・・・と黄昏るラビーであった。

「そんな事よりも貴方のこれからよ、 これから貴方如何するの?」
「如何するって・・・赤い実持って来たから食べ物くれるんだろ?」
「これだけ有ったらもう沢山渡すわよ、 でもこんな生活を毎日続けたら体壊すわよ」
「でも、 アンタ位だよ、 俺に優しくしてくれたの」
「亜人には外道しかいないの!?」
「そんな事は・・・無い・・・と思いたい・・・」

沈黙する二人だった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました! でもそこはすでに断罪後の世界でした

ひなクラゲ
恋愛
 突然ですが私は転生者…  ここは乙女ゲームの世界  そして私は悪役令嬢でした…  出来ればこんな時に思い出したくなかった  だってここは全てが終わった世界…  悪役令嬢が断罪された後の世界なんですもの……

婚約破棄ですか。ゲームみたいに上手くはいきませんよ?

ゆるり
恋愛
公爵令嬢スカーレットは婚約者を紹介された時に前世を思い出した。そして、この世界が前世での乙女ゲームの世界に似ていることに気付く。シナリオなんて気にせず生きていくことを決めたが、学園にヒロイン気取りの少女が入学してきたことで、スカーレットの運命が変わっていく。全6話予定

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

最愛の亡き母に父そっくりな子息と婚約させられ、実は嫌われていたのかも知れないと思うだけで気が変になりそうです

珠宮さくら
恋愛
留学生に選ばれることを目標にして頑張っていたヨランダ・アポリネール。それを知っているはずで、応援してくれていたはずなのにヨランダのために父にそっくりな子息と婚約させた母。 そんな母が亡くなり、義母と義姉のよって、使用人の仕事まですることになり、婚約者まで奪われることになって、母が何をしたいのかをヨランダが突き詰めたら、嫌われていた気がし始めてしまうのだが……。

侯爵令嬢の置き土産

ひろたひかる
恋愛
侯爵令嬢マリエは婚約者であるドナルドから婚約を解消すると告げられた。マリエは動揺しつつも了承し、「私は忘れません」と言い置いて去っていった。***婚約破棄ネタですが、悪役令嬢とか転生、乙女ゲーとかの要素は皆無です。***今のところ本編を一話、別視点で一話の二話の投稿を予定しています。さくっと終わります。 「小説家になろう」でも同一の内容で投稿しております。

処理中です...